天カスを取りのぞいただけの天ぷら廃油でクルマを動かす基本は、燃料を暖めること。
我が家のポンコツジープでは、軽油でエンジンを始動し、エンジンが暖まってきたら、その熱(排気管の熱)で燃料を暖めています。そのため、最初は軽油でエンジンを始動し、その後、エンジンが暖まってきたら天ぷら廃油に燃料を切り替えるわけですが、ドイツやアメリカの天ぷら廃油カーはこの切り替えに高性能な電磁弁(ソレノイドバルブ)を使っていたりするようです。でも、電磁弁は高価。そこで、写真のような切り替え装置を作ってみました。
↑軽油でエンジンを始動し、エンジンが暖まってきたら、おもむろに木の枝のノブを引っ張ります。すると……。
↑木の枝のノブは緑色のヒモにつながっていて、エンジンルームの中の三方弁のレバーを引っ張る、というカラクリ。ヒモをインパネ側にUターンさせているのは、バッテリーを固定するステーです。ナイロンのヒモを使うと滑りも良くて滑車をつかわなくても引っかかりません。
エンジンを止める前にも軽油に切り替える必要があるのですが、そのときは、もう一方の木の枝を引っ張るとレバーは反対側に引っ張られます。
三方弁がふたつあるのは、燃料供給側配管と燃料タンクへの戻り配管(リターン配管)のふたつの配管があるため。供給側とリターン側でタイムラグをつけ、別々に操作することができます。
ポイントは、レバーに結びつけるヒモの部分を(もやい結びで)ループにして、動きに自由度を与えてあげることでしょうか? このあたりにワイヤーケーブルではなくヒモを使うメリットがあると思います。もやい結びの優秀さにも改めて気付かされました。
それと、真ちゅう製のチーズの真ん中にある小さなプラスネジは「エア抜き」です。チーズにドリルで穴をあけ、タップでメネジを立て、プラスのネジにOリング(自転車のチューブをワッシャー状に切ったもの)を入れると「エア抜きバルブ」が自作できます。
電気的なソレノイドバルブのようなスマートさはありませんが、もしも、どこかで壊れてもどこが壊れたのかわかりやすい、というメリットがあります。また、いま天ぷら廃油なのか軽油なのか、視覚で確認(どちらの木のノブが引かれているか)できるのもありがたい。そしてなにより、三方弁とヒモ、それに木っ端さえ用意すれば、格安で自作できるという点も気に入っています。
ところで、天ぷら廃油をどうやって暖めているか? 興味のある方は、こちらやこちらをご覧ください。現在はこんな感じでフィルターも暖めています。