電動ケットラ充電物語

 足グルマであるジープは天ぷら廃油で動いてくれるのですが、農的な暮らしをしていると、どうしても軽トラが必要だったりします。燃し木(薪)を運んだり、田植え機や脱穀機の運搬、それに大量の落ち葉やモミガラを運んだりすることもあるわけです。
 でも軽トラを走らせるたびに「ああ、化石燃料使っちゃってるよなぁ」ってことがどうも気になっていたのでした。
 そんなわけで田んぼへの往復などには出来る限りディーゼルのテーラー(これも天ぷら廃油を燃料として走らせることができるように改造してあります)を使っていたのですが、ギアを6速に入れても最高速は20㎞/h前後。しかも屋根のないオープンカーなので雨の日は厳しく……「いつかは電動ケットラに乗り換えるぞ!」と心に誓い、歯を食いしばりながら冷たい雨に打たれていたのでした。

(↑その割には楽しそうで、歯を食いしばって耐えしのでいるようには見えませんね)

 ところがなのです。
狙っていた電動ケットラ、三菱のミニキャブMiEVが「なんと、まさかの製造中止!」との情報(唯一、欲しいなぁ、と思わせる現行車だったのですが、どうも売れなかったらしいのです。私って完璧なるマイノリティ?)。
で、三菱のディーラーに問い合わせたところ「全国で16台だけど、まだかろうじて新車が眠っていますよ」とのこと。慌てて見積もりをお願いしたのですが、補助金を差し引いても見積り価格は170万円。
 八ヶ岳の金銭感覚だと、家が建ちそうなその金額に圧倒され、悲しみに打ちひしがれていたところ、3年落ちながらも走行距離は6000㎞、値段は69万8000円(本体価格)という(電気自動車としては)割安な中古車をネットで見つけ、思考回路をショートさせ、あわてて買ってしまったのでした(てなわけで、これから先、お金稼ぎも頑張ります)。
 そんなわけで電動ケットラこと「ミニキャブMiEV」がある日、積載車に載って我が家にやってきたのでした。やってきたのはいいのだけど、よく調べてみると「我が家では充電ができない!」という致命的なことが遅ればせながら発覚したのでした。
 ケットラだからとタカをくくっていたのですが、コムスや電動自転車などのようにそこらの家庭用コンセントから気軽に充電してはまかりならぬ、と取説に書かれているのです。標準装備の充電ケーブルで充電する場合、なんと!単相200Vの電気自動車専用コンセントが必要とのこと。
 しかも、最近よく目にする道の駅や高速パーキングなどにある電気自動車用の急速充電器を使うには会員である必要があるのだそうです。会員になるためには、クレジットカードの登録が必要で、しかも一番ランクの低い安い会員であっても(まれにしか使わなくても)年会費6000円を払わないといけないとのこと(このお金、どこに流れているのだろう?)。
 こりゃ困った……。でもね、ネットで調べてみたら、どうも裏技があるらしいことが分かってきたのでした。

↑軽トラのサイド部分、ガソリン車だと工具箱になっている白い箱をあけると、その中に充電用のジャックがあり、こんな風に充電ガンを刺して充電します。ところが、充電ケーブル&ガンはクルマに付いては来たのだけれど、充電用の単相200V(ボルト)のコンセントがわが家にはないのでした。

↑そしてこれがクルマに付いてきた普通充電用の単相200Vのケーブル。ネットで調べてみたら、変換アダプターを作ることで100Vでも認識してくれる(らしい)のです。

↑単相200Vの(接地極付き)コンセントは、あやまって100Vが刺さってしまわないようにこんなユニークな顔をしています。単相200のコンセントには、片目から「涙を流しているもの(最大許容電流250V20A)」と、「涙を流していないもの(同250V15A)」、それに丸型などがあるのですが、MiEVのケーブルには許容量に余裕のある泣き顔の方のプラグが使われています。

