Blog「自給知足がおもしろい」

自給「知」足と称した、貧乏くさい暮らしを楽しむためのブログです。

完璧な自給自足は目指さず、「テキトー」と「いー加減」をモットーにあまり頑張りすぎない、
そんな暮らし方がこの頃なんだか、とてもオモシロイ!と感じています。
自給「知足」的な暮らしは言いかえると「貧乏臭い・ケチ臭い暮らし」でもあります。

でも「ケチ臭いビンボー暮らし」も、そう捨てたものではありません。
ビンボー暮らしは、お金をそれほど必要としない暮らしとも言えます。
そのため、お金稼ぎの作業や仕事に長時間、拘束されずにすみ、
その分の時間を、ヒトが暮らすための作業に使うことができます。

農的で質素な暮らし方が可能で、それにより身近なことで幸せを感じることができたりもします。
また、昔ながらの農的な暮らしは、ヒトも哺乳類の一種として自然の生態系の中で
虫や草や菌類など他のいきものたちと共に生きる暮らし方だったりもします。

そして、こうしたテキトーでいー加減な自給的な暮らしをうまくやっていくポイントは、「知足」? 
人間の欲望は際限がなくてお金をたくさん得られても、たぶんどんなお金持ちになっても満たされません。
でも逆に、小さなちょっとしたことでも、とても幸せに感じられることがあったりします……不思議です。

日々の暮らしの中から「自給知足的な暮らし」を楽しむためのヒント? 
のようなものを、紹介できたらいいなぁ、と思っています。どうか、よろしく。


原動機付き4輪車というカテゴリー

 長野県の原村で、日本EVクラブ主催、八ヶ岳ヒューマンエナジーの協力による「ジャメ・コンタント・オマージュ」という電気自動車の組み立て講座が行われ、その様子を取材させていただきました。ジャメという車両、それに組立教室というイベント自身もとてもユニークなもので、日本の自動車趣味の世界もついにここまで来たか……となんだかとてもうれしくなるくらいに素敵なイベントでした。このイベントの模様は次号(10月26日発売)のオールドタイマー誌で紹介させていただこうと思っています。
 ところで、今回のイベントの主役であったジャメ・コンタント・オマージュという車両も、そして今回偶然にも試乗させていただくことができたコムスという電気自動車も、道路運送車両法上では原動機付き4輪車(通称、ミニカー)とうカテゴリーに分類されます。
 原付4輪は、総排気量50cc以下(または定格出力0.6kW以下)で、なおかつサイズが全長2.5m以下、全幅1.3m以下、全高2.0m以下である必要があるのですが、このカテゴリーは原付なので車検がありません。しかも、同様に車検のない小型特殊の一般車両が15㎞/h、農耕車でも35㎞/hであるのに対して、道路交通法では原付4輪は原動機を有する普通自動車と分類されるので最高速度は60㎞/hまで許されているのです。オリジナリティがあって、エコロジーなクルマを作りたいという自動車趣味人にとっては、これは素晴らしいカテゴリーのように思えたのでした。

↑これがジャメ・コンタント・オマージュ。世界で始めて時速100㎞/hの壁を破ったクルマがジャメ・コンタント。世界で始めて100㎞/hを超えたのは、ガソリン車ではなく、電気自動車だったのです。外観はそのまま、それを現代の技術でオマージュしたのが今回組立られたジャメコンタントオマージュ。木骨は原村の「風の森」が担当。

↑ボディの下には、ケージ型のスペースフレームがあり、そこから前後共にダブルウッシュボーンが生えているというシンプルながらもマニュアックな構造。上の写真は取り外した状態ですが、角パイプでできたケージ型のフレームの外側には、木質の構造用合板が張られ、セミモノコックフレームのような構成で剛性を増しています。ハイテンションスチールと木の組み合わせというのも、未来的で素敵です。
 動力はネオジムタイプの永久磁石を使ったブラシモーターをツインで装着。フェライト磁石を使ったものに比べ、このタイプのモーターは小型な割りに高出力を発生させることができるとのことでした。自動車の動力を語る場合、今後はこんな風にモーターの特性を語るようになるのかもしれません。

