Blog「自給知足がおもしろい」

自給「知」足と称した、貧乏くさい暮らしを楽しむためのブログです。

完璧な自給自足は目指さず、「テキトー」と「いー加減」をモットーにあまり頑張りすぎない、
そんな暮らし方がこの頃なんだか、とてもオモシロイ!と感じています。
自給「知足」的な暮らしは言いかえると「貧乏臭い・ケチ臭い暮らし」でもあります。

でも「ケチ臭いビンボー暮らし」も、そう捨てたものではありません。
ビンボー暮らしは、お金をそれほど必要としない暮らしとも言えます。
そのため、お金稼ぎの作業や仕事に長時間、拘束されずにすみ、
その分の時間を、ヒトが暮らすための作業に使うことができます。

農的で質素な暮らし方が可能で、それにより身近なことで幸せを感じることができたりもします。
また、昔ながらの農的な暮らしは、ヒトも哺乳類の一種として自然の生態系の中で
虫や草や菌類など他のいきものたちと共に生きる暮らし方だったりもします。

そして、こうしたテキトーでいー加減な自給的な暮らしをうまくやっていくポイントは、「知足」? 
人間の欲望は際限がなくてお金をたくさん得られても、たぶんどんなお金持ちになっても満たされません。
でも逆に、小さなちょっとしたことでも、とても幸せに感じられることがあったりします……不思議です。

日々の暮らしの中から「自給知足的な暮らし」を楽しむためのヒント? 
のようなものを、紹介できたらいいなぁ、と思っています。どうか、よろしく。


キノコの散水装置の考察-ミストシャワーノズルの流用


白州に移り住んですぐの頃からなんとなくキノコの植菌はしていました。そんなわけでもうかれこれ20年近くやっているわけだけれど、キノコの原木栽培、最近になってやっと栽培のコツが少しつかめてきた感じです。

↑これはナメコ。原木栽培でうまく育つと、チャナメツムタケのような大きさ&風味のきのこになります。これをたっぷり入れたお味噌汁は最高。ちかくの集落にきのこ名人の方がいらっしゃるのですが、その方が作ってくれたなめこ汁が美味しくて、ナメコ独特の香りが強く、その上、少し酸味のような独特の味があるのですが、最近それに少し近づけることができるようになりました。傘の開いた大きなナメコを前の晩に出汁とともにたっぷり入れ、翌朝いただく前に味噌をときます。コツは前の晩に傘の開いた大きなナメコをたっぷり入れておくこと、かなぁ。

↑こちらはヒラタケ。菌床栽培品と原木栽培とで一番違いが大きく出るきのこがヒラタケ、と言えるかもしれません。
一度でも原木栽培のヒラタケのあの味と香りを知ってしまったら、菌床のもの(シメジなどの商品名で売られています)が同じ種類のきのこであるとは思えないように思います。シチューやパスタなどのホワイトソースに、そしてお醤油を垂らして炭火でつけ焼きというのも抜群。

↑一個だけでシイタケ丼ができてしまいそうなくらいの大きくて分厚いシイタケ。マツタケは確かに稀少だけど、味と旨さは原木栽培のシイタケにはかなわない!(なんて、マツタケが採れない負け惜しみだったりもするけど)。


 最近、ちょっとだけ分かってきたのだけれど、季節になって、雨が降り、きのこの「つぼみ」がほだ木から出始めたら、その後は、乾燥させず、空中湿度の高い状態をしっかり保つ、というのが、原木栽培のコツではないでしょうか?
 原木栽培の場合、きのこが出ようとしていたときにしっかりと全部出す、というのが、正解のように思います。原木は年月とともに風化し、樹皮が剥がれてしまうのですが、そうなるともうキノコはでません(樹皮がはがれると出なくなるので、ヒモで縛ってみたりいろいろやったけど、うまくいきませんでした)。
 風化し樹皮がはがれだすまでの期間は、きのこがたくさん発生したほだ木もあまり出なかったほだ木もそれほど変わりなく、つまりはほだ木が劣化し樹皮がはがれ出してしまうまでの間に、どれだけたくさんのキノコを発生させることができるか? が原木栽培のコツ、ではないかと思うのです。
 そのためには、つぼみが出てきたら、空中湿度を高く保ち、つぼみが乾燥し途中でひからびてしまうような事態を避けなければなりません。スプリンクラーで水をまいてしまうのが手軽だけど、しかしそれだと水分過多で質のいいキノコにはならないし、さらには水も大量に必要。かといってエバーフローは霧化性はいいけど、高価なわりにビニールチューブが裂けやすく耐久性がないので、規模の小さな素人には使いにくいように思います。
 そして今回試してみて良さそうだったのが、南の島などのリゾート地で人気のミストシャワー用のノズルでした。ミストシャワーはいまや世界的なスタンダードのようで、amazonなどから簡単に手に入ります。しかも、製造地(中国)からの直送品だと、ひとつ20円程度(20個で410円送料込)と破格値。これを流用した散水装置がなかなか調子いいので紹介したいと思います。

↑これは塩ビパイプを使わない初期のモデルですが、こんな感じで霧に煙る深山の森を作り出すことができるのでした。

↑ノズル先端部はネジになっていてミストの具合を調整可能で飛距離も調整できたりします。これに至る前、細いドリル(1ミリ以下)で塩ビパイプに穴をあけるなどしたのですが、ここまでキレイにミストにはなりませんでした。ふたつの水流をスパイラルで流し、吐出口付近でぶつけることで細かなミストを作り出しているようで、なかなか良くできているのです。

↑はるばる中国から、20個410円(送料込)で送られてきたミストノズル。

↑作り方は簡単。塩ビパイプのキャップのセンターにドリルでテキトーな穴をあけます。また、塩ビパイプのキャップ内に仕込むため、チーズの両端は切り落とします。

↑穴にノズルの先端側を通し、チーズの側をキャップの内側から入れて押し込みます。この部分、精度がいいとそのままでも漏れないのですが、漏れてしまう場合は接着剤などで接着してシールします。

↑それを塩ビパイプの先端に取り付けます。こうすると塩ビパイプ自身を支柱として使える、という寸法です。

↑こちらは支柱として使う塩ビパイプの後端。エルボなどを使ってホースジョイントを取り付けます。

↑異形鉄筋をハンマーで土に叩き込み、それに塩ビパイプを添わせます。

↑当初は、高めの支柱にノズル1個でした。でもこれだとミストは風に飛ばされ、あらぬ方向を湿潤にしていたりしました。そこで少し改良。

↑支柱を低くし、ひとつの支柱にノズルを3つ付けています。エルボを介すことで、ノズルの角度を任意に変更できるのも便利だったりします。ミストの具合や飛距離は、ノズル先端のグレーの部分をネジることで調整可能。


最後に料理をひと品紹介。
■原木なめこの乾煎り、大根おろし添え■

なめこはゴミを取り、さっと洗って、鍋で乾煎りします。

↑すると、水は入れていないのに、驚くべきことにこんな感じになります。
これにお酒とお醤油をテキトーに入れてさらに少し煮詰め、その間に、畑からとってきた大根をおろし、その上に乾煎りしたなめこをのせます。これで完成、とても簡単。でも、ご飯もお酒も進んでしまうという危険なイッピンなのでした。

↑たくさん採れたときにはキノコのプリザーブ(オイル漬け)もオススメ!