大雪が降り始めた14日から一週間、友達がきのうやっと孤立から開放されました。
きのうやっと除雪車が来た林道からそのお宅まで急坂が200m続いていて、その間の除雪に8人の友達がかけつけてくれ、人力でやってくれて、それでやっとキャタピラタイプの小型運搬車を通す道が出来たのでした。
これでやっと知り合いの孤立者はいなくなりました。下界に買い出しに行った彼女は、さっそくお昼に「天ぷら」を食べたとのこと。あの日以降、「天ぷら食べたい!」という定期ツイートが彼女の生存確認でもあったのでした。
これで知り合いの孤立者はいなくなったけれども、でも広域基幹林道・雨乞尾白川線の除雪も途中までだったので、孤立中の人はいると思います(きょう、また新たにこの林道沿いでひとり救出されたそうです)。
市では集落外の永住者は把握できないとのことなのですが、郵便屋さんや宅配便の方から情報をもらって、永住者を確認する方法があるように思います。集落外ではまだ孤立している人がいる可能性があり、倒木などで停電している可能性もあり、災害発生から一週間以上経過しているのでもし孤立していて連絡もできない人がいるとすると危険な状態にある可能性が大きいように思います。にもかかわらず県の災害対策本部の発表では北杜市には19日以降孤立世帯はないということになっているのです。
想定外の大雪で役所の対応が大変なことも分かるので、丁寧に話をしているつもりでも、こちらの状況を聞こうともせず、市の担当者とはどうしても話が通じないので、県の災害対策本部にも電話をしてみました。
19日18時の段階で北杜市が山梨県にあげている孤立者の集計報告書の「孤立世帯なし」という報告は集落内の話で、集落外(組に入っていない永住の人)の情報は含まれておらず、翌日19日の段階でも孤立者はまだたくさんいる(国道から2㎞のウチでさえ孤立解消したのは19日)という話をしたら驚いていて、市にすぐに連絡を取る、とのことでした。
↑19日18時に発表した山梨県災害対策本部が孤立世帯の集計報告書。18日まではいくつかの集落がカウントされていたのですが、19日にはなしになってしまったのでした。クリックすると大きくなります。
しかしこの件、「孤立集落」という名称を使って情報を集めた県の報告書の書かせ方にも問題があると思います。実際にこの時点で孤立していたのは、集落外の人たちだったので……。ただ山中湖村や道志村などは、孤立集落の欄に「別荘」「50件」などと記載しているので、必ずしも県だけを責められないのだけれども。
住民票を移して17年以上になるのですが、我々はなぜか「別荘の人」と市や県から呼ばれています。私は横浜出身ですが横浜にはもう家はなく、ここにしか家はありません。国語辞典によると別荘というのは、「普段生活している家とは別に、避暑・避寒・休養などの目的で気候や風景のよい土地などに作られた一戸建ての家」とあります。そんなわけで集落の外に住む永住の住民は「別荘の人」ではありません。でも今回は「別荘」という言葉の響きが変なふうに働いてしまって、集落外にはまだ孤立している人ががたくさんいてそれを認識しているにもかかわらず、それらの人たちのことをカウントしなかったのではないかと思います(そう思いたいです)。
お隣の富士見町(長野県)などでは、3日ほど前から集落外の家庭に電話で安否確認をしているとのことでした。想定外の大雪でお忙しいこととは思うのですが、北杜市でもぜひ、お願いしたいと思います。
(緊急性のある話なので、市と県の首長宛にもこの情報を送付しました)。
(写真は室田康文さんのブログ(←これ素晴らしいです)からお借りしました。ありがとうございます)。