完璧な自給自足は目指さず、「テキトー」と「いー加減」をモットーにあまり頑張りすぎない、
そんな暮らし方がこの頃なんだか、とてもオモシロイ!と感じています。
自給「知足」的な暮らしは言いかえると「貧乏臭い・ケチ臭い暮らし」でもあります。

でも「ケチ臭いビンボー暮らし」も、そう捨てたものではありません。
ビンボー暮らしは、お金をそれほど必要としない暮らしとも言えます。
そのため、お金稼ぎの作業や仕事に長時間、拘束されずにすみ、
その分の時間を、ヒトが暮らすための作業に使うことができます。

農的でていねいな暮らし方が可能で、身近なところで幸せを感じることができたりもします。
また、昔ながらの農的な暮らしは、ヒトも一種の哺乳類として自然の生態系の中で
他のいきものたちと共に生きる暮らし方だったりもします。

そして、こうしたテキトーでいー加減な自給的な暮らしをうまくやっていくポイントは、「知足」? 
人間の欲望は際限がなくて、いくらお金を得られたとしても、たぶんいつまでたっても満たされません。
でも逆に、小さなちょっとしたことでも、とても幸せに感じられることがあったりします……不思議です。

日々の暮らしの中から「自給知足的な暮らし」を楽しむためのヒント? 
のようなものを、紹介できたらいいなぁ、と思っています。どうぞ、よろしく。


図解おいしいパンの焼き方(石積み式石窯編)

材料の用意が終われば、あとは30分もあれば製作可能な石積み式・いい加減・石窯の使い方です。作り方に関しては、石釜のつくり方編1作り方編2を、参考にしてください。

 今回焼いたパンは、(今年は小麦の出来が悪かったので)小麦粉500gに対して裏山で拾った栗を150gも入れた、ある意味贅沢なカンパーニュです。酵母は無農薬の干しブドウでおびき寄せて育てた野生の酵母。これを90㏄と、ハチミツをティースプーン一杯、それに塩8gを加えてこねたもの。最近は薪ストーブを焚いているので、夜、ストーブで焼くことが多いのですが、この日は昼間、石窯で焼くため、いつもの一次発酵に加えて冷蔵庫でひと晩、低温でじっくり発酵させました。その後、室温に戻してからパヌトンに入れて2時間、二次発酵。二次発酵の終わる時間にあわせ、それから逆算して30分(夏)から1時間前(春秋)に石釜に火を入れます。

↑まず、メインの火室で火を起こします。スターターは天ぷら廃油のカスを染み込ませたカンナくず。灯油などの化石燃料と違って、天ぷら廃油は燃やしたとき嫌な臭いがしません。これは薪ストーブのスターターとしても重宝しています。
 また、チャッカマンも使い捨てタイプではなく、ガスを充填できるタイプを愛用しています。その方が愛着も湧くし、器用なひとならカセットボンベからもガスを充填が可能だったりします。

↑スターターに火が付いたら、慌てず火の様子を見ながら小枝を一本ずつ重ねて行きます。小枝はあらかじめ手元に用意しておくのですが、いっぺんにくべずに、一本ずつ火の様子を見ながら、ゆっくりくべるのがポイントです。

↑徐々に木の太さを大きくしていきます。ちょっと急いで薪を入れたので、火力が弱くなってしまいました。

↑これは春先、おいしくいただいたあとのウコギの小枝の残骸。トゲがあるのでそこらに放置しておくとヤッカイなのですが、その都度、束ねてクズの茎でしばり、乾燥させておくと炊きつけとして重宝します。

↑ある程度、火が安定してきたら、太めの薪を入れます。

↑この場から離れる場合は、その状態で、入口を絞ります。畜熱性に優れいてるのでフタには正方形のレンガを使いました。こうすると一気に燃えず、釜から離れて他の仕事をしている間もチロチロ燃えて、石釜を暖めてくれます。その後、30分から1時間くらい放置します。

