Blog「自給知足がおもしろい」

自給「知」足と称した、貧乏くさい暮らしを楽しむためのブログです。

完璧な自給自足は目指さず、「テキトー」と「いー加減」をモットーにあまり頑張りすぎない、
そんな暮らし方がこの頃なんだか、とてもオモシロイ!と感じています。
自給「知足」的な暮らしは言いかえると「貧乏臭い・ケチ臭い暮らし」でもあります。

でも「ケチ臭いビンボー暮らし」も、そう捨てたものではありません。
ビンボー暮らしは、お金をそれほど必要としない暮らしとも言えます。
そのため、お金稼ぎの作業や仕事に長時間、拘束されずにすみ、
その分の時間を、ヒトが暮らすための作業に使うことができます。

農的で質素な暮らし方が可能で、それにより身近なことで幸せを感じることができたりもします。
また、昔ながらの農的な暮らしは、ヒトも哺乳類の一種として自然の生態系の中で
虫や草や菌類など他のいきものたちと共に生きる暮らし方だったりもします。

そして、こうしたテキトーでいー加減な自給的な暮らしをうまくやっていくポイントは、「知足」? 
人間の欲望は際限がなくてお金をたくさん得られても、たぶんどんなお金持ちになっても満たされません。
でも逆に、小さなちょっとしたことでも、とても幸せに感じられることがあったりします……不思議です。

日々の暮らしの中から「自給知足的な暮らし」を楽しむためのヒント? 
のようなものを、紹介できたらいいなぁ、と思っています。どうか、よろしく。


韓国・自作ストーブ&オンドルの旅⑥ 「私はストーブだ!」その1

韓国・自作ストーブ&オンドルの旅⑤ 「ドラム缶ストーブ」からの続きです。


「私はストーブだ!」
イベントのタイトルからして、過激です。
韓国の人たちのストーブ自作に対する情熱がにじみ出ているとも言えそうです。
ハングルで書くと「나는난로다」。
会場に着いたら、建物の壁にハングルで「私はストーブだ」と大書されていました。

 音楽あり、講演あり、デモンストレーションやワークショップあり、そして会場にはストーブに当たりながら、美味しい食事もできるフードコートも。いいと思ったことはどんどん取り入れるという姿勢がはっきりしていて、回を重ねるごとにどんどんいいイベントになっている、という印象でした。

 会場の案内など、イベントのボランティアスタッフを努めてくれた若者たちの音楽がまた良かった。彼ら彼女らの笑顔で、会場が明るくなりました。

↑フードコートには各所にドラム缶で作られた薪ストーブが置かれていて、自作薪ストーブを使って調理を行っているブースもありました。
 ところで今回のイベント、日本から我々が行く、ということが主催者に伝わり、それだったら、日本の適正技術の状況をぜひ紹介して欲しい、ということになり、メンバー4人で2日にわたり講演をすることになってしまったのでした。
 小さな教室のようなところを想定していたのですが、行ってみたら、大きくて立派な階段ホール。しかもイベントの見学は無料だというのに、講演会の方は有料でそのお金を旅費の足しにして欲しいということで、いただいてしまったのでした。なんだかとても申し訳ない。

 トップバッターは、ミュージシャンのピカレ。いやぁ、彼のアカペラの歌が素晴らしかった。初日は地球のうた。二日目はコシシケレリアフリカ。
 今回の旅では彼が歌う場面が何回かあったのですが、音楽のできる人のことが強烈に羨ましく思えるくらい、言葉を超え、音楽によって現地の人たちとつながれることを実感しました。
 特にこのイベントのスタッフとして活躍してくれたHaja Centerの学生たちによる歓迎パーティのときにピカレがお礼として歌った「イマジン」、感動的でした。日本との間も、そして北朝鮮との間にもいまは国境があるわけですがそれがなくなることを想像したら、なんだか気持ちがこみ上げてきてこぼれ出る涙を抑えることができなくなってしまったのでした。国などと言う組織の元で権力者たちがお互いこんなに反目しあうのであれば、いっそうのこと国なんてなくなってしまって、それぞれの地域が地方自治をした方がよいのではないだろうか? そんな思いを強く持ったのでした。 

 写真は、シャロムの臼井さんが急きょ来れなくなってしまったのでピンチヒッターとして登壇したみちるさん。群馬のしぜん教育学園やアースマンシップでの活動の様子を紹介してくれました。しぜん教育学園にあるコンポストトイレは、オシッコとウンチを分離していないのに、腐臭なしでいい感じで分解されているそうです。

 こちらは日本のぬかくどを紹介する桜の山農場の坂本さん。プロパンガスをやめ、ぬかくどとロケットストーブだけで毎日の調理をこなし、地球に優しい生活を実践されている輸入飼料に頼らない稀有な養豚家です。
 このほか、日本ロケットストーブ普及協会の石岡さんとわたなべが、講演を行ったのですが、写真はありません。石岡さんがトップバッターで、その次がわたなべでした。私は通訳を介した講演というのが初めてで、文章を短く切って通訳してもらう必要があるということに石岡さんの講演が始まってから気づき、必死に文章を組みなおしていたので石岡さんの写真は撮る余裕がありませんでした。石岡さんスマンです。
 わたなべは、天ぷら廃油で動く自動車のこと、我が家のパッシブソーラー、三階建てのパン焼き用いい加減石窯、それにパスカルの定理を使った天水ます利用などの話をさせてもらったのですが、通訳を介しながらだと時間が倍近くかかってしまい、いただいた時間をかなりオーバーしたにもかかわらずドラム缶回転式コンポストトイレのことなどは写真をさらっと流すだけになってしまいました。慣れないこととはいえ難しい……。でも、誰にでもできそうな貧乏臭い身近な技術が良かったのか? ストーブの展示会場に戻ってからもレジメを見た人から質問をたくさんいただき、出発前に徹夜でレジメを書いた甲斐がありました。それとそうそう、通訳のポコさん、オハイオさん、つたない日本語を上手に訳してくれてありがとう!

 話は前後しますが、こちらは主催者である김성원(キム ソンウォン)さんの講演。これまでの韓国、自作ストーブの技術的な流れを紹介してくれました。ロケットストーブが進化し、ダウンドラフトになり、TLUDをへて、いま韓国ではベースバーニングが注目されている、とのことでした。写真をクリックすると少し大きくなります。

 こちらは、Sling pump(投げ込みポンプ)と呼ばれる川の流れを動力に使ったポンプの紹介。韓国、適正技術の一人者である、안병일(アンジョンイル)さんによる講演です。ビーバーポンプとも呼ばれ、川の流れに投入し、流れにまかせて回転させながら浮かしておくだけで水をくみ上げてくれるというユニークな技術です。仕組みもシンプル。スクリューが固定されたバケツの内側に、フレキジョイントで接続されたホースが螺旋に巻かれていて、そのバケツがスクリューにより川の流れで回転すると、螺旋ホース内の水が次々にその先の水を押すことになるので、水を押し出しポンプになる、というもの。

「私はストーブだ」その2に続きます。次はいよいよ、イベントに出品されていた自作ストーブたちを紹介させていただきます。