Blog「自給知足がおもしろい」

自給「知」足と称した、貧乏くさい暮らしを楽しむためのブログです。

完璧な自給自足は目指さず、「テキトー」と「いー加減」をモットーにあまり頑張りすぎない、
そんな暮らし方がこの頃なんだか、とてもオモシロイ!と感じています。
自給「知足」的な暮らしは言いかえると「貧乏臭い・ケチ臭い暮らし」でもあります。

でも「ケチ臭いビンボー暮らし」も、そう捨てたものではありません。
ビンボー暮らしは、お金をそれほど必要としない暮らしとも言えます。
そのため、お金稼ぎの作業や仕事に長時間、拘束されずにすみ、
その分の時間を、ヒトが暮らすための作業に使うことができます。

農的で質素な暮らし方が可能で、それにより身近なことで幸せを感じることができたりもします。
また、昔ながらの農的な暮らしは、ヒトも哺乳類の一種として自然の生態系の中で
虫や草や菌類など他のいきものたちと共に生きる暮らし方だったりもします。

そして、こうしたテキトーでいー加減な自給的な暮らしをうまくやっていくポイントは、「知足」? 
人間の欲望は際限がなくてお金をたくさん得られても、たぶんどんなお金持ちになっても満たされません。
でも逆に、小さなちょっとしたことでも、とても幸せに感じられることがあったりします……不思議です。

日々の暮らしの中から「自給知足的な暮らし」を楽しむためのヒント? 
のようなものを、紹介できたらいいなぁ、と思っています。どうか、よろしく。


残飯で動く「チキントラクター」を作ろう! その1

 四井さんに誘ってもらって共同購入した名古屋コーチンが、ある日、小屋の片隅に卵を産んでいたのでした。
ウチにやってきた時はまだ手の平に乗るくらいの大きさで、卵を生み出すのは150日くらい先、とのことだったので、まだもう少し先の話、と思っていたので嬉しい誤算。と同時に、急いで産卵部屋を作ってあげる必要が生じたのでした。
 さっそく「宝の山」(私にとっては大切な廃材置き場なのですが「ゴミ捨て場」と呼ぶクチの悪い家族もいます)に行って、材料を物色。そしたら、使って欲しそうな顔でこちらを見つめる車輪を見つけたのでした。うん、どうせ鳥小屋を作るのなら……ということで、残飯を燃料として活用できる未来の耕うん機「チキントラクター」を作ってみることにしました。

↑これが宝の山で見つけた車輪。まだ「トイザらス」なんてなかった昔々、ポモナのスワップミートでこれを見つけて気に入ってしまい、個人輸入した朽ちたカートの後輪です。

↑空気を入れてみたのだけれど、ちっとも空気がたまりません。タイヤを外してまずはパンク修理から……と思ったら、内部のチューブはボソボソ、パッチワークでは再生できそうにない状態でした。

↑普通だった万事休す、なのですが、なぜこんな変則タイヤのデッドストックチューブを持っていたりします。日本に「トイザらス」ができてレディオフライヤーを売り始める前、このカートを輸入して売っていたりしたので、そのとき補修部品として取り寄せておいたチューブが残っていたのでした。

↑新品チューブを入れて、とりあえず車輪は再生完了。
 ちなみにこのタイヤ、もしもどうしても再生できなかったとしても、サイドウォールで切って裏返えし、廃ファンベルトで取っ手を作るとこんな感じの植木鉢にアップサイクルすることもできます。

 詳しい作り方は、こちらからどうぞ。

↑結構、いい感じでしょ! 
 いかんいかん、チキントラクターに戻ります。
車輪の再生が終わったら次に、本体の製作にとりかかりました。

↑まずは、左右のフレームを作ります。動力に化石燃料を使わないトラクターなので、軽量化が必要。また力点と支点が前後の両端なので、横方向の材は1本ものので作る必要があります。細い材でもどう組んだら剛性を保てるか?そのあたりの検討がまた楽しみでもありました。

