八ヶ岳近郊に住み今回の原発事故のことを憂いて放射線測定器を自作した人たちを中心として、脱原発「地元」会議が行われました。朝から夕方(一部は夜まで)、とても有意義な時間を過ごすことが出来ました。
イベントはいくつかのミッションに分かれていました。ひとつは放射線測定器による測定値の違いを校正するというミッション。市販されている測定器が7台、それにJ408GM管をベースとした自作の測定器が11台、さらに特別参加の楢ノ木技研さんの試作機が一台、合計19台の測定器を集めての簡易校正測定を行いました。
「よーい、ドン!」で一斉に、計測をはじめ、1分ごとの空間線量を30分間測り、その計測値を集計し比較して、測定器ごとの違いを計数化しようという試みです。現在、データの集計中で、標準偏差や標準誤差を出す作業を行っているところですが、しかしそれにしても驚いたのは、マイクロシーベルトで表示される市販の測定器の計測数値が大きく異なることでした。同じ室内を時間をかけて測っているのに数値が大きく異なるのです。
マイクロシーベルトという値は、放射線の単なる線量ではなくて、アルファ線、ベータ線、ガンマー線などのそれぞれの放射線が与える人への影響度が違うことをも考慮し換算した値なので、同じ試料(場所)を測定した場合、本来ならば同じ値にならなければいけないもののはずなのです。まだ完全な集計が終わっていないのですが、しかし30分の平均値を単純に比較しただけでも市販の測定器マイクロシーベルトの値は3倍以上の開きがあるのでした。
しかしこれは放射線の特性上、致し方ないことだともいえます。測定試料(や空間)の放射線はひとつの種類だけが存在するわけではなく、にもかかわらず放射線の種類によって測定器の測定感度が異なり、さらには放射線の種類によって人への影響度も異なるのだから、ちょっと考えれば分かること。理論的に考えてシーベルトなどと言う単位で統一して表示できてしまうなどというのは、不可能なことなのです。一時データを元に、換算によって導き出されるシーベルトなどという値は、いってみればいかようにも修正できる値でもあるといえるのです。まずはこの点はもっと広く多くの人に知ってもらいたいという思いがあります。つづく。