Blog「自給知足がおもしろい」

自給「知」足と称した、貧乏くさい暮らしを楽しむためのブログです。

完璧な自給自足は目指さず、「テキトー」と「いー加減」をモットーにあまり頑張りすぎない、
そんな暮らし方がこの頃なんだか、とてもオモシロイ!と感じています。
自給「知足」的な暮らしは言いかえると「貧乏臭い・ケチ臭い暮らし」でもあります。

でも「ケチ臭いビンボー暮らし」も、そう捨てたものではありません。
ビンボー暮らしは、お金をそれほど必要としない暮らしとも言えます。
そのため、お金稼ぎの作業や仕事に長時間、拘束されずにすみ、
その分の時間を、ヒトが暮らすための作業に使うことができます。

農的で質素な暮らし方が可能で、それにより身近なことで幸せを感じることができたりもします。
また、昔ながらの農的な暮らしは、ヒトも哺乳類の一種として自然の生態系の中で
虫や草や菌類など他のいきものたちと共に生きる暮らし方だったりもします。

そして、こうしたテキトーでいー加減な自給的な暮らしをうまくやっていくポイントは、「知足」? 
人間の欲望は際限がなくてお金をたくさん得られても、たぶんどんなお金持ちになっても満たされません。
でも逆に、小さなちょっとしたことでも、とても幸せに感じられることがあったりします……不思議です。

日々の暮らしの中から「自給知足的な暮らし」を楽しむためのヒント? 
のようなものを、紹介できたらいいなぁ、と思っています。どうか、よろしく。


火遊びの季節?

 豚肉1kgを得るために資料用トウモロコシがどのくらい必要だか、ご存知でしょうか? 豚肉は比較的効率が良くて7kgだそうです。牛肉の場合は、11kg必要だといわれています。
 逆に一反(約300坪)の畑で得られるタンパク質の量で比較すると、豚肉だと5kg、トウモロコシだと23.7kg、お米だと29.7kg(←タンパク質が意外と多いんですね)、大豆だと39.9kg(←さすが!)、ちなみに牛肉の場合だとわずかに2.2kgだそうです。
 友人の坂本さんから、豚肉と豚骨が送られてきました。坂本さんの農場である桜の山農場では、外国産飼料を使わず、近所の食品会社などからでる残飯、海で集めた海草などを使ってブタを育てています。外国産の飼料用穀類を使って飼育するほうが肥育期間が短くて、手間もかからず儲かるのですが、でも「近所の残飯」にこだわって飼育してくれています。そして不思議なことに外国産飼料を使わず、時間をかけてじっくり育ったブタは、嫌な臭いもないし、なぜかとてもおいしいのです。
 廃鶏をつぶしたり、シカを解体してみたりして……、(脳や神経の発達した)哺乳類の命を奪っているといういたみを感じずにお肉を食べてしまっていいのだろうか?というジレンマもあって、これまでお肉はあまり食べないようにしていたのですが、でも生産者である坂本さんと知り合ってからはおいしい豚肉を分けていただいています。坂本さん、いつもありがとうございます!

 で、豚骨です。一日かけてじっくり煮込んでスープをつくります。ナベにフタをすると臭いがこもるので、外で薪を燃料に煮込みます。燃料はモミガラでもいいのですが、じょうずに燃やすと薪のほうが長くゆっくり燃えてくれるのです。

↑今回使用したのは超省エネ設計の炭焼き薪コンロ。ステンレスの容器の中に薪片が入っていて、空気の供給量を絞りながらチロチロ燃やします(底近くに1本吸気用のパイプが入っているだけ)。酸素の少ない還元状態で薪を焼くので薪はいったん炭化し、炭化の際の未燃ガスも燃焼に使うので、少ない燃料で長時間コトコト煮込むことができるというもの。ポイントは温度を下げないように断熱性に優れたステンレスの容器を使うことと、未燃焼ガスを燃やすために容器の途中に二次空気導入用のパイプが入っています。五徳の真ん中あたりにも、空気穴があいていてここでも未燃焼ガスを燃やしてやろうという寸法。また、五徳の三方の端に、ナベネジを打っておくとナベが安定します。

↑省エネ設計の薪コンロは少ない燃料で長く燃えてくれるのですが、今回は水の量が多いので沸騰するまで時間がかかってしまいました。白濁タイプの豚骨スープを煮出すにはボコボコ高い温度で沸騰させる必要があります。そこで、途中から作戦変更。自動車のブレーキローターを吸気口に使った高効率畜熱型薪ストーブを使います。自動車のブレーキローターには冷却のための穴がいていて、これが薪コンロの吸気口に最適なのです。360度穴があいているので風がどの方向から吹いてきても大丈夫。しかも最近はブレーキローターを研磨して使うことは少なく使い捨てなので、自動車修理工場のゴミ箱からタダでいただくことが出来ます。
↓火力も強く、すぐに沸騰しました。外からは火が見えない、それと畜熱性能に優れているということが高効率薪ストーブの特徴だと思います。

↓レンガで囲んで熱を畜熱するのが特徴ですが、レンガの一部を外せば長い薪もそのままくべることが出来ます。でも、欠点もあって、吸気が入り放題なので、火力の調整が出来ません。いつも、全開バリバリなのです。

 ところで、この薪コンロは、コンクリートブロックの上において使っていたのですが、コンクリートブロックには鉄筋を通すための穴があいています。これを見ていたら、なんだかその穴を使ってみたくなってしまったのでした。コンクリートブロックはホームセンターで市販されているダイヤモンドのディスクを使うと丸ノコで簡単に切ることができます。

↓ブロックをふたつ使って正方形に近い穴を作り、その上にロストル代わりの網材(なにかの電化製品の裏ブタを切ったもの)を載せます。そう言えば、「家電『我が家で』リサイクル法」という記事をそのうち書きたいと思っていたのだけど、いつの間にか書けない世の中になってしまいました。

↓で、あとは、レンガで囲って完成。レンガは耐熱レンガではなく、普通のレンガ(ホームセンターのハネダシ)。コンクリートブロックも軽量ブロックです。また、吸気の入口はレンガをずらしてふさぐことが出来、吸気の量を調整することも出来ます。

↓さっそく点火。レンガやブロックがまだ暖まっていないのに、とってもよく燃えてくれました。

↓ナベを載せた状態で燃焼室を観察してみたところ、吸気口全開だと、炎はまっすぐに立ち登っていました。吸気口のレンガをスライドさせることで火力調整も可能。しかも吸気口が表と裏のニ方向にあるので、風向きが変わっても対処可能。レンガとブロックなので畜熱性も高く、燃費もかなり良さそうです。

↓こうして火遊びをしているうちに、コラーゲンたっぷりのおいしそうな豚骨スープが出来上がりました。坂本ブタは、融点が低くて、エマルジョン化する油が多いように感じられます。だからおいしいのだろうか? 一日煮ると、骨からするりとお肉が外れたりします。明日のお昼は夏のハーブをたっぷり入れてフォーでも食べようかなぁ……。


↑火は、とても不思議、こんな美しい青い文様が炭から出たりします。モルフォチョウの鱗粉のような輝きなのです。
あー、火遊び、楽しかった!