我が家のクルマには、クーラーはなく、携帯回線でのネット契約もしていないので(電話会社の囲い込み戦略を悪用してほぼタダで手に入れた)スマートフォンはあってもセブン-イレブンに止まるかプリペイシムを使わない限り、カーナビはしてくれません(ケチなので、よっぽどのことがない限りプリペイシムは使わないし、フリースポットが増えてきたおかげで月々の携帯代はスマートフォンに変更後も依然として家族4台で約12円だったりはするのですが)。
■追記■しかし最近は、グーグルマップを使うと携帯回線によるネット接続なしでもGPS機能だけで、スマートフォンがカーナビになってくれるようになりました。
そんなわけで東京や甲府といった「お町」には行くのは苦痛なのですが、休日に白州から長野方面に北上するのは小学生の頃の遠足気分だったりするのでした(主にクルマにクーラーがないということに起因したりもします)。
↑今回参加させていただいた「あさひでい」というイベント。会場にはたくさんのペール缶薪ストーブが林立しておりました。まるで、「私はストーブだ!in 朝日村」の様相でした。
カーナビがないのもまんざら悪いことではありません。カーナビがあるとすっかりそれに頼ってしまうのですが、ない場合は周囲の風景を見て、五感で感じながら道を探して走る必要があってそれによって初めて気が付くことも多かったりします。
塩尻の町から、西側を見渡すと北アルプスにいくつかの谷が刻まれています。地図の感じから、その真ん中にある沢のひとつを選び、奥へ奥へとクルマを進めていきます。すると予想通り、そこにあるのが朝日村でした。西に山を背負った東斜面の村、確かにここは朝日の村、なのです。
9月6日にその村で行われたイベント「あさひでい」は、別名「私はストーブだ!in 朝日村」と言ってもいいくらいに、適正技術を主体としたサスティナブルなイベントでした。このイベントのことを少し詳しく紹介させていただこうと思います。
とにかく濃いイベントだったので、写真点数が多く、写真小さめ、サムネイルでアップするので気になる写真があったらクリックしてみてください(写真をクリックすると大きくなります)。
↑松本盆地の西、北アルプスの沢のひとつを分け入るようにして入り、村役場を過ぎ、沢筋がかなりせまくなってきたあたりに、今回のイベント会場である野俣沢林間キャンプ場がありました。格安で泊まれるバンガローなどもあり、普通にキャンプで訪れても素晴らしそうなキャンプ場でした。
↑空き缶を使ったトシさんオリジナルのウッドガスストーブ。燃料の木片を蒸し焼きにしてガス化させて燃焼させることでほとんど煙もあがらず、しかも燃費もよくて、小枝、または松ぼっくり数個でお湯をわかすことができます。ちょっとお湯を沸かしてコーヒーをいただく、なんていう場合に最高のストーブだと思います。写真をクリックすると、燃料がガス化されて燃焼し、煙がほとんど出ていないのが分かる、かな?
↑空き缶を流用したウッドガスストーブのワークショップをやってくれていた「なつかし舎」のトシさん。捨てられてしまうものをサルベージュし、それらに再び命を吹き込む職人でもあります。トシさんによって、実用品として息を吹き返した素敵な古い農具がたくさん展示販売されていました。
↑で、また、トシさんが持ってきていた自作工具箱が素敵なのでした! 材料は廃パレットとのこと。
↑工具箱下部は脱着式になっていて、下部を外すとトレイになっていて、この通り。今回はコーススレッド用を装着されていましたが、そのときの用途によって、他にもいくつかのバージョンがあるそうです。
↑コーススレッドの種分けには、ペットボトルが使用され、そこに梱包用テープで名札が添えられています。こうしたていねいな仕事、いいなぁ。
↑そしてそのお隣には大林さんのブースが。これがまたオシャレでしかもとっても機能的なのでした。真ん中のパラソルの支えに、たまご型ストーブが流用されているのがわかるでしょうか?
