和と輪のお祭り、天ぷら廃油ジープの展示顛末記

 自業自得ともいえる格安コンバーターに翻弄され、熱交換用の銅パイプの手曲げに苦戦し、娘にまで手伝ってもらいながらも、どうにか天ぷら廃油燃料用の改造を終え、燃料を送るための電磁ポンプのスイッチを入れたのがイベント前夜の21時過ぎでした。

 しかし、カタカタカタという電磁石の音はするのだけれど、なぜかタンク内の天ぷら廃油は微動だにしないのでした。万事休す。

 とりあえず、クルマが動くようにしよう!ということで配管のエア抜きを行ない、突貫作業でエンジンだけはどうにかかかるようになったのでした。この日はお客さんもいらしたので、これできりあげ、荷物などの準備は結局当日の朝、明るくなってから、という感じで今回もまたまた綱渡りになってしまったのでした(以前、ぬかくどの実演をする約束だったのに、燃料であるモミガラを忘れ、てんてこ舞いしたことがあるので、とにかく忘れ物をしないようにと、持ち物だけは書き出しチェックしておいくことにしました)。

 ループ橋を登り、猿がよくクルマの見学をしている坂道を登っている頃、なぜか車内は異臭に包まれたのでした。熱で何かが溶けているような臭い……。家族が心配そうな面持ちでこちらを見ますが、それには気が付かないふりをしながらも、内心は気が気でない状態で「わとわまつり」の会場を目指したのでした。
「わとわまつり」は「和と輪のお祭り」。細かく見るとそれぞれに違う生き方なのですが、でも大きく見ると同じ方向を向いて暮らしている仲間たちが多く集まってきます。そして情報交換をして互いに影響し合いながらお祭を楽しむという、とても気持ちの良いイベントなのでした。

 途中でちょっと冷却水をお漏らししたくらいでどうにか無事、会場に到着したのですが、会場でカメラを取り出し、シャッターを切ったら次の瞬間「カードが挿入されていません」とのメッセージが液晶に。SDカードを家のパソコンに刺したまま忘れてきてしまったのでした。ああー。
 でも「ピンチはチャンス!」というのは本当です。カードを忘れて血の気が引く思いだったのですが、そのおかがでその道のプロである「なつかし舎」のToshiさんが撮影された美しい写真をお借りすることが出来たのでした。Toshiさん、ありがとうございます。

©撮影:なつかし舎・Toshi
 ところで、この日のメインゲストは三宅洋平。先日、広島から坂本耕太郎さんが来て「三宅洋平の生ライブいいですよ」というものだから、見る前からちょっと期待してしまっていたのだけれど、にもかかわらず、予想をさらに裏切られるくらいに感動的で素晴らしいライブ&トークでした。

©:なつかし舎・Toshi

「何かに反対するということも、ときに必要ではあるけれど、(ヒトの脳は人称を認識できないので)反対するというネガティブな行為は、無意識の内に自分にダメージを与えてしまっている可能性がある」
「それに比べて、自分たちが望む未来を提案するこうした形のイベントは、ポジティブなエネルギーを蓄積できる」
「それと同じように、政治に目を向け、選挙に積極的に参加し世の中をいい方向に変えていこうということもポジティブな行為……」

 三宅洋平の放つひとことひとことは、あとで思い出したときにも、再び頭で噛み締めてしまうくらいに、私にとっては深く味わいのあるものでした。

©:なつかし舎・Toshi
原発を再稼働させないという選択は、縄文時代のような生活に戻るということ、という人たちがいまだにいるけれど、その縄文時代だってよくよく調べてみると、(組織のための)紛争や戦争がなくて、ひょっとしたらいまよりも幸せな時代だったのではないだろうか?(いまならもっと幸せな縄文時代を作れるのではないか?)」

 三宅洋平の提案はときどき過激で、その分、刺激的で、そういう点ではカリスマ的な要素を持っているのかもしれないけれど、でも、その奥にあるベースはとても謙虚で優しい。だからこそ人の心の中に、グングン伝わってくるんだなぁ……などと思いながら、不思議な心地よさの中で聞いていました。

 スピチュアルな考えをベースにする人たちが多そうな会場にあって、「科学的なことを否定せずに論理的に考える必要がある」と言ったこともさらっと言ってのけたり、お酒をおいしそうに飲みながらのライブは、アンチテーゼとして、薬物による覚醒の依存性の制御は個人の能力によるところが大きくて、どこで線を引いてもキリがない、そのあたりのことも考える必要がある、ということを伝えたかったのではないか?などとも思ってしまったのでした(たぶんちょっと考え過ぎ……?)。


 そしてこれらのライブはすべて無料で行われたのでした。つまりは「わとわまつり」はたくさんの人の協力と奉仕によってなりたっています。たとえば、今回のステージまわりの素敵な演出は、チュウブルデコさんによるもの。

↑白い花はひょっとしてニラ? ©:なつかし舎・Toshi
 また、八ヶ岳山麓に拠点があって、世界中で活躍されているアーティストの方たちも、ボランティアで参加してくれました。

(きこりさんスミマセン、動画、勝手に転載させていただきます)。
KURIのおふたりはこのあと、傾舞(かぶくまい)のAmant Junさんと共にバリ&ジャワでの公演に旅立ちます。なにかとギクシャクしがちな世界情勢の中にあって、ヒンドゥやイスラムのひとたちとの間にも、暖かで優しいメッセージが届くといいですね、コーディリエラのときのように


 夜は夜で、このイベントに偶然参加していたジモリ卒業生たちが集まって、それぞれの生き方について語り合うなどという素敵な時間も作れたようです。
 毎日がお祭りのような都会と違って、田舎で農的な暮らしをしている者にとって、こうしたハレの日は、日常との対比が大きいので、想像以上に楽しく充実した時間だったりもします。自分と向き合う時間でもある孤独な農作業もそれはそれで好きなのだけれど、やっぱりこうしたハレの集まりも必要だと実感! 
 お祭を作ってくれたスタッフのみなさん、そして演奏や演出を披露してくれたアーティストのみなさん、ありがとうございました!!! (& 来年もまた、ぜひよろしくお願いします)。