Blog「自給知足がおもしろい」

自給「知」足と称した、貧乏くさい暮らしを楽しむためのブログです。

完璧な自給自足は目指さず、「テキトー」と「いー加減」をモットーにあまり頑張りすぎない、
そんな暮らし方がこの頃なんだか、とてもオモシロイ!と感じています。
自給「知足」的な暮らしは言いかえると「貧乏臭い・ケチ臭い暮らし」でもあります。

でも「ケチ臭いビンボー暮らし」も、そう捨てたものではありません。
ビンボー暮らしは、お金をそれほど必要としない暮らしとも言えます。
そのため、お金稼ぎの作業や仕事に長時間、拘束されずにすみ、
その分の時間を、ヒトが暮らすための作業に使うことができます。

農的で質素な暮らし方が可能で、それにより身近なことで幸せを感じることができたりもします。
また、昔ながらの農的な暮らしは、ヒトも哺乳類の一種として自然の生態系の中で
虫や草や菌類など他のいきものたちと共に生きる暮らし方だったりもします。

そして、こうしたテキトーでいー加減な自給的な暮らしをうまくやっていくポイントは、「知足」? 
人間の欲望は際限がなくてお金をたくさん得られても、たぶんどんなお金持ちになっても満たされません。
でも逆に、小さなちょっとしたことでも、とても幸せに感じられることがあったりします……不思議です。

日々の暮らしの中から「自給知足的な暮らし」を楽しむためのヒント? 
のようなものを、紹介できたらいいなぁ、と思っています。どうか、よろしく。


油田でお食事 「マタギ汁定食」と山の生態系

 締め切り真っ最中でしかもお腹のすいているときに限って、仙人から電話がかかってきます。「早く来おーい、油をみんなクマに食われちまうぞぉー」と。そのたびにあのキノコの天ぷら(山盛り)定食を思い出し、それを顔の先にぶらさげたニンジンにみたてて仕事に励んでいたのでした。そしてきょう、仕事がやっとひと段楽したので、仙人小屋へ天ぷら油の回収に。天ぷらジープでお伺いしました。途中、八ヶ岳横断道の日かげはアイスバーン状態。ジープはノーマルタイヤしか持っていないので冷や冷や。2駆のままだったのでスピードを相当に落としてコーナーに入ったのにちょっとラフにアクセルを入れるとテールが滑りだします。まあ、脇の側溝にでもタイヤを落としたら面倒だから、ジムニー用のスタッドレスの中古でも探そうかなぁ……。J36ジープにジムニー用のホイールがそのまま流用できるそうです。■追記■その後、お隣の樋口さんから「余っているジムニースタッドレスあるから良ければどうぞ」というありがたい申し出をいただきました。少しシャコタンになったけど雪道バッチリです。樋口さん、岡野さん、ありがとうございました。

 で、やっとこさ、ノーマルタイヤでも仙人小屋までたどり着きました。さて、きょうは何を頼もう? 「イノシシ顔面のくんせい」や「けだものうどん」も気になったのですがきょうのオススメは「マタギ汁定食」とのことだったので、私はマタギ汁、かみさんはキノコの天重(これもお重の上に乗り切らないほどのきのこの天ぷらが付いてくる)を注文しました。
↓これがマタギ汁定食! とろけるようなおいしさのシカの肉が1キロくらい入っているのではないかというくらい……圧巻です! 右上は仙人がしとめたというカモの燻製。これもまた絶品。

食後、ネズミ好きの野澤剥製さん(南アルプス市にある剥製屋さんで、動物や爬虫類の生態にもの凄く詳しくて面白い、庭にはアマガエルだけでなくアオガエルも棲んでいて、そのため夏行くとメチャクチャ蚊に刺される)の話になって、そしたら仙人曰く「最近、桃太郎のところにトッポジージョのような(と言われても若い人は知りませんね、「ミッキーマウスのような」と言い替えてもらってもいいと思います)、かわいらしいネズミがでるんだよ」とのこと。桃ちゃんのところに行ってネズミを見せてもらったのですが、ネズミよりも驚いたのは、仙人と桃ちゃんの仲の良さ。ちなみにこのイノシシ、キバもあるオスです。ところがそれが、仙人がブラシを持って近づくだけでひざまずき、体を横たえてブラッシングしてもらう体勢になるのです。しかもその顔がなんとも気持ち良さそう……。

↓こんな顔されちゃったら、たしかに、食べられなくなっちゃうよなぁ。

 本当は仙人、山の「けだもの」たちのことを、抱きしめたくなるほど深く愛しているのだ……ということに気が付いて、なんだか胸にジーンとしみたのでした。
 いま八ヶ岳山系(南アルプス側はのぞく)では、年間8000頭のシカを駆除しないと、シカが増えすぎてしまっていてこの地域の生態系が保てないと言われています。先日甲斐駒から降りてきた山の番人の話では、今の時期にも頂上付近にまでシカがいて、「高山植物は壊滅的だぞ!」とのことでした。でもいま多くの人はシカを食べずに、大量のトウモロコシを使って外国で飼育された牛を食べています。その傾向があまりに極端なために、生態系のバランスが大きく崩れてしまっているともいえます。いま、山の麓に棲んでみて感じるのは、もう少し野生のシカを食べる人が増えてもらいたい、ということ。いま、シカには懸賞金が付いていて一頭殺すと2万円もらえるらしいのですが、シカを仕留めても食べる人がいないため、殺されたシカはその場に放置され懸賞金とひきかえの尻尾だけが切り取られる、という状態だったりするそうです。