↑こちらはトヨタ車体が作った電気自動車のコムス。後ろを追いかけたのですが、ウチのポンコツJEEPではとても追いつけないほどの加速性能でした。


 隣の芝生かもしれないけど、なんだか原村は素晴らしいところのように思えてきてしまったのでした。村をあげて天ぷら廃油自動車や電気自動車に関する取り組みが行われていたりします。電気自動車の現状での問題点は、長距離の際の航続距離。村内に電気自動車のための急速充電器を備え、電気自動車による観光の拠点作りなどを考えていたりします。今後、エコロジー的な意識の高い人たちを中心に増えるであろう電気自動車の拠点を作ることで、優良なお客さんを誘致したいと考えているようです。
 村内を走ると、剣道のお面のようなフロントマスクのディーゼルラクターがたたずんでいたりしました。このトラクターの動力を天ぷら廃油仕様に改造し、ギア比を変えてスピードが出るように変更し、原付4輪登録できないだろうか?などと、澄んだ空気の広い空の下で思ったのでした。



ジャメのスペックはこちらも参考にして下さい。
musikusanouen.hatenadiary.jp

■超小型太陽光発電所を普及させたい!■


↑移動可能な超小型太陽光発電所?

↑「ルリボシカミキリの青」……いつも見つけるたびに、ハッとさせられます。ルリボシカミキリはなぜこんなにも美しい瑠璃色をしているのでしょうか? 薪を運ぶ手を止め、それを考える余裕のある生活と、スイッチひとつでお湯が供給されるオール電化な生活と、どちらが豊かな生活であるか? それは簡単には比較できないことのように思うのです。

 費用が何百万円もかかる電力会社に売電するようなシステムではなくて「1万円くらいの費用から始められる(自分で作る)超小型ソーラー発電所?!」というのを普及させたい、と、いま強く思っています。そのための材料探しを始めました。この時期なのでソーラーパネルやチャージコントローラーなどは手に入りにくいのですが、でもいまどんどん輸入されているようです。もともと日本はソーラーパネルが得意分野だったのに、原発を推進し、個人による自作を良くないことのように言ってきたのでいまは小型の製品の多くは、残念ながら海外からの輸入品です。
 独立型は構造が簡単だし、自分で理解しながら作れるので、作ることも楽しめると思います。廃バッテリーを使った小型の「おかもちタイプ」なんかもオススメです。そうやって苦労して自分で作った電気は、それを使うにしてもなんともいえない喜びがあったりします。作ることを自分でやってみると、それを使うのも大切にする気持ちが生まれると思うのです。

↑●インバーター:直流電流を交流電流にする装置で、これがあると自動車用のバッテリーから家庭用の100V交流電流を取り出すことができるようになります。でも交流にコンバートせずに直流のまま使えば変電ロスもないし、それもいい方法だと思います。12Vのシステムであれば自動車用の製品が使えるわけです。

↑●ソーラーパネル:最近は高性能なパネルが安く手に入るようになってきました。5000円で5ワット程度の新品、しかもそれが発電能力に優れたアモルファスタイプ(曇天の日や蛍光灯でもある程度発電できる)を手に入れることができたりします。中古も増えてきて、1万円くらい出すと50ワットくらいの大容量のものが手に入ってしまったりします。あ、でも、最初から欲張らないことも大切です。
●チャージコントローラー:ダイオードの入っていないパネルの場合は、夜などパネルが発電していないとき電気が逆流してしまいます。また、過充電を防止したり、太陽光が強すぎて電圧が高すぎる場合にそれを調整したりする必要があります。そうしたことを調整してくれるのがチャージコントローラーです。以前はとても高価でしたが、最近はこれもとても安くなってきました。小型のものであれば1000円以下で手に入れることができます。
閑話休題■自作溶接機
 
↑充電された自動車用バッテリーが3つあって、それを直列でつなぐと36ボルトの電圧を作ることができ、36ボルトあるとアークが容易なので鉄の溶接ができます。バッテリー溶接機はベースが電池なので、突入電流が大きく取れるので100Vのアーク溶接機よりもはるかに使いやすい溶接機だったりします。鉄の溶接ができるようになると、工作の範囲がぐっと広がります。自給的な暮らしがますます楽しくなったりします。いつかこのあたりのことも、ぜひ紹介させていただこうと思っています。

