2000年頃まではほぼゼロだったオール電化住宅ですが、電力会社による強力なキャンペーンにより2010年には80万戸を突破しました。
また、オール電化の住宅と共に電力会社が密かに優遇し、増やしてきたモノに自動販売機があります。自動販売機は24時間常に稼動していて、飲み物を冷やしたり暖めたりするために電気で冷媒を圧縮するためのコンプレッサーを駆動しています。そのため最低でも500ワット、多いものでは1000ワット以上という大量の電気を24時間消費します。そしていまや自動販売機は500万台を超え、年間の消費全力は100億キロワットを超えているのではないかと推測されています。
ちなみに、福島第一原子力発電所1号機から6号機までの定格電気出力を合計すると469万キロワットになります。自動販売機ひとつあたりの消費電力を1キロワットとすると、1キロワット×500万台=500万キロワットになり、極論すると、福島第一原発は日本にある自動販売機のための発電施設であるといえなくもありません。
そんなわけで(隠れたところでは自分たちの利益をあげるために)どうにかして電力消費量を増やそうと必死な電力会社に「使っていない電化製品のコンセントを抜きましょう!」(実はほとんど効果がない)だとか「明かりをできるだけ消して節電しましょう!」などと、テレビで広告されるのはどうにも納得できません(しかもその広告代は我々が納めた電気代なのだからなおさら)。
納得できないけど、停電されて困るのは我々、普通の市民です(都心部の高級マンションの多くは計画停電実施地域から外されています)。そんなわけで、成果のあがる方法で賢く効率よく節電に励みたいと思います。
くりかえしになりますが、その都度コンセントを抜いて電化製品の待機電力を少なくしても、残念ながらあまり効果はありません。電化製品にもよりますが、頻繁に使うものは、その都度、いちから起動させてしまうと起動時に大きな電流が消費され、返って電力が必要になってしまうものがあります(アンローダータイプのコンプレッサーなども同様)。
蛍光灯の場合も似たようなことがいえますが、ただし白熱灯(一般にはだか電球と呼ばれるもの)は消費電力が多いので、白熱灯型の蛍光灯、あるいは、できればLEDに変えるのは効果的だと思います。
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↑電気の消費度は熱が目安になります。白熱灯は手で触れなくなるくらいに発熱しますし、蛍光灯や蛍光灯型電球は手で触れないほどではないけれど暖かくなります。一方LEDは電子自身の動きによって発光するので熱を介さない発光装置です。そのため無駄がなく同じ明るさを作るのに少ない電力ですみます。家庭用(交流用)のLEDライトはまだまだ高価ですが、直流タイプはだいぶ値段も安くなってきました。直流であればソーラーパネルとも組み合わせやすいというメリットもあります。将来的には家で使う照明は、ソーラーパネルで発電した電気を廃バッテリーに蓄えたものに代えていけたらいいなぁと思っています。
ところで、身近なもので一番電気を食うのは、電気を熱に変えて使っている電化製品です。
↑暖房便座や洗浄用の温水も電気ヒーターなので電気を食います。便座はトイレのフタを締めることで(冷えないので)ある程度節電でき、さらには就寝中や出勤時間帯はタイマーを使い自動的にオフになるようにしておくと面倒でなく、消し忘れや点け忘れを防ぐことができます。
また、寒冷地であるこのあたりだと水道管を凍らせないようにする凍結防止帯、これはとても電気を食います。ホームセンターに行くと、節電太郎やセーブ90といった製品があるのでこれを装着してください。これはぜひともオススメです。この手の製品は熱線ヒーターに常時通電せず、パルスなどを使って断続的に通電するので、これを使うと80〜90%くらいの節電が可能です。一ヶ月の電気代が、冬季に1万円くらい高くなる家(寒冷地では意外とある)では、一ヶ月で8000〜9000円近くの節電になります。
↑屋外コンセントボックスにぶら下がっている白い長四角のボックスが凍結防止帯用の節電器具(セーブ90)。こうした節電器具と同時に水道管の断熱も節電のポイントになります。写真右側の白い太いパイプは13φの一番細い水道管ですが、その外側に発泡スチロールの断熱材(市販品)を被せテープで巻いて固定しています。
ついでに書くとこのあたりに多い合併浄化槽のエアポンプも常時24時間駆動していて電力消費の大きな電化製品です。これにもタイマーを使いましょう。ホームセンターに行くと1時間に15分だけ電源をオンにできる下の写真のようなタイマーが1000円以下で売っています。これを使って1時間ごとに15分だけポンプが駆動するようにすると、これにかかる電力量は1/4にすることができます。
↑これが1時間に15分だけという設定のできるタイマー。さすがに動き始めは少し臭いが出ますが、休止している間に返送パイプの周囲にスカムが沈殿し、再開と共にその周囲のスカムを1層目に返送することができるので水質の浄化能力はこれを使うことで逆に、改善される可能性があります。
↑市販の断熱材を使用しなくても写真のようにエアキャップを巻きつけることでも効果はあります。
つづく。