春の植菌シーズン、今年も懲りずにマイタケの植菌も行いました。
おととしは舞えたけど、去年は完敗。悲しいことにひとつも出なかったのでした。
↑これはおととしの秋の写真。
そんなわけで、今年は少し作戦変更。
去年までは、上の写真のように、原木、マイタケ用のビニール袋、チップ、米ぬかなどをそれぞれ別々にドラム缶にいれて、ひと晩、煮沸消毒していました。
でも、これだと原木などを袋に入れる際、空中の雑菌を拾ってしまう可能性高いように思われ……。
そこで、今年はビニール袋に原木や培地などをすでに入れておき、その状態でドラム缶で消毒をすることにしました。
マイタケの原木栽培では、コナラなどのオガクズに小麦フスマなどを混ぜたものを培地として使用します。
昨年までは米ぬかを使っていたのですが、小麦ふすまのほうが成績がいいとのウワサがあって、でもフスマはなかったので、自家製小麦を全粒粉に製粉したものを使いました(かなりの贅沢)。
こうして作った培地を専用のビニール袋の底にまず敷き、その後、原木を置き、原木の上にも培地をセットします。
この状態のものをドラム缶に入れるのですが、ビニール袋入りなので昨年までのように水に漬け込んで煮るということはできず、しかたがないので長時間蒸して殺菌することにしました。
まず、ドラム缶の底にコンクリートブロックを入れ、ブロックの上面ギリギリまで水を入れ、その上に、板を渡してスノコのようにします。
その上に、あとは菌を打つだけの状態にしたビニール袋入りのコナラ原木をセットします。
ドラム缶の側壁は温度が高くなるので、側壁との間にも板を入れてビニールが直接ドラム缶に触れないようにして三段、合計21個の原木袋をセットすることができました。
そして点火。5分ほどで内からグツグツ言う音が聞こえはじめました。
フタの上には重石を載せて、内部にある程度の圧がかかるようにします。
この状態で、35時間くらい加熱しました。
↑これは途中で水が減っていないかをチェックするためのレベルゲージ。
フタの密閉度が良かったためか、水は一度も追加なしでした。
そして翌々日の夕方、菌友達とともに植菌。
人手があったので、袋を開く人、おが菌を振る人、袋を閉じる人、テープを貼る人、と流れ作業で作業をすすめることができました。
菌を打ち終えたら、9月くらいまで暖かな部屋で保管し、ホダ木全体にしっかり菌をまわします。
袋の内部が真っ白&オレンジ色の菌に覆われれば成功。
ペニシリン系の緑色のカビが出てしまった場合には失敗。
その後、ビニール袋から出して、雑木林の林床に本伏せします。
うまくするとその年の秋から、菌床栽培には真似できない風味豊かな原木マイタケが発生します。
気持よく晴れた雨上がりの秋の朝、果たして今年は舞うことができるのだろうか?