プラスチックの生ごみコンポストが普及していますが、あれで上手に生ごみを堆肥化するのはかなり難しいと思います。生ごみを腐敗させず、上手に発酵させて堆肥にするには、水分量の調整と定期的な攪拌がカナメ。でもあのプラスチックの容器で、水分を蒸発させ、中身を攪拌するのはかなり難しい……。で、たいてい夏になるとコウカアブ(最近はアメリカミズアブも増えている)のウジ虫を大量に飼育するはめになります。
コウカアブも腐敗発酵した生ごみを分解してくれるわけで、それほど悪くはないのですが、でも腐敗発酵ではアンモニアガスが発生してしまうので、肥料としては窒素分が抜けてしまいモッタイナイ。そこで、ウジ虫飼育容器にならない、ドラム缶を使った生ごみコンポストの作り方を今回は紹介したいと思います。
水分を蒸発させるには下の写真のような、網々メッシュの空中浮遊タイプがいいのですが、でもこれは作るのが少し面倒。
そのほかにもこれまでにいくつか作ったので、興味のある人はこちらやこちらをご覧ください。
でも、今回紹介するのはドラム缶タイプで、もっと簡単に作ることができます。用意するのはフタの取り外しできるタイプのドラム缶。これの底の部分に適当にドリルで穴を開けます。多過ぎる水分はここからにじみ出ます。
で、普段は写真のように立てておきます。乾いた落ち葉や燻炭、米ぬか、灰などを入れた中に生ごみを投入します。水分は下からよりも上部からの方が蒸発するので、写真のように上をなるべく大きくあけておくのがポイントです。木っ端をかませ、その上に波板を載せて、タイヤで重石をしてあります。
しかし、これだけだとやっぱり水分量に偏りが出てしまってうまく好気発酵してくれません。そう、もうひとつのポイントは内容物を定期的に攪拌することなのです。攪拌を行うことで水分が均等に混ざり微生物の活動が活発になって発熱性の好気発酵がより盛んに行われるようになります。そして発酵熱によって水分はさらに蒸発してくれるという寸法です。
そんなわけで市販されている家庭用生ごみ処理の高級機には電気を使って攪拌する装置がついていたりします。でも、エネルギーシフトが叫ばれる昨今、生ごみ攪拌の動力源に電気は使いたくない……。で、こんな方法を編み出したのでした……。
で、攪拌後の生ごみ堆肥は下の写真のような感じになります。ころころ転がったドラム缶の中で攪拌されるので、スカラベサクレが作ったフンコロのような球形状のものが多くできます。これを畑に投入すると、かなり大き目の団粒構造ができることになります。
追伸 クライストチャーチ郊外でオーガニックな農業を営んでいるSさんから、以下の写真が届きました。ありがとうございます。
Sさんより:こちらでは昔から添付したようなものが使われています。(現在では生産されていないようですが、ネットオークションで結構 な価格で取引されているようです。)
フレームの片方にハンドルがついていてそれによって、上に乗っかるドラムを回
転させる仕組みです。こちらではやっと地震が落ち着いてきたと思ったら、つい
先日の土曜日に少し大きめの余震がありました。。。。日本も早く治まって欲しいものです……。
ありがとうございました。私もカートを裏返してそこにドラム缶を載せて回していたことがありました。ドラム缶の胴の部分には胴輪と呼ばれる車輪の代わりとなるリムがあるので、2本の単管パイプの上に載せただけでも案外容易に回転できそうです。生ゴミの投入方法をどうするか? をうまく考えれば、もっと普及するかもしれませんね。Sさん、ありがとうございました。