完璧な自給自足は目指さず、「テキトー」と「いー加減」をモットーにあまり頑張りすぎない、
そんな暮らし方がこの頃なんだか、とてもオモシロイ!と感じています。
自給「知足」的な暮らしは言いかえると「貧乏臭い・ケチ臭い暮らし」でもあります。

でも「ケチ臭いビンボー暮らし」も、そう捨てたものではありません。
ビンボー暮らしは、お金をそれほど必要としない暮らしとも言えます。
そのため、お金稼ぎの作業や仕事に長時間、拘束されずにすみ、
その分の時間を、ヒトが暮らすための作業に使うことができます。

農的でていねいな暮らし方が可能で、身近なところで幸せを感じることができたりもします。
また、昔ながらの農的な暮らしは、ヒトも一種の哺乳類として自然の生態系の中で
他のいきものたちと共に生きる暮らし方だったりもします。

そして、こうしたテキトーでいー加減な自給的な暮らしをうまくやっていくポイントは、「知足」? 
人間の欲望は際限がなくて、いくらお金を得られたとしても、たぶんいつまでたっても満たされません。
でも逆に、小さなちょっとしたことでも、とても幸せに感じられることがあったりします……不思議です。

日々の暮らしの中から「自給知足的な暮らし」を楽しむためのヒント? 
のようなものを、紹介できたらいいなぁ、と思っています。どうぞ、よろしく。


ハチにハートを刺された男・富永朝和さんのお話

 いま、家中が甘い香りに包まれています。きょうは原村で富永朝和さんによるニホンミツバチの講演会があり、参加させていただきました。富永さんは、小学校のとき「ハチ追い」に参加されたことがきっかけで、以来64年間、ハチ一筋の人生を送ってきた、とのことでした。

 富永さんは横箱と呼ばれる横長の箱を使っての和蜂(ニホンミツバチ)の飼育を推奨されています。写真は二つの箱を連結し、手前の箱のミツバチたちを、奥の箱に移動させながら、採蜜するという方法の実演中。

 焦らずゆっくりと作業をすることで、ハチも安心し、奥の箱へと写っていくとのことでした。採蜜まで二年待ったという横箱には、蜜と幼虫と花粉をたっぷりと蓄えた巣がびっしりと入っています。和蜂は洋蜂と違って、とてもおとなしい蜂で、蜜の収量は少ないけれど、とても扱いやすく、人に慣れやすい蜂のことでした。蜜が蜂の羽根についてしまうと、蜂は死んでしまうことが多い、とのことで、ていねいに優しく、愛情を持って作業をされている姿が印象的でした。

 お訪ねしたのは、原村で和蜂を飼育されている原さんのお宅。1200mと標高が高いので周囲に畑が少なく、ネオニコチノイド系の農薬散布の心配がないという恵まれた環境でした。そして驚いたことに、ペットボトルのスズメバチトラップの中に、チャイロスズメバチが入っていたのでした。このスズメバチはとても珍しい生態のスズメバチで、私も昆虫少年以来40年以上「虫好き」をやっていますが、きょう、始めて実物を見たのでした。そのくらいに生態系が豊かで健全でないと生育できない珍しいハチなのです。
 チャイロスズメバチの女王は初夏の頃、他のスズメバチたちよりも少し遅れて活動を初めます。そしてキイロスズメバチの巣を見つけると単身乗り込み、キイロの女王を殺して、巣を乗っ取りキイロの働き蜂に自分の幼虫を育てさせるという、とても珍しい習性を持ったスズメバチなのです。手前の横向きのベッコウ色の固体と奥のコガタスズメバチの右隣の固体がチャイロスズメバチです。

 その後、原さんから、待ち箱用に蜜蝋用の蜂の巣を分けていただきました。いまは家に帰ってそれを煮て、蜜蝋を採取しているところ。この蜜蝋を待ち箱と呼ばれる丸太をくりぬいて作った容器の内側に塗っておくと、分巣した野生の和蜂がやってきて巣を作ってくれる(可能性が高くなる)とのことなのです。と、そんなわけで、家中に甘い香りを漂わせ、ニホンスズメバチが我が家に集まってきてくれる日を夢見ているのでした。