↑放射温度計がある場合、天板の上面の温度を測ってみて200度くらいにあがっていればOK。内部の温度としては300度くらいに暖めます。

↑温度があがったら、メインの火室の薪を上下に振り分けます。

↑オーブン用の鉄のお皿の上に、オーブンペーパーを敷き、パンを並べ、ウォーターポンププライヤーでつかみ石釜のメイン火室にパンを入れます。ウォーターポンププライヤーのこの首の曲がった感じが鉄の皿をつかむのにとても具合がよかったりします。
 最初はメインの火室の床の上に直接、鉄の皿をおきます。ただし焦げすぎる場合は、陶板を入れるなどして調整してください。はじめにパンの底側を熱して焼き固め、あとから上部を焼いた方が、パンは上方に釜伸びしてくれるように思います。上から焼き固まってしまうと、底の部分が破裂してしまうことがあります。

↑外気温にもよりますが、気温の低い時期は石が冷めないように上下の火室もある程度の火力で燃やします。この時期は薪が結構必要で、やっぱり石窯でなく、室内の薪ストーブで焼いた方が、エコロジーですね。

↑またこの時期、火力の調整には乾燥させた栗のイガが便利。ただし雨に当たらないように保管しておかないと、イガは皮の部分に水を含みやすく、煙が多くでてしまうことになります。石窯に使う薪は十分に乾燥していること。そしてタール分の少ない広葉樹であること。木酢液のような嫌な臭いを付けたくなければ、これ鉄則です。

↑10分位したら中の様子を見てみます。こんな感じ「うっすらキツネ色」だったら最高。10分で「こんがりキツネ色」になっていた場合、火力が強すぎです。とはいってもガスや電気と違って簡単には火力は調整できません。

↑そこで中にくべられているパンのほうを冷やし焦げにくくします。霧吹きで焦げやすい部分を濡らしてしまうのです。石が割れないように注意しながら石窯内部に霧を吹いてしまうという方法もあります。


↑10分たって薄っすらキツネ色の場合には大成功。パンの底側は焼けているはずなので、鉄のお皿の下にレンガをかませてパンを天井の石に近づけます。最初はレンガを平置き、その後、横置き、最後は縦置きといった感じで、パンの焼き色を調整します。だいたい焼きはじめから20分くらいでこんがりキツネ色になったとしたらいい感じです。パンのサイズにも寄りますが、10分でこんがりキツネ色になってしまった場合、これでは中までは焼けていません。石窯の温度やパンの表面温度を下げるなどして、もう10分どうにか焼く、あるいは薄切りにしてトーストしてしまうという方法もあります。

↑で、うまくいくとこんな感じに焼きあがります。石窯パンは少し焦げ気味の方がおいしいのですが、今回は栗がたくさん入っているのでその風味を味わうために、焼きは少し甘めにしました(温度が低かったということもあるけど)。

↑パンが焼きあがっても、そのまま何もしないのはモッタイナイから、ドライトマトを作ったり、きのこを乾燥したり、あるいは二回目のパンを焼くため、上下の火室に一度火を入れます。ドライトマトの場合はこのまま1〜2時間、きのこの場合は、そのまま翌日まで火室に入れっぱなしにしてしまうこともあります。このあたりは火や外気温の様子によっても異なるので中身をときどき確認し、調整してください。

↑これはおととい石窯で焼いたドライトマトとクリタケたっぷりのピザ。黄緑色の葉っぱはゴールデンオレガノです。

↑こちらは、そのあと追い炊きして焼いた、デザート。りんごとイチジクとドライブルーベリーのスイートピザ。
 りんごはいただきもので、チーズやベーコンは市販品ですが、イチジクもブルーベリーもトマトもクリタケも小麦も栗も、そして燃料である薪もどうにか自分の家や畑で調達できるようになってきました。地給的な暮らしは、手間はかかりますがお金はあまりかからず、手間を掛けることを楽しみにすることができれば、とても面白くて、おいしい暮らしでもあります。しかしそれにしても自然の恵みは本当にありがたいなぁ。