こんな悲劇を二度と起こさないために、いま我々にできること。


 いま、国会では「原子力規制委員会」という名前の「脱原発派規制委員会」が出来ようとしています。
 忙しい時間を裂いてこんなにも多くの人たちが、首相官邸前をはじめ各地で原発反対を訴えているのに、政治家たちはそれを騒音としか受け止めず、原子力ムラの住人たちはますます勢力を盛り返してきています。驚くべきことに自民党の前政調会長「デモは一種の『ノリ』。連帯感のようなものを共有したいだけ」などと切り捨てています。
「この状況をどうにかして食い止めたい……」。そう思っているのは、我々だけではありませんでした。福島で毎日毎日起こっている悲しい出来事を、ひとつひとつ我が身のこととして受け止めていた武藤類子さんはさらに切実にそう思っていたに違いありません。
 そして決断したのが、被害に遭ったり、あるいは被害を目撃した多くの人で裁判を起こすということ。そしてその告訴団の団長になる、ということでした。武藤類子さんのことを良くご存知の方は、類子さんが告訴団の団長などという立場になることにそうとうな苦渋の決断があったことを察してもらえると思います。

 これほどまでの計り知れない被害を出しているというのに、検察は動かず、現状では、誰ひとりとして(検察の)取調べを受けることもなく、証拠保全も行われていません。このままいくと東電が持っているテレビ会議の映像もうやむやなうちに消し去られてしまい、なぜこうしたことが起きてしまったのか?ということを正しく検証することさえできなくなってしまう恐れがあります。

 多くの人、たとえば仮に1万人の国民が告訴、告発を行えば、司法は「裁判を却下する」ようなことはできないように思います。多くの人が告訴人や告発人になることが、正義感をもって検察官になった人たちを後押しすることになるようにも思うのです。そんなわけで、被害にあったできるだけ多くの人にぜひ告訴人として参加していただきたい。あるいは被害を目撃した多くの人に、告発人として参加していただきたい、という思いがあります。

 実を言うと、私も今回の動きがあるまで告訴と告発の違いもしっかりとは分からずにいました。
告訴というのは、被害者が捜査機関に対して自ら犯罪事実を告発し「きちんと捜査をしてください」と意思表示するものです。
告発というのは、被害者ではない第三者が捜査機関に犯罪事実を申告し、捜査を求めるものです。
 告訴や告発、それに裁判が行われる場合には、弁護士費用などがかかるのですが、今回の告訴、告発では、ありがたいことに弁護士さんはボランティアでやってくれているので、起訴になり刑事訴訟になっても、そうした裁判に関する費用を告訴人や告発人が払う必要はないとのことです。ただし、参加のための会費として、おひとり1口1000円以上をお願いし、これらは印刷物などの事務費に当てるのですが、もしもその費用が余った場合には、弁護士さんにも謝礼をお渡ししたい、と考えているとのことでした。
 また、今回の告訴&告発は、刑事訴訟なので起訴に持ち込むことができた場合、検察が被告人を訴えることになるので、裁判所から告訴人や告発者が呼び出されるようなこともありません(念のため)。ただし、多くの人に裁判を見守っていただくということでも、もし興味のある方には傍聴に来てもらえればうれしい、とのことでした。また、誰が告訴人になったか、あるいは告発人になったかという個人情報は、外部に出ることがないよう告訴団が責任を持って管理します、とのことでした。

 効果的な非暴力抗議運動のひとつとして、ぜひ告訴、告発に協力していただきたいと思っています。告訴人、告発人になるための詳しい情報はこちらを参照してください。簡単に言ってしまうと、お金が1000円、それにシャチハタでない印鑑と筆記用具があれば、告訴人または告発人になれます。

 最後に、ユーチューブの映像をひとつ貼ります。
http://www.youtube.com/watch?v=0DNvzDXq4zM&feature=player_embedded
これは事故当時の首相秘書官が真実を伝えるために命がけで受けたインタビューの映像です。にもかかわらず、こうした情報がこのままうやむやになってしまうのはなんともやりきれません。被告当事者である保安員や国会事故調ではなく、政治家や原子力ムラの力が及ばないことを憲法で保障されている司法という第三者機関が、せめて捜査を行って欲しいと強く願っています。多くの方に賛同していただきたく、どうかよろしくお願いします。