いろいろな過ごし方があると思うけど、ギャラリーを訪る、というのもオススメです。
あの木村二郎さんが残したギャラリートラックス(山梨県北杜市高根町五町田1245)で、9月19日まで、徳永青樹さんの個展 “0→1”が行われています。
トラックスはギャラリーであると同時に、素敵なカフェでもあります。食事は要予約だけど、たまたまいらした料理人のお客さんが大絶賛していたくらいに食事も素晴らしい。トラックスは金曜日から月曜日の11時から17時までの営業です。
徳永さんは、木村二郎さんに師事し、その後、同じく木村二郎さんに師事していた迫田さんとグランドラインという建築ユニットを作り、活動してきました。
これまでの作品は、八ヶ岳の周辺に多くあります。
「キャトルセゾン」「アジアート」「サンテリア」、それに茅野で行われた「小屋フェス」のあの入口にあった「切端貼りの小屋」だとか、あ、あと「たわわ」さんもそうかなぁ。
上記のどこかをご存じの方だったら、「あ、素敵そう」と興味を持たれるかもしれません。古材やサビた金属などがもつ独特の表情を巧みに使った建築空間が特徴でした。
でも今回の個展はそれらとは、違った趣きのものでした。
このカタチとこのバランス。
俗っぽい表現だけど、「ガツーン」という感じでした。
フレームには、どこにでもある資材であるビニールハウスの支柱(主に19φと22φ)が採用されています。
板のベースもこれもどこにでもあるシナベニアの合板。
それらがしっかりと研ぎ込まれ、写真のセットでは木端(こば)に金箔が貼られています。
19φと22φのパイプはそれぞれ入り子にできて、上の写真の椅子は折りたたむことができます。
この椅子の木端は、ゴールドよりもよりもさらに反射する波長が少ないプラチナ箔。
そして、手前が徳永青樹さんの椅子で、奥は木村二郎さんの椅子。
「形がシンプルで、材料が普遍的なものだけに、しなければいけないことがたくさんある」
一見、とらえどころのない言葉のようだけど、これらの作品を見ていたらスッと入ってきました。
好奇心と共に、ものづくりの刺激をたくさんいただきました。
徳永さん、そしてトラックスの悦子さん、ありがとうございました。