 放射線のように目には見えにくいことだけど、もしかしたらボクたちは、エネルギー会社にお金を上納するするために働かされているのではないかと思うことがあります。このこともいつか具体例をあげてしっかり紹介したいと思っています。衣食住と共に、エネルギーの地給知足は、とても大切なことだと思うのです。しかもこれらを実際にやってみると、とても面白くて楽しいことだったりします。たしかにこうした自給エネルギーは少し不便なところがあります。薪は伐ったり割ったり乾かしたり運んだり、天ぷら廃油自動車も廃油を集めたり、ゴミをろ過したり、エンジンに熱交換器を取り付けたり……確かに不便なことは多いです。
 昔のような不便な生活にはもう戻れない、というひとが多いのだけれども、でも実際にこうして不便ながらもエネルギーの地給知足を実践してみると、不便なことは不幸なことと同じではない、ということに気が付きます。薪作りはたいへんだけど楽しいのです。
 薪棚に薪を積んでおくと初夏、ルリボシカミキリという美しいカミキリムシが羽化します。心に余裕をもち薪仕事をすることができると、長い時間かかってルリボシカミキリは人の生活に寄り添うようにその生態自身を遺伝子レベルで変化させてきたということに気が付きます。それを進化といういう人もいるけれど、それは長い長い時間がかかっての淘汰による変化、ある意味、長い時間を経過した末の物理的な変化であると私は思っています。しかし我々の生活はここ100年くらいという(生物学的にはもの凄い)短い時間で猛烈に変わってしまいました。石油という便利な化石燃料を手に入れたことで我々の生活は猛烈なスピードで変わってしまいました。その変化のスピードはあまりにも急激過ぎて、人の生活に寄り添って生きてきた生き物たちは生きていくことができなり次々に絶滅の危機に瀕しています。
 メダカもそうだし、ホタルもそう、オオクワガタも、ひとが稲を育てるようになって(田んぼに刈敷きを行うようになって)あのような立派な姿に変化した、と言われています(八ヶ岳在住、山口進さんが書かれた「米が育てたオオクワガタ」は素晴らしい)。ひとが急激に生活を変えてしまうと、自然の生態系のバランスを支えている生物の多様性が失われてしまうのです。
 地元にある食堂で、勇気を出して天ぷら廃油を分けてもらえないか?と尋ねたら、それが素晴らしい多くの出会い発展したなんてこともあったりしました。
 生活が不便になることは決して、生活が不幸になることと同一ではないのです。生活が不便になるということは、それだけていねいに暮らすことができるようになるということ。「ひとが暮らす」ということを原点に戻ってていねいに実践してみると、なぜだかそれはとても面白くて、豊かな気持ちになれるのです。そしてこの感覚は途上国と呼ばれる国に行くたびに感じることでもありました。


↑以前取材させていただいた浦田式「小型太陽光発電所兼太陽電池自動車」。移動可能で角度も調節できるので、効率よく太陽光を受光できる。家庭配線につなぐことで家庭に電気も供給できる。できるだけ太陽光で発電した電気を使用し、バッテリーの電圧が低くなったら、電力会社からの電力に切り替える、という方式。
 でも、浦田さんはこんな大きなものを作るのではなく、小型のものをたくさん作るほうがいい、とおっしゃる。今回の原発事故があり、久しぶりに浦田さんとMLを通じて情報を交わしました。浦田さんによると「高価な1500ワットのインバーターをひとつ買って運用するより、安価でシンプルな120ワットのインバーターを4個買って家電単位で独立系にすることを勧めます、とのこと。そして「みんなでどんどん自家発電をやって、原発を倒産に追い込みましょう! 」との熱いメッセージをいただきました。


↑超小型太陽光発電所、やっとどうにか形になってきました。直流を交流に変換して使用する方法と、直流をそのまま変圧して使用する方法(パソコンなどはこの方がたぶん正解)両方使えるようになっています。