Blog「自給知足がおもしろい」

自給「知」足と称した、貧乏くさい暮らしを楽しむためのブログです。

完璧な自給自足は目指さず、「テキトー」と「いー加減」をモットーにあまり頑張りすぎない、
そんな暮らし方がこの頃なんだか、とてもオモシロイ!と感じています。
自給「知足」的な暮らしは言いかえると「貧乏臭い・ケチ臭い暮らし」でもあります。

でも「ケチ臭いビンボー暮らし」も、そう捨てたものではありません。
ビンボー暮らしは、お金をそれほど必要としない暮らしとも言えます。
そのため、お金稼ぎの作業や仕事に長時間、拘束されずにすみ、
その分の時間を、ヒトが暮らすための作業に使うことができます。

農的で質素な暮らし方が可能で、それにより身近なことで幸せを感じることができたりもします。
また、昔ながらの農的な暮らしは、ヒトも哺乳類の一種として自然の生態系の中で
虫や草や菌類など他のいきものたちと共に生きる暮らし方だったりもします。

そして、こうしたテキトーでいー加減な自給的な暮らしをうまくやっていくポイントは、「知足」? 
人間の欲望は際限がなくてお金をたくさん得られても、たぶんどんなお金持ちになっても満たされません。
でも逆に、小さなちょっとしたことでも、とても幸せに感じられることがあったりします……不思議です。

日々の暮らしの中から「自給知足的な暮らし」を楽しむためのヒント? 
のようなものを、紹介できたらいいなぁ、と思っています。どうか、よろしく。


耕運機の爪を幸運爪に交換。

「ここまで使い込んだ耕耘爪、初めて見たよ!」と近所の農家の方から呆れられるほどに摩耗し、チビてしまったトラクターの耕耘爪の交換作業をしました。その備忘録です。

 

f:id:musikusanouen:20180509231404j:plain

はてさて、これ(下の写真)が問題の耕耘爪。
黒くて少し曲がった「ネクタイ」のような形のモノが新品の耕耘爪で、その上下にあるフック船長の「フック」のようなものが、燃える男の赤いトラクター(そんなこと言われてももう誰も知らんよね)にきのうまで付いていた耕耘爪。
f:id:musikusanouen:20180509231411j:plain
⇧トビや、木まわしや、ログトングを作ろうと思ってここまで使い込んだ、というわけでは(残念ながら)ありません。

ところで、トラクターの耕耘爪は規格統一がされておらず、種類がいくつかあります。コメリで売っている安い耕耘爪(1枚298円税込)が合うといいなぁ、と思いつつもサイズを図ったら、取付部の幅24ミリ、厚み8ミリ、までは合っていたのですが、取り付け端部からボルト穴の端までの距離(下の写真のノギスの位置の寸法)がコメリオリジナルは19ミリ。一方、虫草農園の燃える男の赤いトラクターに付いていた刃は15ミリ前後だったのでした。

f:id:musikusanouen:20180509231414j:plain
⇧この距離(爪の端から穴の端まで)が付いていたものとコメリの廉価品とは4ミリも異なるのでした。

そんなわけで仕方なしに、ヤンマーのロータリー、RS1300用純正品を購入(正確には純正品と互換性のある社外品を購入)。
そして届いた刃を見て、驚いてしまったのでした。新品はこんな形だったのかぁ、と。

f:id:musikusanouen:20180509231421j:plain
⇧フック船長のフックとは、まるで別物のように思える形態。

と同時に届いた爪はヤンマーの純正品と互換性のある爪、とのことだったのですが、測ってみたら、端部から穴端までの寸法は19ミリでコメリの格安品と同じ寸法だったので、ここでも驚いてしまいました。
ええー、コリャまずいなぁ、と思いつつ、とりあえず取付部に挿してみたのですが……、4ミリも違うのだから合いません。でも取付部には土やゴミが入っている感じがあったので、マイナスドライバーで掃除してみることに。

f:id:musikusanouen:20180509231428j:plain
するとどうでしょう! (ボルト穴までの距離)19ミリの耕耘爪でも、ちゃんとに入るではありませんか! 
良かったぁ! ホッとして、なんだか幸せな気持ちになったのでした。 
こんな些細なことでこんなにも幸せな気分にしてくれるなんて、素晴らしい!
さすがは、「幸運爪」。 

f:id:musikusanouen:20180509231433j:plain
⇧これは結構、ナイスなネーミング。

 

