イノシシ防除柵を作る場合の定説をご存知でしょうか? ネットをただ張るだけだと、ネットの下に鼻を入れ、かいくぐって入ってくるから、ネットはL字型に曲げて地面にも這わせること、というのが定番、定説になっています。
つまりこんな感じ。
これだと、やってきたイノシシがネットを自分で踏んでいるので、鼻をくぐらせることができないというのです。
そのためにはネットを地面に対してピンと張る必要があります。で、番線でこんな留め具をたくさん作ってハンマーで地面に打ち込み、ネットを地面にピッタリ固定したのでした。
しかし彼らにはネットなどというものはないに等しいものなのでした。イノシシの牙はカミソリのように鋭く、犬のおなかも一瞬で裂いてしまうといいます。ネットを切るなんて朝飯前。お金はかかるけどやっぱり鉄筋メッシュは必須アイテムなのです。ただしネットなし、あるいは写真のような状態だとアナグマやハクビシンは入ってきてしまいます。
そんなわけでネットだけでなく鉄筋メッシュを併用しているのですが、しかしこれで安心していたら、先日の夜の出来事が起こったのでした。柵に向かって猪突猛進後、ガシャーンという大きな音共に、柵を突破。翌朝見てみたら、戸板は割れているし、支柱に固定していたコードテープは切れているし、その気になればこの程度の柵は簡単に突破できるということを思い知らされました。
↑写真だと分かりにくいのですが、まさに木っ端微塵。ネットや戸板やワイヤーメッシュは、手前の支柱にコードテープと呼ばれる丈夫なひもで結ばれていたのです。コードテープは切られ、柵ごと追いやられた感じです。
その後も、イノシシのパフォーマンスは激しさを増すばかり。
柵に囲われていない林の中は、絨毯爆撃されたようなありさま。
足跡からも相手がかなりの大物であることがわかります。
↑あまりに被害がひどいので猟友会にも相談し、くくりワナと箱ワナの両方をすぐ近くにかけてもらったのですが、仕掛けてから一ヶ月以上もたつというのに、いまだに一頭もかかっていません。その間にも、我が家の畑には毎晩出没。イノシシは相当に賢いのです。
そこで登場した秘密兵器がコレ。100円ショップから購入した空き巣狙い防止用防犯ブザー(本来は窓に取り付けるタイプ)なのでした。写真右側の白い長方形の部品が、本体にピッタリくっついていればいいのですが、離れると、けたたましい警報音が鳴るという仕組みです。
これを使って仕掛けを作りました。
↑写真左のよじれたワイヤー部分が引っ張られると、白い長方形の部品は本体から離れ警報音を発します。でも夜中にわざわざ警報音を止めに行くのは大変なので、イノシシが驚いて逃げ出すとスプリングの力で白い長方形の部品は元の位置に戻り音は鳴り止むという仕組み。
雨が降っても大丈夫なように、ゴミ箱から拾いあげたブリスターパックで防水します。
で、結果はどうだったかというと……、たしかに効果はありました。これを仕掛けた場所から「は」イノシシは侵入しなくなりました……。知恵比べ3に続きます。