パティスとチキンティノーラ

 ルソン島の北東部にはイロカノ族と呼ばれるひとたちが住んでいて、イロカノは塩辛なしでは生きていけない、と言われるくらいに魚系の発酵食を好むのだそうです。日本を含め東南アジアにはさまざまな魚醤がありますが、塩辛好きのイロカノにもパティス(Patis)と呼ばれる魚醤があって、それを娘が買って帰ってきました。現地で食べているうちにすっかりこの味の虜になってしまったそうです。
 臭いだけかぐとニョクナムナンプラーのような臭いなのですが、スープに入れて食べてみると臭いはほとんど気にならず、独特のうまみがあります。魚醤としてはかなり上品な部類に入りそうです。

 その魚醤を使った料理をきょう娘が作ってくれました。現地でチキンティノーラと呼ばれる料理だそうです。骨付き、皮付きの鶏肉(手羽先など)をショウガとニンニクと共に炒めた後に、レモングラスやコブミカンの葉などの香辛料をいれ、煮込みます。

 作業場の窓辺でかろうじて生きているレモングラスを剪定がてらたっぷり使いました。

 そして出来上がった香り高いチキンスープをご飯にかけていただきます。

 シンガポールのフォーカーズにあるチキンライスにちょっと似た味ですが、それをさらに上品にした感じで、でも、コクはしっかりあります。鳥の油に香辛料の香りが抽出されていて、その油に魚醤を含むさまざまなアミノ酸が混在する感じで、たしかにくせになる美味しさでした。