戦争にならないための「抑止力」とはいったい何だろう? 人類が全滅してしまうような大量破壊兵器を持つこと? それよりも、もっと強くて効果的な方法があるような気がする。それは素直な気持ちを相手に伝える表現力ではないだろうか? 軍事力にどんなにお金をかけても、伝えるチカラが足りなければ戦争は起こってしまう。紛争もなくならない。争いたくはないという気持ちを伝えるチカラ、それが一番大切で、これ以上に強いものはないと思う。
ウクライナの少女によるサンドアニメーション……おおむらまさひこさんのコメント共にシェアさせていただきます。
ウクライナの少女が大祖国戦争をテーマに見事な砂絵の物語を描く。こういう表現があるのかと見とれてしまった。観客の涙をみて、過酷な戦場となったウクライナのキズの深さを感じた。ラスト、窓の外を覗く幼子の姿がガラスに映り、今は亡き恋人の面影に重なる。そして「あなたはいつもそばにいる」の文字とともに物語は終わる。観客の涙は、砂絵に綴られた文字が、多くのウクライナ人にとって彼ら自身のまぎれもない経験なのだということを暗示している。含まれた意味の深さに胸を突かれた。また、この少女の表現力を支える市民の意識を感じた。