1万円でお釣りがくる……独立型太陽光発電システムの作り方。

 ソーラーパネルの値段が驚くほど安くなっています。今回購入した5Wのソーラーパネルは2000円しませんでした。その他に手に入れたのは、パソコンの入力電源用に直流電流を変圧してくれるDCDCコンバーターでこれが1980円。バッテリーは自動車修理工場からいただいた廃品だからタダだし、このシステムだとチャージコントローラーも不要で、あとお金がかかったのは1個100円ほどのダイオードが1個。だから合計金額は送料を入れても5000円以下。これで5ワットのソーラー発電システムが我が家に誕生したのでした。

↑自分で言うのもなんですが……このシステムがちょっと画期的だと思うのは、出力5ワットという比較的小型のソーラーパネルを採用したこと。これに自動車用のバッテリーを組み合わせることで、トリクル充電に近い充電システムとなり、過充電防止のためのチャージコントローラーが不要になるのです。ただし、使える電気の量はパネルの出力が小さい分、少ないシステムではあるのですが……。
 そしてもうひとつ。小型のパネルなので、屋内の窓際にセットしてもそれほど邪魔になりません。そのため雨風を気にする必要がなく、また配線を屋外から室内に通す工事も必要ありません。独立型のいいところは一箇所にまとめて大きなシステムを組む必要が必ずしもない、ということ。必要なところにそれぞれに小型のシステムを組むことで配線も楽になるし、屋内だと、バッテリーを分離して持ち運ぶことで、好きなところで電気を使うことが出来たりもします。しかもシンプルなので、これだったら材料さえ用意できれば、誰でも簡単に作れるのではないでしょうか?

↑バッテリーは廃バッテリーをパルス充電で蘇らせて使用しています。だから、タダ。廃バッテリーを蘇らせる方法にもいくつかあって、そのうち機会があったら紹介させていただこうと思っています。

↑バッテリーポストと配線の接続には普通、Cクランプを使用しますが、今回は不用品のゴムホース(自動車用のヒーターホース)を短く切ったものを利用しています。先に配線を写真のようにセットしておき、そこにゴムホースを被せます。手軽だし、Cクランプよりも使いやすいし、これまでのところトラブルはありません。でも接触不良で発熱したりしていないか、たまには点検してください。

↑チャージコントローラーの代わりに使用する1個45円のダイオード太陽電池は電池の一種なので、夜間などパネルが発電していないとき、そのままだとバッテリーからの電気が太陽電池に逆流し放電してしまいます。それを防ぐためにダイオードをひとつ入れます。ダイオードという部品を使うと、電気の流れを一方通行にすることができます(マークのある方がカソードで、電気はアノードからカソードへの一方通行、つまりマークのないほうからマークのある方への一方通行になります)。配管材料のワンウエイバルブとほぼ同じ。そしてダイオードの取り付けもこんな感じ。ゴムホースを使うと楽チンなのです。
 でも、初心者の方はこのあたりのことが分かりやすいチャージコントローラーを使うのも悪くない方法だと思います。過充電にならないように今回使っているのは5ワットのパネルですが、チャージコントローラーを使用すれば30ワット程度の太陽光パネルと組み合わせることができ、それなりに使えるシステムができます。また最近ではチャージコントローラーも値段が下がりリーズナブルな値段で手に入れることができるようになりました。詳しい接続の仕方などまで含めた組み立てキット&完成品をこちらのサイトで販売させていただいております。もしよければご利用ください。