↑安全マージンを取るため2mm三線のぶっといキャブタイヤケーブルコードと接地極付き100Vプラグなどを駆使し、こんなものを作ってみましたが、良い子のみなさんは真似しない方がいいですよ。「MiEVのカタログにも専用品以外のアダプターの使用はやめてください」と書いてあるらしく、三菱は責任をとってくれません。申し訳ないけど、もちろん私も責任は取れません。
 100Vで使用する場合でも、スタンドアロンの接地極付きコンセントでの使用が必須条件とのこと。でも、やってみたかったのは私の場合、東電化石燃料を使って作った電気ではなく、それとはちょっと違った方法だったのでした。


 まず、水道の止水栓ボックスの中に鉄筋棒と銅パイプを打ち込みます。

↑ここから2スケアの太いコードでアース線をとり、それを年代物の100Vディーゼル発電機のアース端子に接続します。
 もちろん、ディーゼルエンジンの発電機なので、燃料は天ぷら廃油で稼働。

↑こんな感じ。このサイズのディーゼル発電機であれば軽トラの荷台に載せることもできるので、旅先で充電することもできるし、専用のインバーターを使うことで、天ぷら廃油で発電した電気を家庭で使うこともできたりします。自然屋さんmountain*mountain、それにたんぽぽ食堂さんなどから良質の天ぷら廃油をいただけるし、それに加えて娘がときどき、(美味しい)お蕎麦屋さんにアルバイトに行っているので、天ぷら廃油の供給は十分。しかもこの電動ケットラには10kWhものリチウムイオン電池が使われていて、専用のインバーターは1500Wも取り出せるので(でも15万円もするので高くて買えないのですが)、家庭用の大型冷蔵庫も使えるほどの十分な電力をストックできる……との目論見なのでした。

 デコンプを引いて圧を落とし、セルモーターの回転があがったところでデコンプを戻したら気持ちよく天ぷら発電機のエンジンはかかりました。

 ところがなのです。充電ケーブルのコントロールボックスには赤の「FAULT」が点灯。なんどやっても、また家庭用の100Vにつなぎ変えて試してみたりもしたのですが、症状は変わらず、残念ながら充電できませんでした。
 天ぷら廃油燃料の先輩でもあり、電気自動車にも詳しい方に助けを求めたところ、どうも年式によってケーブルが異なり、私が購入した2013年式のMiEV付属のケーブルは、100Vでは使えないことが判明。
i-MiEV HA3Wに付属している200V充電ケーブル 品番9499 B 157 (部品価格 8万円)は100V/200V 切り替えできますが 現行 MiEV アイやバン、トラックに付属している200V 充電ケーブル 品番9482 A 122 (部品価格 5万円)は200V専用とのことでした。見分け方は、前者のコントロールボックスのランプには「READY」と表示されているけれど、後者のコントローラーのランプには「POWER」と表示されていてそこで区別がつくようです(このブログの最後に追記しましたが、旧タイプのケーブルを使っても使えない場合もあるようです)。

↑100Vでは使用できない新しいタイプの充電ケーブルの表示。「READY」ではなく「POWER」と表示されています。


 これは推測ですが、家庭用の普通の100Vコンセントから充電をする人が多く、その場合に200Vでも100Vでも使える旧型のケーブルでは100Vでも15Aが流れてしまいスタンドアロンのコンセントでないとブレーカーが落ちてしまったり、アースが取れていないと危険だったりするので、後期型では100Vでの充電には専用のケーブルを設定し、流す電流値も10Aに落としたということかもしれません(そのため200V15Aであれば満充電まで5時間のところが、100V10Aだと満充電まで15時間もかかってしまうのですが企業としては安全を選んだ、ということなのでしょう)。

電動ケットラ充電物語2」につづく。


■緊急追記■
「品番9499 B 157」の古いタイプのケーブルを貸してくださった方がいらして、それに100V3線用のアダプターを接続し、アースもしっかりとって試してみたのですが、私のMiEVトラック(2013年式)では100Vでの充電はできませんでした。
できる方もいるようなので、クルマ側の制御機構の違いかもしれません。取り急ぎの追記メッセージでした。

↑コントロールボックスのチャージランプは点灯するのですが、車両側のチャージランプは点灯せず、電流を測ってみたらわずかしか流れていませんでした。