GMカウンターを使ったホットスポット?の見つけ方

 まだPDF版ですが、山梨の航空機のモニタリングの結果がようやく発表されました。
http://radioactivity.mext.go.jp/ja/1910/2011/11/1910_111112.pdf
 これを見ると、家の比較的近くにも空間線量が少し高いところがあることがわかりました。かなり小さな円ではありますが、周囲と違ってそこだけ水色の円形になっている部分があります。県内に何箇所か、ポツポツとインクをこぼしたようなスポットが見受けられます。

 電子版のモニタリング結果が公表されると、その地点をかなり正確に知ることができるのですが、今回発表されたのはかなりラフなPDF版でした。そこでこのPDF版をベースに、電子版を同じ縮尺にして位置を写し取り、拡大してみたところ、以下の地図の「+」の記号のあたりがその水色の円の中心点のようでした。

 山の中を走る上では我が家で最強のデフロック付きの4輪駆動車(軽トラです)の助手席に、GPS付きのガイガーカウンターをパソコンに連動させた状態でセットし、さっそく探索に向かうことにしました。

↑現在、我が家の放射線測定装置(主に電気を食うのはノートパソコン)はこんな感じで駆動しています。ノートパソコンはかなり古いものなので内蔵バッテリーが使えず、外部から電気を供給する必要があります。とはいえ東電からの電気を使うのはシャクなのでソーラーパネルで充電したバッテリーを電源としています。

ソーラーパネルやシガソケットは、ゴムホース(自動車用のヒーターホースの廃材)を使って、バッテリーターミナルに接続しています。また、ソーラーパネルは夜間に逆流してしまうので、その部分にダイオードをひとつ入れてやります。逆に言うとあまり機能を欲張りすぎなければ、これだけで独立型太陽光発電設備は可能なのです(パネルが大きくなるとトリクル充電にならなくなるのでコントローラーが必要になり、ディープサイクルなどの高価な専用バッテリーを使うと過充電でバッテリーを痛める心配が生じてしまいます)。というわけで必要な場所に、小さなシステムをいくつか組んで少しずつ東電からオサラバする、というのも悪くないように思います。

ガイガーカウンターへの電源の供給はUSBケーブルを通じてパソコンから行い、パソコンへは昇圧が可能なDCDCコンバーターを使って行なっています(写真のコンパックの場合パソコンの入力電流は19Vでした)。DC(直流)AC(交流)インバーター(直流を交流に変換する機械)を使うとガイガーカウンターがノイズを拾ってしまうことがあるので、ガイガーカウンターをつなぐ場合はDCDCコンバーターがオススメ。しかもDCDCの方が、DCAC→DCよりも変換ロスが少ないというメリットもあります。
 写真のパソコンはかなり古いコンパックの製品ですが、このタイプはクルマdeチャージャー(1980円送料込)が使えました。最近の新しいタイプのパソコンの場合、三極のものがあり、その場合はこのページで紹介しているDCDCコンバータ(3280円)がオススメです。これだとデルをはじめ最近の三極タイプの多くの入力に対応しています(電圧も入力電圧に合わせて自動で設定してくれます)。
 また、クルマで移動する場合は、これでもいいのですが、ガイガーカウンター(とパソコン)を徒歩で携行する場合は、このバッテリーでは大き過ぎます。そこで、その場合にはオートバイ用の小型の12Vバッテリーを使用しています。

↑写真の奥の白いバッテリーが軽自動車などに使われている小型の自動車用バッテリー。そして手前がスーパーカブ用バッテリー。最近はベトナムなどで(自転車に変わって)スーパーカブが普及しているので、この種の輸入バッテリーの値段がかなり下がっています。写真のもので新品が1600円くらい。これだったらマウンテンパーカーのポケットにギリギリ入ります。インパクトドライバーのバッテリーは高価なので、ポケットにいれたこのバッテリーからインパクトドライバーを有線で使うという方法もありそう……このバッテリーであればかなり傷んでもパルス充電により再生が可能なのです。

