ケージの中に動物が入っている、という点では、普通の動物園と同じなのですが、我が家と動物園との違いは、そのケージ(建物)の中に入っている動物が「ヒト」という種類の動物であるということ。そしてそのヒトという動物を見に、さまざまな生き物がやってきます。
↑ウコギの葉が固くなってきたので、ウコギに代わってミツバが食卓に登場する頻度が増えてきましたが、それでもこの季節、ケージの中で飼われているヒトという動物のエサは、タラノメが主力。まだ畑からの収穫物は少ないので、とにかくタラノメでしのぎます。というわけで、タラノメを長くいただくコツを紹介しましょう。
↑タラノメの株を痛めずに長く収穫することは、必ず枝を切り戻しすること……のように思います。芽だけを採ってそのまま放置してしまうと、その部分に再び芽を作ろうとしてタラノキは消耗してしまいます。そこで写真のように次の芽の部分まで切り戻しします。
↑すると、その後は写真のような状態で芽が伸びてくるので、この写真の場合は上から三つの芽を収穫し、4つ芽の芽のすぐ上で切り戻しします。そして最後は、地上から3つ目の芽まできたら、そこで収穫をやめます。こうして収穫していくと、最初の芽を食べ始めてから1ヶ月くらいタラノメで生きていくことが出来ます。今年は特に春先の畑仕事をサボったので、いまタラノメがとてもありがたいです。
↑ちょうどいまはこんな感じ。切り戻ししながらもう少しタラノメを食べることが出来ますが、この頃になると根元からたくさんの新しい太い芽が出てきます。低い部分はシカやノウサギにかなりやられてしまうのですが、でも、環境さえ整えてやれば(周囲の下草を適度に刈ってやれば)芽はたくさん出てくるので、彼らにも食べきれないようで、タラノキは毎年どんどん増えます。
ただし、タラノメは森林遷移の先駆植物(草原に最初に出てくる灌木)で、繁殖力は強いのですが、数年で枯れることが多いです。もしかしたら立ち枯れ病などの病気と共生して、次の植物に場所を譲ることで生態系のバランスを保っているのかもしれません。
そんなわけで、もし長く育てたいのであれば、若い木を少し日当たりのいいどこか別の場所にも移しておいてあげると、そちらにまた群落ができ、数年後にはまた元の場所でも育つようになり、絶やさずに育てることが出来ます。
↑タラノメは一般に天ぷらでいただくことが多いようですが、我が家では天ぷらは飽きるのであまりしません。では、どうやっていただくかというと、こんな感じ。手前はゆでたものを酢味噌(←すりおろしたゴマを混ぜる)でいただきます。←これオススメ。奥はバター炒め。最後にお醤油を少したらします。←これもオススメ。
↑タラノメとウコギとアンチョビのペペロンチーノ。パルメザンチーズを摺って、そこにお醤油をちょこっとたらしていただくと最高。
↑タラノメとウドとドンコしいたけのピザ。チーズの下にところどころ、ふき味噌を忍ばせておきます。春きのこ代表であるアミガサダケ(モレル)が採れたらそれを入れるとさらにおいしいのだけれど、今年はひとつも見つけることが出来ませんでした(自森の植え込みの中に毎年いっぱい出るんだけど、今年はどうだったろうなぁ)。いずれにしても山菜ピザは石窯で焼くと、チーズにほんのりとスモーク臭がついて最高に美味しい。ワインがすすんでしまいます。