ちょっと調べてみてわかったことなのですが、アメリカ国防省は2014年の8月にアラスカ州のコディアック基地から実験と称して極超音速の飛行物体を発射しています。そしてこの飛行物体は、マッハ5のスピードだそうです。打ち上げから54分後には東京に届くとのことです。
このときは、マーシャル諸島を狙ったのだそうだけど、軌道がそれたので途中で爆破したと米国国防総省は言っています。詳しくはこちらの記事をご覧ください。The Huffington Postですから信頼のできる情報です。
撃ってから到達まで54分! 最高司令官が山中湖村でゴルフをやってる時にこんなの撃たれたら、迎撃なんてとてもできません。
でも、マッハ5という極超音速の大陸間弾道弾のスピードに驚いていてはいけないのだそうです。
まったく知らなかったのだけれど、中国は2014年1月に、その倍の速度であるマッハ10の速度の極超音速ミサイル「WU-14」の発射試験に成功しているとのことです。情報ソースはこちらで、これも信頼できそうな情報なのです。
米国や中国がやってもまったくニュースにもならないけど、なぜか北朝鮮がやると大きなニュースになる、というのもちょっと不思議な話なのですが、それよりもっと不思議なのは、北朝鮮が今回撃ったという「光明星」という長距離飛行物体は仮にミサイルだったとしても「大陸間」弾道弾、だということです。
北朝鮮にはすでに日本が射程に入る中距離ミサイル「テポドン」を持っているわけですから、日本のことだけを考えるのであれば、「大陸間」弾道弾なんてあんまり日本には関係ないんじゃなかろうか?
↑ハンドドリルでホーニング。少しずつしか削れないから時間はかかるけれど、測定をしっかりやることで、その気になれば100分台の正確なクリアランス調整も可能だったりもします。
もうひとつ、気になることがあります。
日本では随分前にエンジンをオーバーホールし、シリンダーをボーリングしてまで一台のクルマを乗り続けるなんてことはしなくなってしまったのですが、昔はすり減ったシリンダーの修理用に少し大きいサイズのピストンが用意されていて、それに合わせてシリンダーをボーリングしすり減ったエンジンを修理して末永く大切にクルマを使っていました。
かつて、かろうじて生き残っていたそうした下町の内燃機加工屋さん(俗にいうボーリング屋さん)を取材させてもらったことがありました。お訪ねした作業場では焼き嵌めのための研磨が行っていて「こんな仕事、できればやりたくないんだけどねぇ」といいながら、原発の配管の接合部のボーリングをされていました。ふとしたきっかけで先日それを思い出したのでした。
でも、そのとき取材させていただいた下町の内燃機加工屋さんは「原子力はなんだか気持ち悪いけど、平和利用だからまあやるけど、会社がつぶれそうでも兵器には手を出したくないなぁ」という気概を持って仕事をされていました。オールドタイマーという雑誌にかなり前だけど書いたことがあるので古くからの読者の方は覚えている人がいるかもしれません。でもいまは職人仕事も細分化されすぎてしまっていて、そしていまはなぜか、メディアが一方的にロケットとミサイルを使い分けて煽るものだから、そうした判断はなかなか難しい、という側面もあるかもしれません。
しかしそれにしても、なんで大陸間弾道弾にこれほどまでに過激に反応するのでしょうか? そのあたりを深く考えてみる必要はあると思います。
そして、ちょっとうがった見方だけど、もしかしたら沖縄のひとたちは、そのことに我々よりも少し早く気がついていて、だから「沖縄に基地はいらない」と、言っているのかもしれない……、というのはちょっと考え過ぎかなぁ。