↑パネルの角度調整用に蝶盤を使おうかとも思ったのですが、写真のように針金をちょこっと加工して使えばこうした部分でもお金がかからずにすみます。

↑夏と冬で太陽の傾きにあわせて、パネルの傾きも簡単に調整できるようにしました。ちょうどウチにいらしていた豐さんが、木材を加工してくれたのですが、なんだか角がとれて流木みたいでいい感じ。
 ところで311前までは、太陽光発電はパネルを製造するのに膨大なエネルギーが必要で製造時のエネルギーを回収するのに10年以上かかる、などと言われていました。でもこれは電力中央研究所(原子力ムラおかかえの御用研究所)と大手広告代理店が原子力を推進するために画策&捏造したデータであることが分かってきました。太陽光発電のエネルギーペイバックタイプ(EPT)は、パネル以外の設備まで入れたデータでも2年前後であることが分かってきています。またこれらのデータはパネルを固定した状態の場合で、今回のように夏と冬とで太陽の入射角を調整してあげることで、EPTの値はさらに短くすることができます。このあたりのこと詳しく知りたい方はここをクリックしてください。

↑独立型のシステムではインバーターを使うのが一般的ですが、このシステムは主にパソコン&12VのLED電球で使う予定なので、交流に変換せず、コンバーターを使って直流のまま変圧(電気の流れる圧力を変える)だけして使用しています。その方が変換ロスが少なくてすむのです。パソコンを立ち上げた状態での電流値を測ってみたら2A弱(インバーターで一度交流に代えると3A以上)でした。これだったら雨の日が続かない限り、まあまあ使えそうです。

 こんなようなシステムを家の何箇所かに設置しようかと思っています。豐さんとそれに娘にもちょこっと手伝ってもらって、犬にもときどき邪魔してもらいながら、正味2時間くらいで作ることができました。「いい加減・石窯」につづく「いい加減・ソーラー」です。とりあえず、こんなのからはじめてみて、少しずつステップアップしていくというのがいいように思います。エネルギーの自給知足、楽しいですよ。ぜひお試しを!
■とても重要■鉛蓄電池(一般的な自動車用バッテリー)は、充電時に正極から水素が発生します。そのため電極が電解液に浸っていない状態だと、空気中に露出した電極部分で火花が発生する可能性があり、それによってバッテリーの内部に溜まっていた水素が爆発を起こす恐れがあります。脱原発を標榜しながら、太陽光発電で水素爆発を起こしてしまってはシャレになりません。爆発すると電解液である希硫酸が飛び散る可能性があり、とても危険です。特に中古バッテリーを使用する場合は、電解液がレベルゲージのLOWラインより上まで入っていることを必ず確認してください。足りない場合は、蒸留水などを補給し、極板が電解液の中に浸った状態で使用してください。
 また、このシステムで発生する水素は微量ですが、濃度があがるとやはり爆発の恐れがあります。バッテリーの格納容器として衣装ケースやクーラーボックスのような密閉容器を利用する場合は、上部に水素を溜めないように注意してください。最上部に穴をあけ逃がす構造にするのがいいと思います。水素(0.07)は比重が空気(1.00)よりも軽いので上方にたまりやすい性質があります。

 ほかにもバッテリーを逆接続をした場合、アークが発生し、その火花は金属を溶かすくらいのエネルギーを持っているので注意が必要だったりします。またバッテリーは定期的に振動させて使用するのが長持ちさせる秘訣でもあります。このあたりのことは、以前書いた「計画停電用電源の作り方」のページに書いてありますので、そちらを参考にしていただきたいと思います。また、ソーラー発電全般に関して右欄のカテゴリーの「太陽光発電」で紹介しているのでできれば目を通していただけると、概要が分かりやすいかもしれません。よろしくお願します。

 このシステムから得られたデータをいくつか以下のブログで紹介させていただきました。よければこちらもご覧いただければと思います。
http://d.hatena.ne.jp/musikusanouen/20111225/1324820166


 持ち運び可能なポータブルタイプの独立型太陽光発電ボックス「おかもち」も完成しました。よかったら、こちらをご覧いただけるとうれしいです。


また、こちらのサイトで、初心者向けに配線接続の主な部分をプラグ&ソケットにした太陽光発電のキットを販売させていただいております。もしよろしければ、ご覧いただけるとありがたいです。