きのこをおいしくいただくために……。


 雑木林の中、落ち葉の間から、今年もマイタケが顔を出してくれました。いつもの年だと、舞いあがるほどにうれしいことなのですが、今年は手放しで喜ぶことができず、それがなんとも残念です。でも、福島で農的な暮らしをしていた人たちは、この何倍も、いや、何十倍何万倍も苦しい思いを毎日背負っているわけです。にもかかわらず、まだ原発を推進しようと言う人たちがいるなんて……そのことをどう考えたらいいのだろう?
 原発はたかが発電所です。しかももの凄く危険な発電所です。高速増殖炉を持つことによる核の抑止力なんかよりも、原発がテロや有事の標的にされることの方が(それがたとえ軽水炉であっても)はるかに恐ろしいということを今回奇しくも証明してしまいました。
 もし本当に電気が足りないのだったら、他の手段で電気を足りるようにすればいいだけのこと! あんな危険で高価な発電方法による必要はないと私は思います。今回の事故で原発周辺の補助金交付金、それに万が一事故が起きたときの賠償金などを勘案したら、原発ほどコストパフォーマンスが悪い発電所はないということが露呈しました。
 電力会社が電気を買い上げてさえくれれば、多くのゴミ焼却炉に発電設備を併設することができます。これまでは(そしていまも)ゴミの焼却で発電していても、その電気を電力会社が買ってくれないので、発電もせずにただ熱として捨てているというのが現状です。少なくともゴミの焼却で生まれた熱でお湯を沸かし、発電することは容易なことだし、近隣住民にはそれを配電するなど、せめてもそのくらいの恩恵があってもいいと思うし、電力会社が送電網を開放すればすぐにでも可能になることでもあります。
 ゴミ焼却発電のほかにも、たくさんの発電方法があり、実際に企業では自家発電をおこなっていてその余剰分を売ることができたのに、それを許してこなかった(いまだに許していない)こと(計画停電の際にもそうした申し出がたくさんあったのに受け入れなかったこと、そしてそのことを報道しなかったこと)に大きな問題があるように思います。
 あー、頭に血がのぼってしまいそうなので、話を戻します……。

 マイタケ以外のキノコたちも続々と顔をのぞかせ始めました。ヒラタケ、ナメコ(写真)、クリタケ、シイタケ……たくさん採れたからといって人に差し上げても喜んでもらえるかどうかも心配で、躊躇してしまいます。そろそろキノコの菌打ちのことも考えないといけない時期なのですが、どうもやる気が出ません。伐採からはじめるキノコの菌打ちは、かなりの重労働なわけで、それもこれも、何年か後にキノコが出たとの喜びがあるからこそできることともいえます。
 そんなこともあって、本格的に放射線測定器を稼動させることにしました。J408γという感度に優れたGM管を2本装着しているので、先日自作した放射線測定器はGM管を使ったものとしてはかなり性能に優れたものになっていて、実際にこれと同じものを使って食品での相対値の変化が計測されていたりします。ところが組み立てでも悪戦苦闘したわけですが、組み立てなどのハードだけでなく、ソフトに対する知識も疎いので、やっと完成した測定器をこれまではパソコンに連動させることができず、液晶の数値を手書きで記録し、平均値を電卓で計算するなどしていたのでした。そしてここ三日ほど三台のパソコンをフル稼働させ、ほとんどかかりっきりでやって、やっとArduinoCygwinが動くようになり、パソコン上の表計算ソフトにデータを拾い上げることができるようになりました(通信速度やCPUの速度は速いのですが、それを使う人間の頭の回転速度に問題があったのでした)。

↑そしてさっそく露地栽培の原木シイタケを測定してみました。J408・GM管をUの字状に囲うようにして上下横にシイタケを配置し、測定器を駆動します。この測定器は10秒に一回、ガイガー管に飛び込んできた放射線の数をカウントし表示したりデータとしてパソコンに送ることができます。
 まずは、対象物を測定する前後でバックグラウンドの値を測定するため、GM管の周囲に何もおかない状態で測定の前後で727回(それぞれ約1時間)の測定をおこないました。その結果、合計で18375発の放射線を受信。1分あたりの平均値にすると我が家の室内(居間)の2011年10月19日のバックグラウンドは151.650CPMでした。
 そしてシイタケで取り囲んだ場合の同じく、727回の測定値で比較すると、受信放射線総数は17957発で、1分あたりの受信数は148.200CPM。シイタケで取り囲んだときの方が、バックグラウンドよりも3CPM低くなったということで、とりあえずバックグラウンドとの差異はないと見ていいように思います。いろいろ測定してみると放射線による掃射はかなりランダムで、1日のうちでも1時間ごとくらいで3〜4CPMくらの違いが生じるもののようでこのくらいのフレは放射線の揺らぎの範囲といえそうです。では、どんなものでも、そうした結果か? というと必ずしもそうではないのです。たとえば、味の素から販売されている「やさしお」という製品。普通にスーパーで売っている健康に良いとされている塩で、減塩用にカリウムが多く含まれる(100gあたり27.6g)塩なのですが、そのためにこの塩には、天然の放射性物質であるカリウム40が、カリウムの量の0.0117%含まれていることになります。

 これを計測してみると、前後のバックグランドが7560回計測で、合計18581カウント。CPMにすると147.468でした(これが我が家二階の仕事部屋の10月20日のバックグラウンドということになります)。
 一方、同じ場所で、ふた袋(1袋180g)の「やさしお」でGM管を上下にはさんで計測した場合の計測値は、同じく7560回の計測回数で比較してみると、合計受信放射線量22684発で、1分あたりでは、180.032CPMになります。バックグラウンドとの間で32.564CPMも差があるということなのです。そして今回分かったことは、シイタケの場合も、やさしおの場合も、これほど多くの回数(=長い時間)計測する必要はなく、CPMで比べると計測後10分くらいで平均値はほぼ安定するようです。10分=60回の計測で大体の目安は分かり、怪しい場合には、計測時間や回数、条件を変えるなどするといいように思われました。
 試してみたいことはまだまだたくさんあるのですが、放射線の測定ばかりをやっているとどうも、気が滅入るのでボチボチやっていきたいと思います。しかしそれにしても、このところ、パソコンをつけている時間が長いため、天然酵母たちは元気に成長しています。

↑左がぶどうから起こしたヨーグルト入り天然酵母の元ダネ。右は自家製ライ麦によるライサワー種。我が家ではパソコンが酵母発酵の保温器になっていて、このところかなり元気だったりします(輪ゴムの位置が元の位置)。
データをOpen officeに取り込み、グラフにして見ました。上がシイタケとバックグランドを重ねたもの。下は「やさしお」とバックグランドを重ねたものです。

↑ありがたいことに見事に重なりました。

↑……。