 ところで幸運爪は、ボルトの軸径10ミリ、スパナサイズ17ミリのかなり頑強なボルト&ナットで取り付けられているのでした。その部分にあらかじめ浸透潤滑剤を塗布し、浸透するまで少し時間をおいてから作業を始めたのですが、しかもそれでも2分の1角の普通のラチェットハンドルでは回せないくらいに固着してしまっているものも多く、ラチェットハンドルの柄にパイプを延長して作業を行いました。

f:id:musikusanouen:20180509231443j:plain

しかしなかには、ねじ切れて折れてしまうものも。
f:id:musikusanouen:20180509231457j:plain
爪の固定はボルト&ナットで、本体側に六角の溝が切られていてそこにナットがハマり、まわり止めになっている構造なのでボルトが折れても、外すことはできるのですが。
f:id:musikusanouen:20180509231500j:plain
この部分がスタッドナットだと困るけど、ボルト&ナットによる締結なので、爪がはずれないわけではなく、その点では親切設計と言えそうです。

f:id:musikusanouen:20180509231448j:plain
⇧こんな感じでボルトが折れても雌ねじ側も外れてくれます。

なぜ、ボルトがネジ切れてしまうのか? 原因はなんとなく分かっています。
コレです。ボルトの首下長さが長すぎて、ボルトのネジ山がナットから出っ張ってしまっているのです(以前の交換の際、汎用の長めの固定ボルトを使ったのではないかと推測)。

f:id:musikusanouen:20180509231451j:plain
⇧この手のボルト&ナットを外すには、突き出ているボルト軸に浸透潤滑剤をスプレーし、その後、ワイヤーブラシでガシガシやってサビを除去してから作業をするのが定番。しかしこの部分、石などが跳ねて当たるためか、よく見るとネジ山が変形してしまっています。ナットからボルトの軸が突き出てしまっているので、その部分がサビやすく、しかも土や石や草で擦れる部分なので、ネジ山が変形し、雌ねじ部分を通りにくくしてしまっています。クルマの下回りなど錆びやすい部分でもナットからはみ出てしまう長すぎるボルトの使用は要注意です。

で、対策をしてみました。中古品ではあるけれど、軸の短いボルトに変更。

f:id:musikusanouen:20180509231504j:plain

f:id:musikusanouen:20180509231508j:plain
⇧こうなっていれば、ゆるめる時にネジ切れることはまずありません。

f:id:musikusanouen:20180509231511j:plain
ちょうどいい長さのボルトが見つからないときには、こんな風にワッシャーを多めに入れて調節するという裏技もあります、が、ロータリーの爪の固定でやると、この部分に草が絡みやすいのであまりオススメではないかなぁ。

閑話休題
トラクターや管理機(小型の耕運機)などの爪の部分に糸巻きのように巻き付いた草たち、これらを取り去る際、「まわし挽きノコ」があるととても便利です。百均でも売っていて、それでも十分。鎌などを使うよりもかなり楽ちんにとれます。

f:id:musikusanouen:20180509231439j:plain
⇧ノコの背側(ギザギザのない側)を耕運シャフトのキワ、絡んだ草の中に突っ刺し、その後、ノコギリで木材を切断するように外側に向けて切っていきます。この方法だと、ノコ刃とシャフトや爪が接触せずに済むのでまわし挽きノコも傷みません。



ついでにもうひとつ、耕運爪の取り付けナットの角が舐めかかっていて空回りしてしまう場合の対処方法。

f:id:musikusanouen:20180509231516j:plain
⇧貫通タイプのマイナスドライバーを隙間に打ち込みます。これ、古い車のレストアをやっている人の間ではよくやる方法。なめたナットと六角メガネなどのレンチの間に刺す方法もあります。

耕運爪は取り付け方で耕運の形状を変更することが出来ます。今回は、標準的な平面耕にセットしました。

f:id:musikusanouen:20180509231518j:plain
追記:
とにかく平らにしたい、という思いばかりが先行してしまい、平面耕しか考えが及ばなかったのですが、「わざと溝を作るこんなやり方もあるよ」と教えていただきました。これでうまく排水路を確保してあげると、稲刈りのときの水切りも効率良さそうです。気が付かなかったなぁ。なるほどねぇ。

f:id:musikusanouen:20180509231406j:plain

⇧こんな感じで、半分、フックというでもいいのではないか? などとケチくさいことを思いながらも、一応、全部交換しました。

f:id:musikusanouen:20180509231523j:plain
⇧ある程度緩んでしまえばあとは、こんな感じのアングルアタッチメントがあるとスピードアップがはかれます。

