きのこ(エノキ、ヒラタケ、ナメコなど)の短木(原木)栽培の備忘録

ソメイヨシノが咲く頃になると、菌類も活動を始め、空気中を漂う菌類の数が増えてくるそうです。
自然状態に近い、きのこの原木栽培では、他の菌たちが活動を始める前に植菌を終え、ほだ木の中にきのこの菌を蔓延させておくと、他の菌に侵されにくいなどとも言われています。

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でもいろいろとノロマな我が家、本当はサクラが咲き始める少し前に植菌作業を終えていたほうがいいのに、隣町の神代桜はすでに満開、とのこと。
さらには、手に入れていたオガ菌からエノキタケがこんなに大きくでてきてしまい、さすがにこれはまずいだろう、ということで慌てて植菌作業を始めたのでした。

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⇧タネ菌であるオガ菌のボトルのフタをこじ開け、発生してしまったエノキタケ。ありがたくお味噌汁でいただきました。

シイタケなどの原木の長木栽培の方法は、ネットでも多く紹介されているのですが、ナメコやエノキ、ヒラタケなどの原木短木栽培の方法は、ネットにも意外とないみたいなので備忘録を兼ねて紹介してみようと思います(先達のみなさん、もっとこうした方がいいよ、というのがあったらぜひ教えてください)。

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⇧原木の短木栽培は、米ぬか、チェーンソーチップなどをまぜたオガ菌を原木でサンドイッチして菌を原木に繁殖させる方法です。特長としてはコマ菌などよりも繁殖が早く、うまくすると植菌した年の秋から収穫可能だったりしますが、合うキノコと合わないキノコもあったりします。

■原木の玉切り■
まずはそのキノコにあった樹種の原木を15センチくらいの長さに玉切りにします。今回は、ヒラタケはオニグルミ、ナメコはウワミズザクラ、エノキタケはエノキとケヤキとクルミに植菌しました。

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⇧輪切りにした後でも合わせ目がわかるように玉切り前にマーキングをしておきます。

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⇧シートの上で玉切りし、チェーンソーチップを回収します。タネ菌の3倍から4倍のチップが必要になります。

■サンドイッチ用オガ菌づくり■
短木栽培では、オガ菌をベースに作ったサンドイッチ用の培養オガを短木でサンドイッチします。まずはそのための培養オガづくり。

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⇧ポットの口をカッターで切って、タネ菌を清潔なトレイにあけます。

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⇧サンドイッチ用のオガ菌は、タネ菌1:米ぬか2:玉切りした樹種のチップソーチップ3(か4)の割り合いで混合したものを使用します。チェーンソーチップの量はヒラタケは繁殖力が強いので4,エノキやナメコは3がいいと言われています。

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⇧混ざったら、握って水が少し滴るくらいまで、消毒されていない水を加えます。

■菌の接種■

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⇧玉切りにした短木の合わせ目に、周囲を盛り上げ(10ミリくらい)、真ん中を少し凹ませた(5ミリくらい)状態に盛り付けます。その後、玉切りの際にマーキングした合わせ目をあわせ、体重をかけてふたつの短木を密着させます。

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⇧その後、サンドイッチしたオガ菌の部分にラップを巻きます。これをやるようになってから、活着率があがったように思います。

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⇧巻きつけるラップは食品用のラップでもいいと思うのですが、我が家では荷物に巻かれてきた梱包用のラップを段ボールに巻き取っておき、それを適当な幅でダンボールごと切って使っています。

■仮伏せ■
本伏せする前に、ほだ木内に菌を蔓延させるため仮伏せという作業を行います。

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⇧できあがった2個1ペアの短木を常緑樹の下に並べます。

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⇧しっかり冠水した後、湿度を保つためシートで覆います。活着するまで、ときどき冠水して湿度を保ちます。活着すると上下の短木は菌で接着され、上の木を持っても下の木は落ちなかったりします。ウチでは梅雨前まで仮伏せしますが、温度が上がりすぎないように注意が必要で、暖かくなったらシートではなく、葉付きのヒノキの枝などで覆うようにしています。


●ついでにオガ菌の駒打ちに関しての余談●
我が家も当初は、ホームセンターなどから種駒(たねこま)を買ってきて打っていたのですが、オガ菌の方が活着が早く、収穫までの時期も早いので、穴をあけて打つ場合もオガ菌を使っています。

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⇧菌打ち棒というのがあって、大量にやる場合はこれがあると便利。

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⇧棒の先端にオガ菌を詰め、

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⇧棒の上のノッチを押すとオガ菌を穴の中に注入することができます。なんかいい感じなのです。

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⇧でも、こんな感じで、オガ菌を指先で詰めてもOK。

で、その後、普通は封蝋をするのですが、我が家のように野生動物が多いところでは、封蝋は動物や鳥たちの好物で、これがあるとほだ木を突かれ、なぜか穴の中身まで食べられてしまったりすることが多いのです。
ところが、成型菌と呼ばれる発泡スチロールでフタをするタイプのコマ菌を使うと、発泡スチロールは嫌いと見えて動物や鳥にフタを食べられてしまう問題を防ぐことができるのです。

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⇧で、それを真似ています。厚み3~4ミリくらいの発泡スチロールの板を、穴径よりも少し大きめのポンチで抜いてフタを作り、そのフタを使うようになってから、発生も早いし、フタを食べられることもなくなりました。キノコは最初、穴の部分からでてくるので発泡スチロールのフタの回収もそれほど大変ではありません(うまくすると集めてとっておけば再使用できるかも?)。

 やっと、どうにか終了。

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2日目、あたりは暗くなってしまいましたが、どうにか短木栽培の原木たちの仮伏せをほぼ終了。あとは美味しいキノコの発生を待つだけ?