このパラソルの下では鍋敷きを作るワークショップが行われていました。
↑パラソルの骨は、ビニールハウス用のパイプのようでした。山仕事での休憩用として市販されているとのことです。
↑これがパラソルの支柱基部。センターの支柱はたまご型ストーブの煙突を兼ねていたりします。
↑こちらは、現在市販されているペレットストーブの中では最もリーズナブルなものではないかと思われるホクダンのサンストーブD2型。スペアの燃焼筒がついて販売価格は7万円とのこと。シンプルながらも、なかなかによく出来ています。しかもこれを大林さんは、このストーブをペレットではなく、薪主体で使っているとのこと。
↑メインの燃焼室であり、燃料のストック室でもある燃焼筒は、写真のように取り外し可能。ストーブの元にペレットや薪を運ぶのではなく、燃焼筒を燃料のストック場所に運んで、そこで充填し、それをストーブにセットするというシステムが画期的。しかも燃焼筒はふたつ用意されているので、手すきの時にスペアの燃焼筒に燃料を充填しておけば、火を付けたいときに手間取らずに点火できるわけです。
燃焼筒がふたつあって、その内のひとつはいつも休んでいることから、このタイプのストーブは「ルンペンストーブ」などとも呼ばれています。ルンペン最高! 人ももっと、ワークシェアが進むといいですね。
↑燃焼筒は単独で取り外し可能で、薪の場合もこんな風に薪を充填し、最上部に燃えやすい材料(かんなくずなど)を載せ、油を染み込ませたかんなくずなどのスターターを重ねた上で火をつけると、TLUDストーブのように上から下に向けて徐々に燃えていきます。
↑燃料筒の上に、丸いフタを重ねます。そしてこのフタがまたなかなか凝った作りで、かなり細かく空気の制御が可能だったりするのでした。この仕組み、TLUDストーブを自作する上で参考になりそうです。
↑燃焼が安定したら、上のフタの吸気は全て閉じ、ロストルの下にある吸気口で吸入空気量を調整しながら燃焼させます。燃焼熱でまだ火がついていない材も蒸し焼きにされてガス化が進み、燃費を良くするとともに、廃棄部分一度、ダウンドラフトさせて煙突基部でも熱交換をして排気に出す構造のようです。
↑燃焼筒の方にもあったのですが、排気をダウンドラフトさせたあたりに、下からパイプが出ているのでした(写真で黒くススの付いている部分)。そしてそのパイプにはいくつか穴が。どうもここから二次空気を拾っているのではないかと思われます。
「松本盆地で一番最初に朝日がかがやく「村」で行われたイベントのこと②」に続きます。
追記:この記事に関して、安曇野の臼井さんから、以下の様なコメントをいただきました。スマートフォンのカーナビ、ネットに通じていないと使えないものだと思っていたのですが、そうではないようです。臼井さん、ありがとうございます。
わたなべさんカーナビはネット回線がなくても使えますよ チャレンジしてみてください。GPSはネットに関係ないです。ただ最初だけ設定する時に必要ですから自宅かセブンイレブンが必要ですね。
北海道のルンペンストーブは優れものこれに勝る薪ストーグはないくらいよくできています。これで床暖房をと思っています。大型のウッドチップボイラーが最近市販され公共施設で使われるようになってきました。モバイルハウスでも今年の冬から取り入れます。廃油ストーブとルンペンストーブのコラボです。池田町はペレットストーブを買うと半額補助があります。
ペレットでなくウッドチップ 薪 石炭が使えるのもこのルンペンストーブの良さであり電気が必要ないのも市販のペレットストーブにない特徴です。さいかい産業のキリン君というストーブもロケットストーブですね。ペレットストーブでありながら電気は使わずに薪でも使えます。
ルンペンストーブに普通の薪を使ってしまう大林さんには脱帽です。9千円で買えるルンペンストーブもあります。これの内部を2個用意すると交代で薪の供給が可能です。
彼大林さんの暮らしは生活自体が美しいです。薪の供給もウッドチップの供給も大北森林組合でできる体制が今年整います。森林資源がうまく生かされると国家予算の半分以上を中東に支払わなくてもすみます。そして雇用も生まれます。
支払いの24兆円国家予算の半分以上 このお金が地域で回る ワクワクしますね エネルギーの自給が国家的にも重要であり自分自身でも必要と思っています。
わたなべさんWVOにも転送してください。皆んな目を輝かせます。まあ主要メンバーはもうすでにこの記事は読んでいますね。面白い時代になってきました。脱石油 地上資源 バイオマスの時代になってきました。