f:id:musikusanouen:20180509231529j:plain
⇧見違えるような光景。交換前の写真を撮っておくべきだったなぁ。

写真を整理していたら、少し前だけど、爪交換前の写真がでてきたので追加で貼っておきます。

f:id:musikusanouen:20180604110919j:plain
⇧交換前はこんな感じでした。

f:id:musikusanouen:20180509231531j:plain
⇧トビや木まわし、ログトング、ティンバージャッキなどがたくさん作れそう。刃物にもいいかも(たくさんあるので欲しい方、さしあげますよ)。

f:id:musikusanouen:20180509231536j:plain
⇧そして復活した「燃える男の赤いトラクター」天ぷら廃油仕様。
2駆だけど、デフロックが付いているので、畑はもちろん、水を張った田んぼの「代掻き(しろかき)」にも使えます。このくらい古いトラクターだと、10万円以下、うまくすると4~5万円くらいで手に入ります。しかも構造がシンプルなので、素人にも修理もしやすいというメリットもあり、古いディーゼルエンジンなので天ぷら廃油で走らせることも容易、オススメです。
自給的な暮らしは何をやるにもそれぞれに時間がかかる暮らし方で、多くのことに自給的に取り組むには(残念ながら)それぞれの効率を考える必要があって、すでにこの世に存在し廃棄されてしまいがちな中古の機械をうまく上手に使う、ということも、大切というか、重要なことなのかもなぁ、なんていう思いもあります。
うまく機械を使うことで時間が節約できた分、その時間を使って別のことを自給的に行うことができるわけで……。

f:id:musikusanouen:20180509231539j:plain
⇧公道を走ることもあるので、いちおう(脱税にならないように)2タンクで燃料配管をラジエターの中を通すなどの熱交換器付きに改造してあります。でも、田んぼや畑専用機だったら天ぷら廃油と灯油の混合燃料でOK。
天ぷら廃油仕様への改造に関して詳しくは、こちらを参考にしてください。

musikusanouen.hatenadiary.jp

ユキヤナギとレンギョウの剪定

春一番に花が咲くユキヤナギレンギョウは、花芽の分化が早いので、剪定をする場合、花が終わったらできるだけ早めに切ってあげるのがいい、と言われています。
去年、おととしと剪定ができず大株に生長していたユキヤナギレンギョウの剪定をしました。

f:id:musikusanouen:20180501215638j:plain

⇧ヒトの背丈ほどにもなってしまったユキヤナギの大株。まずは根本を見ることができるように株立の一部を切り取り、穴をあけます。
f:id:musikusanouen:20180501215645j:plain
⇧こんな感じで穴が空きました。これでどの枝をどこで切るか見当をつけることができます。

f:id:musikusanouen:20180501215642j:plain
⇧こうした作業のときに重宝するのがこの手の高枝切り。ロッドによるリモートで竿の先の剪定ばさみを手元で操作することが出来ます。手で握るタイプが多いですが、腕でストロークさせる写真のタイプの方が太い枝を伐ることが出来ます。

f:id:musikusanouen:20180501215700j:plain
⇧ふと枝切りでザクッと切った後、手ノコで調整します。

f:id:musikusanouen:20180501224010j:plain
⇧こちらは剪定後のレンギョウ。ヒトの背丈よりも高くなってしまっていて、周囲のワレモコウの日当たりが悪くなり弱ってきていたので、こちらもかなり切り詰めました。



f:id:musikusanouen:20180501215651j:plain
⇧クズやアケビなどのツル植物が絡みついてしまっている場合は、大鎌(おおかま)が便利。本体の剪定前にまず、絡んでいるツル植物を切り刻みます。

f:id:musikusanouen:20180501215656j:plain

⇧軽トラの荷台がまるで花器のようになってしまいました。軽トラはいろいろと可能性を秘めています。

f:id:musikusanouen:20180501223545j:plain
⇧剪定前。
⇩剪定後。

f:id:musikusanouen:20180501215707j:plain

結局、軽トラの荷台3台分の剪定枝が出ました。
風雨にさらしておくスペースがあれば、細枝や葉は腐葉土になるし、残った枝は焚きつけになります。

f:id:musikusanouen:20180501215712j:plain

ハヤトウリ=センナリ=サヨーテ

 外国産果物の段ボール箱をスーパーマーケットからもらってきて、根菜類の保存箱として使っています。日本の段ボールと違って、外国の農産物の段ボール箱はデザインが美しく部屋に置いておいても目障りにはならない上に、通気性に優れ、野菜類を保管する上でかなり機能的だったりするのでした。
 そんな根菜類のストック場所が洗面台の前にあって、段ボールがタワーのように積み重ねられています。
中に入っているのはてっきり、ジャガイモだと思っていたら、どうも違うみたい。

