自給から地給へ、幸せな食卓

 今年も諏訪養護学校の高校生たちがとびっきりの笑顔と共に、遠足に来てくれました。麦畑を見学しライ麦の茎でストローを作ったり、太陽光で発電した電気で玄麦を製粉したり、天ぷら廃油ジープの排気ガスの臭いをかいだり……好奇心旺盛な子が多くいろんなことに興味を示してくれるのですが、でも、一番の人気はシェパードのベリーちゃんでした。彼女にはまったくかないませんでした。
 ベリーは人間の話す言葉がよくわかりません。そのため言葉以外の手段で意思を伝えあわないといけないのですが、養護学校の生徒の中にはそれがとても上手な子がいたりします。遠足の感想を作文にしてもらうと、ベリーちゃん、次もベリーちゃん、そしてベリーちゃん、だったりするのだそうです。
 そんな彼ら彼女らから、お礼にお味噌をいただきました。大豆のタネをまいて育てるところから手作りしたお味噌だそうです。ありがたや! いまちょうど林の中で若葉を広げだした野生のミツバと共にお味噌汁にしていただきました。とても優しい味のお味噌で香りが良くて心の暖まる幸せな食卓になりました。

 しかしよくよく考えてみたら、この日の食卓もいただきものばかり。豆腐のテリーヌのシイタケは向山さんからいただいたものだし、ゴボウは嘉山さん、フキは裏山からいただいたもので、ワラビもお借りしている畑から自然に出てくるもの。
 生野菜のサラダもルッコラやレッドリアスなどは、こぼれ種で自然に出てきた自然からのいただきものだし、ニラ玉のニラは畑の草むしりをしていて見つけたもの。卵は、近くでニワトリを平飼い養鶏している高木さんから分けてもらったものだし、梅干も「ごぱん」さんからのいただきもの。
 お米は先日10名という大家族で我が家のええ加減パッシブソーラーを見にいらした(ジモリつながりの)村山さんからいただいたもの(村山ご家族からはそのほかにもたくさんのいただきものをしてしまいました、ありがとうございました)だし、そしてそれを炊いた燃料はコイン精米所からいただいてきたモミガラ。
 モミガラでご飯を炊くための「ぬかくど」も岡さんが拾ってきてくれたペール缶を使って作ったものだし、ぬかくどでご飯を炊きながら、その横で丸太の皮むきをしていたのだけれど、その丸太も地元の上原さんからいただいたヒノキの間伐材。この材を使っていま、みんなで食事を楽しめる外台所を作ろうと画策中なのでした。
 何もかも自給しよう、と考えていると、いただきものも少なかったりするかもしれません。完璧であるよりも、なにか少し足りないくらいの方が楽しかったり魅力的だったりもします。なんでも自分でやろうとしないで、自給から地給へ。自分たちだけで完結しない、つながりがまた喜びだったりもします。田舎での農的な暮らしは完璧を求めず、ちょっと不便で足りないくらいの方が楽しいのではないか?……最近特にそんな風に感じることが多かったりします。

↑排気量360ccとエンジンは非力でスピードはでない(農耕車登録なので法律上もスピードは出せない)けど、車幅がせまく山奥の林の中からの間伐材の運びだしに最適な古いジムニー。屋根もドアもないので、耐候性は最悪ですが、長い丸太を載せて運ぶには最適だったりします。

↑いろいろ試してみた結果、大ガマがヒノキの皮剥きには一番剥いているように思いました。大ガマだと両手で持てるので力を加えやすいし、刃先と刃元を使い分けることで皮への刃の食い込み具合を調整することができたりします。