↑地面と接する部分は腐食しやすいので、亜鉛メッキされた金属枠を固定しました。これは一昨年の大雪で潰れてしまい大量に捨てられていたビニールハウス材をいただき、鈑金して修正しておいたもの。
 木材も、廃業した木工屋さんが解体される直前に行ってストック材をいただいてきたものだったり(お月さんに連れて行ってもらいました、ありがとうございました)と、隣町にある木の廃材が豊富な産業廃棄物処理場から(中村ケンジさんに連れて行っていただきました、ありがとうございます)いただいたものなどだけで、今回は木材は1本も買うことなく賄うことができました。

↑汚れた古材はそれはそれで魅力的だったりもするのですが、でももし気になるようだったらカンナで薄く一枚はぐと新品のようになります。また、産廃にやってくる廃材には、未使用材も含まれていたりします。いずれにしてもこれらの廃材をうまく使うにはストックしておく場所があることが大切。その点、土地を格安で借りることのできる田舎暮しは圧倒的に有利だったりするわけです。

 実際の作業は、このところアースバッグハウスやらタイニーハウスやらのワークショップに参加させてもらっていて、大工仕事の腕を上げている?娘が主体的にやってくれました。

「父ちゃん、そこのコンセント、ちょっと踏んでくれる?」と言ったかと思うと、離れたところから丸ノコのコードをグイっと引っ張ってプラグを引き抜いたりします。かなり実践的なテクニックを習得している模様。はて、誰に学んだのだろう? (良い子のみなさんは、真似してはいけません)。

↑骨組みはこんな感じ。2階が産卵室で、1階が耕運&自動施肥スペースになります。釘ではなく、それぞれをコーススレッド(粗目の木ネジ)で止めていきます。そしてこれらのコーススレッドも多くは捨てられてしまう廃物の再利用。

↑最近は木質系造作にコーススレッドが使われていることが多く、解体する場合、バールでこじるのではなく、ビスをインパクトで抜くことが増えています。そして抜いたビスを足元に捨てると危険なので空き缶などに捨てられるのですが、そうした中古のコーススレッドを空き缶ごといただいてくるとよく使う種類のコーススレッドをひと通り手に入れることができたりします(写真の上ふたつ)。
また、廃材サルベージュの達人が友達の中にいるということも廃材アップサイクルでは重要な要素。写真の左下は、今回アミを固定するのに多用した25ミリのスリムという特殊なコーススレッドなのですが「こんなのないよねぇ」と言ったら、岡さんが届けてくれました。「廃業した木工所の片付けで出たもの」とのこと。凄く助かりました。ありがとう!
さらに、写真の右下は75ミリのコーススレッドで新品。新品だけど捨てられてしまったもので、なぜ捨てられてしまったのか不思議だったのですが、使ってみたら分かりました。インパクトで打とうとすると芯がブレるのです。でも、日頃、中古のコーススレッドを使っている身からすると、全然問題なく使えるレベルだったりするのでした。

↑骨組みができたら、アミをタッカーで止めていきます。アミだけは手持ちがなかったので亀甲メッシュをコメリの通販から購入。緑のメッシュも黒のメッシュもメートルあたり590円で値段は同じだったので、黒のメッシュにしました。

↑途中でタッカーの芯がなくなってしまうというハプニングがあったのですが、ホームセンターは遠く、買いに行くのが面倒だったので、細い釘で代用。ところがこれが逆に正解で、細い釘を途中で折り曲げて使うほうが、アミを張る上では張りやすかったりしました。少なくとも最初に固定する四隅は、釘のほうが便利だったりします。最初は折らずにただ真っすぐ(途中まで)打ち込み、そこにアミを仮に引っ掛け引っ張り具合を調整。引っ掛ける網目をひとスパン張ったり緩めたりで張り具合の調整が可能だったりします。

↑その後、強めに面取りした目地板でアミを押さえます。またこの押さえの板は下地のフレームと逆に組み、ツーバイ工法のガゼットのような機能を持たせ剛性をアップを図っています。
その2」に、続きます。