Blog「自給知足がおもしろい」

自給「知」足と称した、貧乏くさい暮らしを楽しむためのブログです。

完璧な自給自足は目指さず、「テキトー」と「いー加減」をモットーにあまり頑張りすぎない、
そんな暮らし方がこの頃なんだか、とてもオモシロイ!と感じています。
自給「知足」的な暮らしは言いかえると「貧乏臭い・ケチ臭い暮らし」でもあります。

でも「ケチ臭いビンボー暮らし」も、そう捨てたものではありません。
ビンボー暮らしは、お金をそれほど必要としない暮らしとも言えます。
そのため、お金稼ぎの作業や仕事に長時間、拘束されずにすみ、
その分の時間を、ヒトが暮らすための作業に使うことができます。

農的で質素な暮らし方が可能で、それにより身近なことで幸せを感じることができたりもします。
また、昔ながらの農的な暮らしは、ヒトも哺乳類の一種として自然の生態系の中で
虫や草や菌類など他のいきものたちと共に生きる暮らし方だったりもします。

そして、こうしたテキトーでいー加減な自給的な暮らしをうまくやっていくポイントは、「知足」? 
人間の欲望は際限がなくてお金をたくさん得られても、たぶんどんなお金持ちになっても満たされません。
でも逆に、小さなちょっとしたことでも、とても幸せに感じられることがあったりします……不思議です。

日々の暮らしの中から「自給知足的な暮らし」を楽しむためのヒント? 
のようなものを、紹介できたらいいなぁ、と思っています。どうか、よろしく。


韓国・自作ストーブとオンドルの旅⑨「私はストーブだ」その4

韓国・自作ストーブとオンドルの旅⑧「私はストーブだ」その3の続きです。

「私はストーブだ」という名称のイベントではありますが、「適正技術」の紹介にも力を入れたい、と主催者であるキム ソンウォンさんは話していました。
 韓国では「적당기술」(私の耳にはチョタン・ギースゥと聞こえる)という言葉が普及していて、日本語では「適正技術」または「適当技術」と訳されています(正しい、正しくないという正誤の判断は、状況やその人の価値観によって異なるから、私はどちらかというと「適当技術」という訳の方が好きだったりします)。
 そんなわけで、こんな展示もありました。

 福島の事故以来、電力会社から電気を買うのをやめたという人が八ヶ岳には何人か暮らしているのですが(311前から電力会社から電気を買っていない人もいたりしますが)、そうした人たちによると電力会社からの電気がなくなり、一番困るのは洗濯の脱水、とのことでした。量が多いと腱鞘炎になってしまうのだそうです。
 で、これを見て、韓国にも同じ思いの人がいるのではないか?と思ったのでした。廃品を組み合わせて作られた非電化洗濯機! 洗濯槽の回転プーリーと自転車のチェーンとをつないだだけというシンプルな構造ですが、回転のスピードも調節できるし、運動不足解消にもなるし、なかなか良さそうです。

↑連結はこんな風になっていました。横ドラムタイプの洗濯機の粗大ゴミを見つけることさえできれば、この方式は比較的簡単に作れそうです。

↑こちらは、日本にもよくある縦型洗濯機と組み合わせたタイプを使った非電化洗濯機。笠歯車を使って、回転の向きを90度変更しています。スペースの余裕があれば長い布ベルトでもいけそうです。

↑こちらは(荷物運搬用)パレットを家の壁に使う、というアイデア。中には断熱材として、(向かって左から)稲わらや燻炭、それに廃物の梱包用発泡スチロールが使われています。燻炭は見えやすいようにか透明のビニールの中に入っていましたが、透湿防水紙を利用するとさらに良さそう。日本でも(虫に食われないように)ホウ酸水を浸みこませた古新聞、それに古畳などを断熱材に使っている人もいたしします。

↑こちらは、粘土と砂の割合によって特性がどんな風に異なるかを展示したもの。左から赤土100%、赤土と砂1対1、1対2、そして右端は1対3。1対2あたりからヒビはほとんど入らなくなっています。

↑田舎に移住し、自給的な暮らしを行っている若い素敵なカップルが、手作りした生活の道具などを展示していたりもしました。「私たちの知り合いも日本で天ぷら廃油のクルマに乗っているんですよ」とのことで話しかけてくれました。「何て言う名前の方ですか?」とお尋ねしたら、なんと、山田周生さんでした。さすがは有名人!

↑自作ストーブ用の部品の販売もありました。素人がストーブを自作することを考えると、プロがこうした込み入った部分を作って販売してくれているととても助かります。値段を聞いたら、ガラス窓タイプのドアが約1万5000円、レンガに挟み込むタイプの吸気口付きドアが約2万円とのことでした。買って帰ってくれば良かった、と今になって少し後悔しています。

↑ガラスドアのタイプには窓を自浄してくれるエアの吹き出し口がついていてなかなか凝った構造。


 ワークショップもいろいろ行われていました。
こちらはアースオーブンを作るワークショップ。





 こちらは、ソーラーパネルの製作のワークショップ。セルをハンダでつなぎ合わせながらパネル自体の製作からはじめ、スマートフォンの充電のできるソーラーシステムを完成させる、というもの。料理人でもあり、日本で各種ワークショップをやっているコーイチが参加。

 完成したのは出力6Vのソーラーパネルで、USB出力のシガープラグを使うものでシンプルながらもスマートフォンの充電などができたりしました。



 そしてこちらは、ビール瓶を割って、コップとランタンを作ろう、というワークショップ。

↑まずビール瓶の切りたい位置に細い麻ヒモを3重に巻き、そこにオイルライター用オイルを浸みこませ、火をつけます。

↑火がついたらビール瓶を回転させまんべんなくヒモの部分を過熱します。そして火が消える頃、ビンを水に漬け一気に冷やします。するとピッと音がしてビンを切断することができる、というカラクリ。
 切り口を耐水ペーパーで面取りし、底側はグラスに、そして口側は中にローソクを入れてキャンドル立てになるという地球に優しいワークショップでした。

↑このワークショップにはピカレが参加させてもらいました。ビンを割るノウハウを教えてもらったお返しに、ミュージシャンであるピカレは歌(アカペラ)で返礼。お金によらないギブ&ギブのやりとりが最高に素敵でした。
 生活のすべてをこれで、というわけにはいかないだろうけど、できる範囲、楽しめる範囲でお金を介さない気持ちの通った物々交換、これから増えたらいいなぁ、と思っています。
 消費税も値上げされることだし、リニアやコンクリートの防潮堤、それに新しい競技場などなど税金の使い道にもぜんぜん納得いかないし、これからはこれだよね。

韓国・自作ストーブとオンドルの旅⑩ベースバーニングストーブに続きます。