完璧な自給自足は目指さず、「テキトー」と「いー加減」をモットーにあまり頑張りすぎない、
そんな暮らし方がこの頃なんだか、とてもオモシロイ!と感じています。
自給「知足」的な暮らしは言いかえると「貧乏臭い・ケチ臭い暮らし」でもあります。

でも「ケチ臭いビンボー暮らし」も、そう捨てたものではありません。
ビンボー暮らしは、お金をそれほど必要としない暮らしとも言えます。
そのため、お金稼ぎの作業や仕事に長時間、拘束されずにすみ、
その分の時間を、ヒトが暮らすための作業に使うことができます。

農的でていねいな暮らし方が可能で、身近なところで幸せを感じることができたりもします。
また、昔ながらの農的な暮らしは、ヒトも一種の哺乳類として自然の生態系の中で
他のいきものたちと共に生きる暮らし方だったりもします。

そして、こうしたテキトーでいー加減な自給的な暮らしをうまくやっていくポイントは、「知足」? 
人間の欲望は際限がなくて、いくらお金を得られたとしても、たぶんいつまでたっても満たされません。
でも逆に、小さなちょっとしたことでも、とても幸せに感じられることがあったりします……不思議です。

日々の暮らしの中から「自給知足的な暮らし」を楽しむためのヒント? 
のようなものを、紹介できたらいいなぁ、と思っています。どうぞ、よろしく。


ふきのとうの季節の地給的な暮らしの食卓考

 八ヶ岳をはじめ、山梨近辺で農的生活をしている人たちが自主採種したタネによる種苗交換会が明野の総合会館でありました(参加メンバーの多くは、白州&小淵沢だったけど、ここはタダで会場を貸していただけるのです)。

 写真はこの地域の農的生活者の重鎮、三井さんが、提供してくれるタネの説明をしているところ。出展リストもなくて、出展者が当日それぞれ持ち寄ったタネをその場で自慢し、それをみんながメモしながら欲しいタネをいただくという、なんともゆるい感じの交換会ですが、たくさんの素敵な出会いもあってとてもよかったです。どんなタネが出展されるか分からなくて、広島の秦さん由来のゴキネブリがたくさんの方に気に入っていただいたようで、多くの方が出展してくれていて、なんだかうれしかったです。とても素敵な種苗交換会、準備してくれたコアメンバーのみなさん、ありがとうございました。
 で、そのときにも話題にあがったのですが、八ヶ岳山麓などの寒冷地で地給的な生活をしていくにあたって、一番困るのは(早春の)この時期の食卓ではないか? ということでした。我が家でもこの時期、手を代え、料理の方法も変えてふきのとうをムシャムシャ食べていますが、でも、ふきのとうだけではなかなかつらいものがあります。かといって、この時期は、収穫し、保存しておいた野菜類もそろそろ底をつくころ。ウコギやタラノメが出始めれば、キノコも収穫できるし、かなり余裕が出てくるのですが、それまではかなり工夫が必要で、情報シェアを兼ねて、我が家の冬の食卓を少し紹介させていただきます。

 今年初めて試してみて大成功だったのは、霜が降りる直前に収穫した緑色のトマトを使ったトマトのスープ。緑色の状態で室内においておくと1か月もすると真っ赤に色づき、それを使った生のトマトのスープを今年はたくさんいただきました。木成り完熟トマトを丸かじりしたときのようなわけにはいきませんが、スープであればかなり美味しくていただくことができてオススメです。またこの頃いただくつけあわせのカボチャは保存性よりも食味優先。どちらも生に近い状態なので、シンプルな調理が一番、合うように思います。

 トマトの保存ですが、2回目くらいの霜がおりたときに緑色の未熟果をすべて収穫して室内(薪ストーブを焚いている居間)に保存してみました。一気に赤くなるのではなく、順番に赤くなるので、赤くなったものからいただくのですが、今年は秋に収穫した緑色トマトを1月いっぱいいただくことができました。タイムやオレガノなんかも一緒に鉢あげしておくと、フレッシュハーブの香り豊かなトマトスープをいただくことができます。

 トマトがなくなった頃に活躍するのがハクサイです。ウチでは、オレンジクイーンというオレンジ色味の強い品種を愛用しています。写真のようなスープでも美味しいし、漬け物にしても色味もよくてサクサク感もあって美味しくいただけます。ひとつひとつ新聞紙に包んで、凍結しない建物内の冷暗所で保存しています。

 ハクサイがなくなってきたころ、活躍するのが保存性に優れたカボチャです。以前は冬至まで持てばいい、という感じでしたが、最近は品種をうまく選ぶことで、春、ふきのとうが出る頃まで保存できるようになりました。保存性を優先した品種なので、蒸かしただけでいただくのでは味は劣りますが、少し加工をくわえスープにするととても美味しくいただくことが出来ます。裏ごしせず、でもバーミックスで粉砕したカボチャとタマネギを一緒に炒めてから、ときには豆乳、ときには牛乳、それに若干のセロリ、それに少量のブイヨン(かぼちゃの旨みにあわせて加減)や生クリームなどの旨みを少し添加していただいています。この頃のカボチャはスープにするとコクがあってとても美味しいです(外食のパンプキンスープってどうしてあんなに美味しくないのだろうというくらい)。

 ところでここ数年、白州、鳥原は、冬、シカの被害がひどくて、葉物野菜や麦は姿をなくします(いまも窓の外にシカがいて、いぶかしげにこちらを見ています)。ネギやイチゴ、それにオオイヌノフグリホトケノザなどの野草までなくなってしまうというほどなのですが、かろうじてニンジンは上部をのぞき(上部3〜5cmくらいは食べられてしまっているのですが)地中部は残っていて、その部分を春、土が溶けてきた頃いただきます。スライスしたニンジンに炒った大豆を砕いたものをふりかけ、その上にタマネギドレッシング(すりおろしたタマネギと自家製梅酢と醤油と胡椒と菜種油をミックス)とをかけていただきます。大豆をナッツのような感じで使います。これもまた、とても美味しいです。

 この時期、デザートもカボチャ。蒸したカボチャの皮の部分を残し、その他の部分を裏ごしして卵と素精糖、それにアーモンドパウダーをくわえ、皮の部分を上に載せシナモンを少しふってオーブンで焼きます。
 今回の種苗交換会では、カボチャのタネがたくさん出ていました(全部で100種類を超えるタネや苗が出品されました)。カボチャは雑交しやすい品種だけに、粉系、粘質系、オモチャ系……いろいろあって面白いです。でも凄いなぁ、と思ったのは、「丈夫で育てやすく」「美味しくて」「保存性がいい」というカボチャがなかったこと。ヒトにとっては都合が良くても、種としてのカボチャの生き残り作戦としては、優秀な単一品種ができてしまうことは危険なのですね。環境の変化への対応ということを考えると生物には多様性が必要で、ヒトの都合のいいように遺伝子組み換えなんてしちゃいけないんだよなぁ。