「自作のキッチンなのだけれど、市販のシステムキッチン用のビルトインタイプの三つ口ガスコンロを流用することはできないものだろうか?」と、少し前にFacebookでお尋ねしたのですが、それに関して結果報告です。
↑これがこれまで使っていたガスコンロと自作キッチン。コンロに鍋をかけたときの使い勝手を考え、ワークトップよりもガス台のベースを市販のシステムキッチンよりも下げ、三面をキッチン用としては厚めのステンレス板を鈑金して制作しました。
当初選択したガスコンロは2口タイプ。シンプルで火力も強く気に入っていたのですが、20年以上前のコンロのためかこのところうまく火がつかなかったり、ついていたのに消えてしまったりと危険なので交換を検討。どうせなら3つ口タイプのガスコンロに変更したいと思ったのですが、三つ口タイプの廉価品は市販のシステムキッチンへのビルトインタイプしか見つからず、困っていたのでした。
そこでFacebookで尋ねてみたのでした。すると……。
ビルトインタイプのガスコンロを、独立型のガスコンロとして使うためのステンレスのケース(正確には「据置枠」というそうです)が、(あまり知られていないようなのですが)市販されていたのでした。
しかも「ちょうど使っていないものがあるから、差し上げます」とのことでFacebook友達の方が送ってくれたのでした。ありがとうございました。
↑これがそれ。ネットで「据置枠」で検索するといくつかでてきます。
ただ、このお据置き用枠さえ手に入ればすんなり解決するかというと、そうは簡単にはいきませんでした。ビルトインタイプのガスコンロは、通常コンロの底面からガスを配管をすることになっているのです。これをそのまま活かすには、ガスコンロ台の床面に穴をあけなければいけなくなってしまうのでした(どうせテキトーに作ったコンロ台だったのだから、まあ、穴をあけても良かったのですが)。
ところがよくよく調べてみると、規格されたシステムキッチンで使用する場合でも、ガスコンロの下にガスオーブンをセットする場合は、底出しではなく、背面出しにするようなのです。
↑通常のシステムキッチンの場合、ガス管を露出させず、なおかつメインテナンス性を確保するため、通常はコンロの底面から配管するようなのです。ところがコンロと共にオーブンを併設する場合は、コンロの下にオーブンが入るので、ガス配管はコンロの底面ではなく背面出しするようなのです。
■ガス配管部詳細図■
↑背面出しの場合は、工具が入らないためか、雌ネジでの配管ではなく、Oリングを介して取付プレートで固定する配管で、ガス配管材料をかなり探したのですがこれに対応する接続ホース口は汎用品では見つからなかったのでした。
仕方なくガスコンロのメーカーに問い合わせをしたところ、ガスオーブンを接続するための専用フレキ管の他に、端部がPT1/2の雌ねじになっている背面接続用のアダプターがあるとのこと。雌ネジのアダプターがあれば、その部分にガス用ホース口を接続することで背面からの配管が可能です。しかもそのアダプターの品番(KSA-2)を教えてもらうことができたのでした。品番と名称(パロマ後方接続アダプター)をGoogleで検索したらありがたいことに小売販売店がヒット。変換アダプターを手に入れることができたのでした。
部品が揃ったところで、配管を仮組みし、ガス屋さんに組み立ての点検とガス漏れの検査をしてもらいました。LPガスの場合、金属管または機器接続ガス栓を用いた配管工事には石油ガス設備士の資格が必要になります。今回は、お世話になっているLPガス屋さんにお願いしたところ、ちょうどガスの定期検査の時期でもあるとのことで、無料で点検&検査をしてもらうことができました。
↑接続部付近にノズルの先端部をあてがうことで吸気し、ガスがリークしていないかを検査できるハンディガス検査器。これを使って入念に検査していただきました。
↑ガス漏れテストの結果。円盤状の記録用紙に記録されます。
そしてようやくビルトインタイプの3つ口コンロを自作キッチンにセットすることができました。
能登に住む魚料理の達人から「両面焼きがオススメだよ」とアドバイスいただいたので、今回購入したものは両面焼きができるタイプで、少し値段が高かったのだけれど、ビルトインタイプの三つ口コンロは魚焼きグリルが片面焼きのタイプであれば、新品でも2万5000円以下から手に入れることができます。
しかも自作キッチンであれば、ワークトップの高さよりもガスコンロの上面を低くできるので作業性もよくなるように思います。
楽しいし、使いやすいし、お金の節約にもなる! ビルトイン用の3つ口ガスコンロの流用、オススメです。