もしかしたら、鋳鉄かまどは日本製のウッドガスストーブ?

 ススキの間にワレモコウが咲き、銀色の折り紙が舞うようにウラギンシジミが(犬の糞のまわりを)飛びまわるようになりました。八ヶ岳山麓はもうすっかり秋です。秋にはなぜか焚き火の臭いが似合います。ということで、秋は火遊びがしたくなる季節。

 なんだかネパールあたりの山の中の村の風景、のようにも見えますが、日本です。

 サラダオイルが熱くなったところでクミンシードとマスタードシードを入れ、油に香ばしい臭いをつけたら、その後、ニンニク、ショウガを加え、たまねぎを炒めます。それにトマトやジャガイモなどを投入。それに加えてインド人からいただいたというक़सूरी मेथी =Kasoori Methi=カスーリー・メーティー=フェネグリーク・リーブスとかいう怪しげな香辛料なんかも入ります。

 その後、畑から採ってきたばかりの野菜たちをたっぷり。

 そして完成! 南インドのベジタブルカレー。ぬかくどでご飯を炊き、たっぷりのコリアンダーとグリンマンゴーのピクルーと共にいただきました。

 で、最近、凄いなぁ、と関心させられているのがこれ。地元の骨董市で見つけ思わず衝動買いしてしまった「鋳鉄製のかまど」です。
 この部分から薪をいれ、火をつけるのですが、薪を置くところはロストルになっていて吸気は別の穴から拾い、薪の下から上昇気流を使って供給されるようになっています。キッチンロケットの底穴タイプと同じ構造なわけです(日本の昔ながらのかまどはたいていこの方式)。しかも鋳鉄なので畜熱性も抜群。
 そしてこの薪を投入する部分にも(「千代田」と書かれた立派なフタがあって、下の写真のように密閉できるのです。

↑吸気の量は「No341」(製造番号だろうか?)とレリーフされた鋳物のフタで調整することができます。薪にしっかり火がつき、燃焼室内がある程度の温度になったら、「千代田」と書かれた薪投入口のフタを閉じ、「No341」もかなり絞ってやると、そこからは酸素の少ない還元状態になって、薪は木炭化し、なんともいい感じ、まるでウッドガスストーブのような感じで燃えてくれます
 薪が蒸し焼きにされ、高温の雰囲気の中で、発生した燃焼ガスに酸素が混ざって火がつくという状態。燃費が良くて煙があまり出ず、火加減が調整可能と理想的な薪調理器具なのです。
 そう考えると「ぬかくど」もウッドガスストーブの一種で素晴らしいのですが、こちらは薪を燃料とし(炭化しやすいようにしっかり乾燥させた薪を使うことがポイントです)、ぬかくどよりももっと長時間、コトコトと(材料を焦がすことなく)煮込むような料理をすることが可能だったりします。

↑燃焼室内はこんな状態。薪が熾き(おき)になって、つまりは炭が熾きた状態で燃焼してくれるので燃費がよく、吸気口の開閉量で火加減の調整も可能なのです。

 というわけでこのところは、収穫したトマトをこのかまどで量が半分くらいになるまで煮詰め、さらにその後のビンの煮沸消毒もこのかまどでやっていたりします。ロケットストーブのように缶を二重構造にして燃焼室内をしっかり断熱したら、ペール缶の空き缶やレンガ、泥塗りなどでも作れないだろうか? などとも思ったのだけれど、それがまさに日本に昔からある「オクドさん」なわけですね。温故知新、昔のものに学ぶことがまだまだたくさんある、というお話でした。