今朝起きて、ネットニュースを見て驚きました。
たしかに虫の世界でも、強い刺激が加わることにより、細胞の再生が起こることは知られていました。
でも、哺乳類でもこんな簡単な方法で万能細胞ができてしまうとは……。しかもこの方法だったらガン化しないのでは?
これはもしかしたら、ヒトという生物がもっている宗教観を変えるくらいにたいへんなこと(細胞分裂の回数による細胞の劣化プログラムを食い止めることができてしまうということ=不老不死化)ではないでしょうか?
哺乳類などの多細胞生物は、細胞を劣化させ、個体が死ぬことでこれまで、種の中の個の多様化を図ってきました。これが自然界の生態系のバランスを保つ大きな要素でした。
一方、多くの単細胞生物には雌雄がなく、その生物が生まれてからこれまで単細胞生物は、分裂や出芽によって増殖してきたわけです。
ということは、彼らの細胞は何回分裂しても劣化することなく、いまもそれらの単細胞生物が生きているということです。
この世に生まれてきた最初の細胞が「まだ死んだことがない(生まれながらの不老不死な)」ということの方が、単純で原始的なわけです。
つまり哺乳類の細胞が分裂の回数に応じて劣化する(ようにプログラミングされている)ということ(=死による個の多様化)は、とても複雑で高等なプログラミング(変化による淘汰)であり、単細胞生物に見られるような何度分裂しても劣化しないということの方が原始的で、不老不死のような劣化しない細胞を得るということはそれほど難しいことではないのではないか?という見方もありました。
細胞の初期化についての話をすると、「私には不老不死なんて必要ない」という人が多いのですが、その人が不老不死を求めるかどうかなどということは、ここまでくるとあまり関係のない話のように私には思えてしまいます。
少なくとも細胞の劣化防止を求める人がいると思われる以上、もし劣化を抑制する技術ができてしまったら、これは人類にとって大変なこと、だと思うのです。
白内障で目が見えなくなってきてこのままだと失明の恐れがあります、というときに、「この薬を処方すると、20歳の頃の視力を回復できます」と言われ、それを拒否することができるか? という問題でもあるように思います。
ヒトが老化(細胞分裂に劣化)をしなくなってしまったとき、どうやって人口の増加を食い止めるか?これはとても重大な問題であると思うのです。
●理化学研究所から、詳しいSTAP細胞に関しての報道資料が発表されました。
http://www.riken.jp/pr/press/2014/20140130_1/