自由の森学園の中学・学年ワーク、プロジェクトうんこ「カンタービレ編」からの続きです。
バイオガスが採取できるおおえさんの家のトイレや、ほぼ100%循環させている麻実子さん直樹さんの家のトイレ、それに金魚や水草に浄化後の過栄養分を食べてもらっている樋口さんの家のトイレからすると、見劣りがするけど、ウチのトイレも生徒たちに見てもらい、そして使ってもらいました。17人も泊まったのにウチにはトイレが一個しかなかったので、朝はパニック?でした(ゴメン!)。
↑トイレ自体は、アメリカのKOHLERというメーカーの製品です。これを選んだのは造形がアンティーク風で美しいということと同時に、機能性にも優れているということがありました。水洗トイレはサイフォンの原理によって汚水を引っ張っているのですが、このメーカーのものはそのあたりの構造が巧みで、簡易水洗並みの少ない水量で流すことができます。当時は個人輸入で取り寄せたのですが、いまは日本に輸入代理店があるようです。ちなみに、台所のシンクもKOHLER製。こちらは鋳物の上に琺瑯(ほうろう)をひいたものです。当時日本ではシステムキッチンが全盛で、自作用にシンクだけを販売しているようなメーカーはなく、業務用ステンレスシンクの中古にするか?悩んだ末、キヨブタしたのでした。
このKOHLERのトイレに、近くのホームセンターで9800円で売っていたウォシュレットを組みあわせています。いまだったら価格コムで探すともっときれいなデザインのものがもっと安く手に入るかもしれません。
そんなわけで、私はインドから帰ってきて(紙を使い始めた途端に「痔」になって)以来、紙は使わないのですが、ウチに来てくださるお客さんは紙をつかうので、トイレにはトイレットペーパーを入れるゴミ箱があります。インド人たちは「紙でお尻を拭くなんて、なんて非衛生的な……」と我々のことを蔑んでいたのですが、帰国して再び紙を使い始めた途端にそれが正しいことを実感させられたのでした。
↑ゴミ箱の上には、写真のように書かれています。写真をクリックすると大きくなります(読めるかなぁ?)。また、このゴミ箱はA4の封筒がセットできる大きさに作ってあります。A4の封筒は、ダイレクトメールなどで送られてくることが多いので、それをセットできるように作るとゴミをこまめに捨てることができて便利かと思います。部屋のゴミ箱も同様、同じサイズで作ってあります。
↑木の枝というのは、見ていると、なんだかいろいろなイメージが沸いてきます。これはムーミンにでてくるニョロニョロのイメージ。丸い口の部分は取り付けのためのネジを仕込むための穴。当初は埋めるつもりだったのですが……。
↑このタイマー、オススメです。電気は熱に変えて使おうとすると、たくさんの電力を必要としてしまいます。家庭で意外と電気を食うのが暖房便座なのです。そこで普段使わない夜中の時間帯はこのタイマーを使ってウォシュレットへの通電を止めてしまいます。このタイマーはかなり頭が良くて、曜日別、あるいは一日おきなど、1分単位で8種類のプログラムを組みコントロールすることができます。留守にするときも、ボタンひとつで通電を止めることができます。昼間家を留守にする共働きの家などでも重宝すると思います。
また、我が家ではお尻洗浄用のお湯は、トイレに入ったその都度、最高温で通電し、使い終わったらその都度ヒーターの電源は個別に切るという使い方をしています。慣れるとこれはたいした手間ではありません。これでもだいぶ節電効果があるように思われます。
↑この家はツーバイフォーという工法で建てられています。ツーバイフォーはセルフビルドに適した画期的な工法だとは思うのですが、強いてあげると欠点のひとつに構造用合板の端材がたくさんでるということがあります。それをどうにかうまく活用できないか?と思って作ったのが、この扉付きの棚。3行3列、9個の棚で構成されているのですが、扉を付けたのは8個にして、真ん中下のひとつは飾り棚にしました。扉は合板の端材であることがバレないように深めに面取りをし、わざとデコボコを作ってから、漆喰(しっくい)風のパテで仕上げてあります。トイレにはそれに付帯した必要なものが意外とあるもので、8個の扉付き収納があるとトイレ内が乱雑にならずにすみます。
↑この建物の中で一番最初に仕上がったのはトイレでした。そのためこの頃はまだ大工技術が稚拙で、やり直したいところなどがたくさんあるのですが、でも結局、建て始めてから15年近くもたつというのに、まだお風呂が完成していなかったり(壁がビニール張りのまま)、やれるときに一気にやらないとダメですね。
トイレ全体のイメージとしては、壁と壁の角、入隅(いりずみ)の部分を大きめのアールにして、なおかつデコボコを付けて洞窟風のイメージにしたかったのですが、どうせやるならもっと大胆にやったほうが面白いということがわかりました。
↑大きなデコボコを作るには、スタイロフォームの端材などの発泡材で下地を作り、そこに粗目の骨材の入った石膏系パテ(タイガーのGLパテなど)で大雑把に造形し、その後、細かな仕上げが必要な箇所は石膏系の漆喰風パテを使うと無駄が少なくいいようです。粗目の骨材の入ったパテは厚塗りが可能で、写真のような立体的な造形物を作ることもできます(洞窟の中の化石のつもりなのですが、いちいち説明しないと分かってもらえない(笑))。ただし、厚塗り用のパテは色がベージュ系だったので(もしかしたら今は漆喰色もあるかも)その上からつや消しの白の水性塗料を塗布し、漆喰風パテと組み合わせたりしています。
だめだぁ、浄化槽までなかなか、たどりつかない……。
このあとは「合併浄化槽の構造編」につづきます。