暮らしの中で実際に使っていて、「こんなタイプの工具箱が良さそうだなぁ」と思っている工具箱があります。それはこんなタイプ。
古いコーラの木の箱に、帆布で作った取っ手付き布を組み合わせたもの。取っ手付きのこの布は、昔作った薪運びバッグ兼ストッカーで、これ用の枠が別にストーブの脇にあり、薪を入れたままそこに固定することができる、というものでした。
ノコギリやバール、インパクトドライバーなど、コーラの箱からはみ出してしまうような長モノや厚モノもこのスタイルの工具箱だったら、比較的持ち運びが容易だったりします。
しかもコーラの箱だけだと運ぶ際、両手で持つ必要があるのですが、トート風の取っ手付きバッグと組み合わせることで、箱を片手で運べるので(もうひとつの手で他のものが運べる)というメリットもあります。
そしてなにより重宝するのは、畑の中での作業の際、取っ手付き布を敷物にできるので、その上で作業を行うことで、ボルトやナットが草むらに隠れてしまって見つからなくなる、というトラブルを防ぐことができるのでした。
そして最近、友達から麻の土嚢袋をいただいたので、それを使って新たにひとつ、作ってみることにしました。
まずは材料の調達。
非電化工房の藤村さんの影響もあって、このところは廃材や廃品を使ったアップサイクルなモノづくりというのがとても気になっています。
ところで、トート風の取っ手付きバッグのポイントは、端の部分がたゆまないように芯材を取り付けること。
↑それには、友達から分けてもらった製材所の切端(せっぱ)を使うことにしました。切端は規格サイズの材をとるために切り落とされた端材で、製材所によっては燃し木(薪ストーブの燃料)として分けていただけたりします。
材は、たぶんマツ。樹皮を付けたままだと虫が入りやすいので、樹皮をスクレッパーやナイフなどでむいて使用することにしました。
↑上が加工前、そして下が加工後。薄皮を少し残すことにしました。
また、この手の切端は、生木が多いので雨ざらしにしておくとカビが生えてしまいます。木材は一度カビるとそれを取るのが難しいので、できれば陽が当たるようなところに並べて干し、紫外線で表面を白化させておくと古材のような表情が出て楽しめます。
それと最近わかったのですが、生木には生木なりのちょっと面白い処理方法があったりします。そのあたりは後編「作り方2」で紹介の予定。
また切端は、こんな感じで屋根の破風板に使っても、ちょっと面白い雰囲気があったりします。
さて、取っ手は何で作るか?
部品や材料のストック兼オブジェとして林にある廃車のエンジンルームを物色。
当初はファンベルトかタイミングベルトを使おうと思ったのですが、外すのが面倒なのと、手で持った感じがあまりよくないので、燃料ホースを使用することにしました。シートベルト(を三重に折って)なんていうのも面白いかもしれません。
ちなみにファンベルトを取っ手に使ったアップサイクルには「こんなもの」もあります。
取り付け部分は、ホースを半分に切ってカマボコ型にし、ワッシャーを噛ませて、ナベの木ネジで取り付けました。自動車の燃料ホースは、内部にガラスクロス?が鋳込まれていたりしてかなり丈夫だったりします。
↑布の固定にもテープの代わりに、薄く割った切端を使用。
↑表から見るとこんな感じ。
↑そして開くとこんな感じ。
この手のトートバック改は、足腰の弱った老犬の介助にも役立ったりします。
とりあえず麻布で作ったトートバッグ風は完成。
薪を運んだり、林に焚き付けを拾いに行ったり、畑で収穫カゴとして使用したり、これだけでも意外と便利だったりします。
とりあえずきょうのところはここまでで、このあと「作り方2」、箱作り編に続きます。