↑緑色のLEDが点灯している黒い小さな箱がパルス発生装置(完成品で3000円くらい)。その少し奥の長細い黒い箱がスイッチング充電器(3000円くらい)。いずれも電子工作に長けた人だったら秋月あたりから部品を調達して自作できそうですね。鉛蓄電池の場合、パルスを掛けて充電することで、極板の表面にできたサルフェーション皮膜を除去することができる、と言われています。実際にこの組み合わせで、廃棄バッテリーをかなりの数、再生することができました。奥にある縦長の箱は、バッテリーに負荷をかけそのときの電圧の落ち具合でバッテリーの再生度をチェックするもの。写真は市販品ですが、容量の大きな昔のフォグランプと電圧計があれば簡単に自作できます。

↑GMカウンターだけであれば、このシステムの場合、9Vの乾電池があれば、スタンドアロンで使うことができます。写真の左側の9V電池は充電タイプで乾電池を使い捨てにせずに済みます。これにiPodタッチを組み合わせるとかなりの節電仕様になるのですが、現状ではデータを記録できないことがネックです。
 スミマセン、すっかり話がそれましたが、これらを適当にクルマに積んで「+」印の場所を目指しました。行きはとりあえず、GPSを作動させた状態で一定速度で走って、放射線量の高い位置を探し出します。また、車載で探す場合は移動速度が早いので、cpm(直近60秒間のカウント数の合計)よりも、10秒間のカウント数の方を目安とする方がよいように思います。
 台風にえぐられた林道を一旦、最上流部付近まで走り、行きに200cpmを超えた数値の高かった場所を帰りは念入りに調べてみることにしました。場所によっては、クルマから降ろして測定した結果、160cpmが通常のバックグラウンドのGMカウンター(J408×2本)で、最高値450cpmというところが見つかりました。私の計測器では北杜市内では初めて400cpmオーバーという数値が出ました。

(画像をクリックしたあと、「コントロール」+「+」で拡大できます)。
↑数値はcpmで、直近60秒間のデータではなく、10秒間の計測数を6倍したものです。
■以下はGMCワークショップの皆さんに向けた連絡です■
 クルマでの観測の場合、10秒観測の値を6倍した方がホットスポットを見つけやすいように思います。その場合、kmlファイルの表示を10秒×6倍に変更するには、csvファイルの時点でC列の値を変更する必要があります。さらにその後、数式(=10秒値×6)を単なる「数値」に変更(列を選択し右クリックで形式を数値に指定して貼り付け)してあげると10秒観測の6倍の数値を表示することができます)。以上、内輪の連絡、おしまい。

 高い数値を記録した周囲を入念に調べたのですが、そのあたりには土を埋め戻したような形跡もなく(放射性廃棄物を埋めたような形跡はなく)、値が高かった箇所は、白い御影石とは明らかに異なる、サビ色をしたもっと古い感じの花崗岩?があり、それらに近づけると線量が上がるので、どうもそれらの石が放射線を発しているようでした(高圧線を横切る当たりまで林道を上り、あたりがひらけ紅葉が美しい左カーブの右側あたりがかなり高いホットスポットでした。上に木が生えていないので航空機からだと観測されやすそうです)。
 航空機モニタリングのそのほかのデータを見ても、セシウム134や137はこの地域から検出されていないことから、この場所の空間線量が高いのは自然放射線ではないかと思われます。また今回の結果から、航空機モニタリングの結果は、意外と精度が高い、とも言えそうです。
 というわけで、この地域にはこうした測定が比較的簡単にできる計測器が10台以上あり計測を続けています。放射性廃棄物の不法投棄などを行うと、すぐに発見できてしまいます。もっとも見つからなければ捨てていい、ということでもないけれど……。

↑右側の茶色い石のあるあたりがもっとも高かった地点です。

↑このあたり一帯には白い御影石が多いのですが、一部写真のようなサビ石が混ざるところがあり、線量の高かった場所にはこうした石が転がっていました。また、線量の高かった場所ではなんとなく口の中に違和感があり、気のせいか、口の中に金属電池が生じてしまっているような感じ(シラスを食べたときにたまに気になる感じ)がありました(が、線量が高かったので、緊張していたから……という可能性もあります)。しかし、それにしても、近くに人の住んでいない山奥で良かった……。