天ぷら廃油のろ過装置の改造

 まだ桃の花のつぼみは固いけど、梅がちらほらと咲き出し、ふきのとうのペペロンチーノが食卓にのぼるくらいの春になってきました。
 気温はあがってきたというのに、なぜか天ぷら廃油のろ過速度は悪くなってしまいました。我が家のポンコツジープは天ぷら廃油をBDFのように精製せず、そのまま天ぷら油のまま使用しているのですが、天かすなどの不純物は取り除く必要があります。そのためろ過を行っているのですが、そのろ過のスピードが落ちてしまいました。どうもフィルターが詰まってしまったようです。というか、それまでクルマで使っていて詰まってしまい使えなくなったエレメントを天ぷら廃油の濾過用(ろかよう)として流用しているわけですから、まあ、元々詰まっていたフィルター、ともいえます。そこでこの、エレメントを、なんと新品に交換することにしました。

↑これがこれまで使っていた濾過用フィルター。クルマに乗っていた頃から何度も洗浄されだましだまされ酷使されてきました。燃料フィルター退職後も、給油前の天ぷら廃油の濾過用として、こき使われてきたのですが、さすがに最近はほとんど天ぷら廃油を通さなくなってしまいました。10秒に一滴くらいのスピードでした濾過しなくなってしまったのです。

↑オイル汚れを落とすにはBDFが一番いい、という話もあります。さらに再使用ができないものかと、分解して清掃を試みましたが、内部はきれいなのですが、外側の汚れはシンナーなどでは落とせませんでした。
 仕方がないので濾過装置に新品のエレメントをおごってあげることにしました。とはいっても、ネット上で探した格安品。エイシンという会社の倒産処分品でひとつ300円弱でした。日野のトラックの燃料用エレメントなのでディーゼルに使われていたものと思われます。ガソリン車用であれば、100円くらいからありました。濾紙メーカーに軽油とガソリンの燃料フィルターのメッシュの違いを問い合わせしたことがあるのですが、別に軽油用にこだわる必要はないようでした。
 このフィルターエレメントを濾過装置の底の部分に押し付けるようにして固定します。固定には、ホースエンドとソケットと六角ニップルを使用。ソケットを高ナットのように使う、というのがミソで、その先の六角ニップルは細い全ネジしか持ち合わせんがなかったので、それにあわせたサイズの調整用。六角ニップルの内径にあわせてメネジを切り、全ネジを継ぎ足しました。

↑六角ニップルにタップでメネジを刻みます。この部分は分解できる必要はないから、ハンダ付けでも良さそうです。

↑ホースエンド(タケノコ)にワッシャーとオーリングをはさみ、透明衣装ケースの底にソケットを使ってはさみます。そこに六角ニップルと全ネジシャフトをつなぎ、そこにフィルターエレメントを通してワッシャー&オーリング(チューブ製のパッキン)&蝶ナットで締め付け固定するという作戦です。

↑オーリングやゴムのパッキンは、廃品のタイヤチューブを切って作りました。ゴム板は素材として購入すると意外と高価なので、廃タイヤーチューブをひとつ確保しておくと何かと便利です。さらに、もっと強固なゴム製品が欲しい場合は、チューブではなくタイヤ自体を切り抜いて作るという方法もあります。

↑写真右は、古タイヤのウォール(側壁)を使って作ったマフラーハンガー。詳しい作り方は、今発売中のオールドタイマー誌117号で紹介しています。立ち読みしてみてください。今回の「自給知足」は「足踏みミシンの楽しみ方」です。足が棒になって読みきれなかったら……買ってね。

↑これはエレメントを下から見たところ。ホースエンド(タケノコ)をボルトの代わりにして固定しているわけです。

↑さて、この白い豆乳のようなものはなんでしょう? 実はこれ、一度凍ってしまった天ぷら油(たぶん新油)です。氷点下10度近くになり、一度シャーベット状に凍ってしまった天ぷら油は、その後も温度が低い状態が続くと、こんな風に白泥した状態になります。さらに温度を上げると普通の油のように透き通った状態になるのですが、できればこの白泥状態で濾過してみたいというのが今回、フィルターを新品に交換するきっかけでした。この状態で濾過すれば、凝固点の高い飽和脂肪酸?を(BDFのように薬品を使わずに)とりのぞくことができるのではないか?と思ったのです。ところが、前日の使い古しのエレメントで試したらほとんど通過せず完全に詰まった状態になってしまったのでした……。

↑新品エレメントを温存するため、コレまで通り二段階濾過をします。一段目はジープの使い古しのエアクリーナーエレメント。これはかなり気持ちよく油を通してくれます。そしてさっそく試してみることに……。このところ、気温が上がってきたためか衣装ケースに入れたら、ただそれだけで上部の油は澄んできました。

↑一段目から二段目へは、順調に濾過が進みました。油の色はこの時点で澄んでいて、必ずしも新品の軽油用エレメントに通さなくても良さそうな感じです。

↑そして翌朝。これまでは3日以上かかっていた二段濾過が、ひと晩で終わってくれるようになりました。そして実際に、この燃料で走ってみたのですが、残念ながら体感できるような大きな違いはありませんでした。とはいえ、この寒い時期にクルマは止まらず動いてくれるのだから、改質されているともいえるのかもしれません。ただし天ぷら廃油100%に切り変わった状態だと、エンジンが温まっていても、アイドリングはかなりあげ気味にしておかないとエンジンはストールしてしまいます。

↑これは、極悪非道なドロドロの廃油。一度低温にあてて、その後、ゴミを沈殿させるため一ヶ月ほど放置するだけで温度があがると、写真のようにゴミは沈殿し、上澄みの濁りもだんだん消えてきます。

●改造前のろ過装置も以前に紹介しています。興味のある人はコチラを参照ください。

●衣装ケースではなく、ペール缶を使ったタイプも作ってみました。興味のある方はこちらをご覧ください。