栗のイガ燃料2

 前回は栗のイガを燃やし、オキを作ってそれで料理を行う方法を紹介しました。なかなかいいのですが、欠点もあって、火持ちがあまり良くなくて途中で火力が足りなくなり、木炭を足したりしていました。栗のイガを途中でくべると、炎が立ってしまって、それでは美味しい料理ができないのです。
 どうせだったら栗のイガで完結させたい。そこで、栗のイガで炭を焼いてみることにしました。とはいえ、かなりいい加減な方法です。
 まず、ドラム缶に栗のイガを入るだけつめます。そして下から火をつけます。栗のイガはモクモクと白い煙を吐きながら燃えるのですが、しばらくはその状態を維持します。

 煙の色が真っ白から、紫煙に変わったら、ドラム缶にフタをして、ドラム缶下部の吸入空気口もレンガや土を使ってふさぎ、酸素を断って内部を還元状態にします。今回はこのままひと晩おきました。

 翌日、中をあけて取り出してみるとこんな感じ。一斗缶にいれてフタをしてさまします。

 そしてさっそく試し焚き。鶏のナンコツを串に刺して焼いてみることにしました。まずは炭に焼いていない栗を燃やしてオキを作ります。その後、火が足りなくなったら、イガ炭&栗炭を足します。普通のイガと違って炭に焼いたイガなので炎がたちません。また、消し炭なので火付きがよく、しかもイガのままよりも火持ちがいいように思われます。

 こちらは鶏の塩麹焼き。塩麹をまぶすと糖度が高くなるので焦げやすくなるのですが、栗イガの炭焼きの場合はなぜかちょっと焦げすぎなくらいの方が美味しく感じられます。付け合せは、間引き菜とはつか大根。緑のトマトはエヌサーティのシェフ、野中さんが届けてくれた自家製ピクルス。エヌサーティはなくなってしまいましたが、野中さんの料理、シンプルハンバーグと鶏の季節料理の二品は、小淵沢ラティス(リゾナーレのお店ではなく、レインボーライン沿いのお店)でいまもいただくことができます。
 追記:その後、野中さんは、小淵沢で「こぶダイニング」というお店を始め、それぞれの季節の山の幸を活かした美味しい料理を提供してくれています。

 そして我が家のデザートは相変わらず、栗三昧。こちらは、ラム酒をたっぷりとしみこませた甘露煮。

 スポンジの上ではなく、アイスクリームの上にモンブランを載せるのも定番になりつつあります。

 美味しそうでしょ! ……というわけで、普通の人への情報はここまでです。



この先は、虫が苦手な方には危険な映像が現れます。

十分に、注意していただきたいと思います。

……。
ちゃんとに、断りましたからね。
……。



 栗を炭に焼く上で注意したいのは、栗の実は「はぜる」ということです。そのため、できれば栗の実は穴を開けてから炭にするのがベストです。とはいえ、炭にするために栗の実ひとつひとつに穴を開けるのは大変ですが、無農薬の栗であれば、そのままバケツに入れて1〜2週間放置しておけば、自然に穴があきます。栗の実を食べ、丸々と太ったクリシギゾウムシの終令幼虫が蛹になるために鬼皮を破って出てくるのです(普通は地面にもぐって蛹になります)。
 というわけで、虫食い栗はバケツにいれしばらく放置し、その後、底がメッシュになったコンテナにあけると、大量のクリシギゾウムシの幼虫を分離することができます。

 その後、数日、清潔な容器に移し、脱糞させます。ここがポイント。クリシギゾウムシに食害された栗が美味しくないのは、クリシギゾウムシが美味しくないのではなくて、その糞が美味しくないのです。

 薄く油を引いて、熱したフライパンに幼虫をいれ、軽く炒めたら、最後にお醤油をちょびっと垂らしてください。このとき、バターを加えるとさらに風味が増します。ミミズやウジなどが好物である雑食性のニワトリのお肉などと違って、栗の実だけを食べているわけですから、味は淡白ですが、アミノ酸系のうまみがしっかりとあって娘などはスナック菓子のようだと申しておりました。毎日毎日モンブランの元を食べて育っているのですから、美味しくないわけがないのです……。