Blog「自給知足がおもしろい」

自給「知」足と称した、貧乏くさい暮らしを楽しむためのブログです。

完璧な自給自足は目指さず、「テキトー」と「いー加減」をモットーにあまり頑張りすぎない、
そんな暮らし方がこの頃なんだか、とてもオモシロイ!と感じています。
自給「知足」的な暮らしは言いかえると「貧乏臭い・ケチ臭い暮らし」でもあります。

でも「ケチ臭いビンボー暮らし」も、そう捨てたものではありません。
ビンボー暮らしは、お金をそれほど必要としない暮らしとも言えます。
そのため、お金稼ぎの作業や仕事に長時間、拘束されずにすみ、
その分の時間を、ヒトが暮らすための作業に使うことができます。

農的で質素な暮らし方が可能で、それにより身近なことで幸せを感じることができたりもします。
また、昔ながらの農的な暮らしは、ヒトも哺乳類の一種として自然の生態系の中で
虫や草や菌類など他のいきものたちと共に生きる暮らし方だったりもします。

そして、こうしたテキトーでいー加減な自給的な暮らしをうまくやっていくポイントは、「知足」? 
人間の欲望は際限がなくてお金をたくさん得られても、たぶんどんなお金持ちになっても満たされません。
でも逆に、小さなちょっとしたことでも、とても幸せに感じられることがあったりします……不思議です。

日々の暮らしの中から「自給知足的な暮らし」を楽しむためのヒント? 
のようなものを、紹介できたらいいなぁ、と思っています。どうか、よろしく。


自分の心を喜ばせる時間を長く持つ……。

 ある日突然、とても美しい女性が山の中の我が家を訪ねてきました。輝くような笑顔の、とても素敵な方でした。そのときちょうど体の調子があまりよくなかったりした(不眠症気味だった)ので、それを相談すると、自律神経の話だとか副交感神経などについて科学的な見地からいろいろ教えていただきました。ちなみに副交感神経を活性化させるためには、ゆっくりと時間をかけて少しずつ息を吐くといいそうです。ヨーガだとか太極拳なんかにも通じるところがありそうですね。このときはじめてお会いした方だったのですが、あとでインターネットで調べたらお医者さんではなくて、観月環さんという気功術の(有名な?)先生でした。
 その方が言われたのです。
「素敵に生きるコツは、自分の心を喜ばせる時間をできるだけ長く持つこと……」
ちょっとカッコ良過ぎな感じもしますが、でもなんだか楽しそうだから、今年はこれで行こうかと思います。
 他人を変えることは難しいけど、自分のことなら自分で変えることは比較的簡単にできる。だから「自分の心を喜ばせる」。そうして自分が変わると、不思議なことに自分の周囲の他人も変わってきたりする……、なんだかとてもよさそうでしょ。

 それともうひとつは「整理整頓」。これも今年の目標です。大晦日の夜、我が部屋を見て唖然としたのでした。断捨離を頭の片隅におき、今回はいつもの年よりもかなり早くから片付けをはじめたはずなのに、大晦日の夜になってもまだぜんぜん片付いていない……。モノを捨てることは、私にはやっぱりなかなかできないのです。
 というわけで今年も、モッタイナイので集まってきたモノはできるだけ捨てず、まだ使えるのに捨てられてしまっているモノを見つけたら、それらもできればひろい集めて、モノを大切に使いながら生活していきたい、と考えています。広い土地に恵まれた田舎で、お金をあまりかけずに豊かに暮らしていくにはやっぱりこれがいいように思うのです。そして地球のためにも。
 ただ、そうした多くのモノに囲まれ、それらを大切に使うには「日頃からの整理整頓が重要!」ということにも気づかされました。どこかにあるはずなのに、どこにあるのか見つからない、ということが何度もあり、思い知らされたのでした。しかもガラクタの整理整頓はそれ自体がかなり楽しい作業なのです。ガラクタを整理しているだけでも、新しいインスピレーションが広がったりします。というわけで、今年は「ガラクタの整理整頓」も目標のひとつにすることにします。

 というような今年の抱負を家族全員がそれぞれ話したあと、(漢方の薬剤師さんからいただいた屠蘇散で作った)濃厚なお屠蘇で乾杯して、おせちをいただきました。

↑森田さんちのグロリアスーパー6のような美しい漆黒色に炊き上がった黒豆。これの決め手は、サビです。
↓かみさんに「サビ釘ください!」と言われ、得意になって集めた各種サビ製品。いずれもいい具合にサビが乗っているのですが、かみさんのメガネにかなったのは、ボルトとナットの組み合わせでした。さすが……。このサビボルトはいまどき珍しいマイナス溝のナベボルトで、由緒正しいアンティークなさびボルトなのです。

↓黒豆同様、見事なくらいに真っ黒に黒染めされていたサビボルトだったのですが、さっき写真を撮ろうと思ったら、早くも再び赤サビが発生し始めていました。この赤サビが酸化第二鉄。黒サビである酸化第一鉄(または四酸化三鉄)は水に溶けにくいのですが、赤サビこと酸化第二鉄は水に溶けやすいので黒豆の鍋の中で鉄がイオン化しやすく、黒豆のアントシアン類と結びついて美しく黒く発色するという仕組みです。古い車をレストアする際によく使用されるサビ変換剤もこれと似たようなものですね。

↓こちらは、卵を産まなくなった親鳥の肉を挽肉にして作った「のし鳥」。廃鶏のお肉はとても硬いのですが逆にそれが、挽肉にするとコリコリ感があっておいしかったりします。

↓ハレの日。ニンジンは飾り切りされます。ていねいに掘り起こされたいただきものの立派なゴボウに、サルの食べ残しの貴重なシイタケ。

↓こちらは大人気の根菜類のマリネ。型抜きしたニンジンの外側も大切にいただきます。しかもこれらの根菜類、ニンジンは嘉山さんからいただいたものだし、レンコンは樋口さんからのいただいたもの。考えてみるとその他も、麻美子さんからいただいたダイコンに、山田征さんからいただいた赤タマネギ、ウチのはニンニクくらいだなぁ。そしてなんといっても決め手はハーレー乗りのフジコちゃんとタケちゃんからいただいた自家製の柿酢、たくさんの人が手をかけてくれたそのコラボレーションでできていると思うとなおさらおいしいのです。しかもその多くがこの地域で「地給」されたもの、あるいは地球の恵みを大切に友人たちが「地給」してくれたもの。ここでの暮らしは本当に多くの人に支えられています。ホントありがたいなぁ。

↓夜はお袋が持ち寄ったおせちと合体してさらににぎやかになりました。なぜか年寄りが持参したものの方が、(若者のことを考えてか)肉料理たっぷり。考えてみると、おせちの重箱というのは、究極のポットラックなのですね。

さあて、ボチボチ、年賀状の続きを書こう!
今年も相変わらず、のろまな、わたなべですが、
どうか、本年もよろしくお願いいたします。