↑巻きヒゲを伸ばしながら、つかまるものを探しています。中を見たらハヤトウリでした。

ハヤトウリは、たくさん実ることから「センナリ」などとも呼ばれ、日本ではそれほど人気がないようなのだけど、フィリピンではサヨーテという名前で呼ばれていて、とてもポピュラーな野菜とのことです。
娘によると、巻きヒゲも美味しいらしく、フィリピンのローカルマーケットでは束ねて売られているとのこと。

↑こんな感じで洋梨のような美しい緑の果実が実ります。

↑キュウリを押しのけ、キュウリの支柱を占領し、それでも足りなくて、虫草農園のシンボルツリーであるエノキに這い登るハヤトウリ。


ときどきイベントなどでフィリピンの家庭料理として屋台出店させてもらっているチキンティノーラにも欠かせない野菜。

↑奇跡の植物などとも呼ばれるマルンガイ(=モリンガ)(ピカレからもらったタネが発芽して育った)の葉とフィリピンの魚醤「パティス」で味付けされたチキンティノーラ。ハヤトウリの若芽も入っています。

↑フィリピンの家庭料理で、優しい味の汁かけご飯。緑色の大根のような具がサヨーテです。
チキンティノーラに関しての詳しくは、こちらからどうぞ。
musikusanouen.hatenadiary.jp

■ハヤトウリを使ったその他のレシピ■


↑こちらはハヤトウリを容器に見立てた創作料理。
お肉やきのこ&チーズがたっぷり入ったミートソースを投入。美味しかったです。

レシピの検索は「ハヤトウリ」より「サヨーテ」の方がエスニックなレシピがいろいろヒットするので正解のように思います。


こちらはサヨーテ入りのポテトサラダ。
このあと、芽が出た果実は、土を入れた鉢の上で春まで室内で保管し(根も出ます)、暖かくなったら露地植えにしてあげると、猛烈な生命力で成長し、千個とまではいかないけれどもたくさんの実を着けてくれます。
収穫した実は冷暗所におけば日持ちもいいし、ジャガイモや白菜、大根などと共に我が家では、冬にいただくことのできるとってはありがたい果実なのでした。

野良着を考える。第一回目は 「長靴」

 突然ですが……農的で自給的な暮らしをする人たちで、機能的な野良着について情報交換したいと思いました。
 アウトドア雑誌やネット上のメディアサイトにオススメGoodsなどがいろいろ紹介されていたりもするのですが、たいていの場合、この種の記事は広告絡みやタイアップだったりで、「実はもっとオススメの製品があるんだよなぁ」と思いつつも、そのことを書きにくかったりするようです(以前、ちょこっとそんな思いをしたこともあります)。
 幸いいまはスポンサーもいないしシガラミもないので、このブログとコメント欄を使って実際に使っている人からの情報を集め、実用的な野良着について情報をシェアできたら良いなぁ、と思いました。
 ということでとりあえず叩き台として、前回のブログ「長靴の修理方法」でちらっと紹介したわたなべの独断と偏見に満ちた「長靴」たちをいくつか紹介したいと思います。


 今の時期、外仕事をするときはたいてい、メインパックブーツ(Maine Pac Boots)と呼ばれるこのビーンブーツを愛用しています。

 良いところをまず紹介すると、とにかく暖かい。そしてその割に蒸れにくい。インナーが着脱可能。
また、ヒモを緩めに縛っておけば、靴の脱着が容易であるという点も気に入っています。家で仕事をしていると、家の中と外を行き来することが多く、そうした際、ヒモをほどいたり緩めたりしなくても、かかとをなにかに軽く引っ掛けるだけで脱ぐことができ、はくときもふくらはぎ側のベロを片手で抑えてあげればスッと足を入れることができます。
 さらに、通常のビーンブーツと違ってソールがチェーンソールでなく、雪や氷や濡れた床の上でも滑りにくいビブラム風のソールという点もありがたい(すり減ったら剥がしてスタッドレスタイヤトレッド面を貼り付けられそう?)。
ただし欠点もあって、靴底に土がハマりやすく、それがそのうち落ちてワッフルのような土の塊が、テラスの上や玄関の中に散在してしまい、玄関の中がこうして持ち込まれた土で汚れます。

 この手のビブラムソール風のビーンブーツは、このモデルの他にもあるのですが、メインパックブーツやオリジナルのビーンブーツとはラバーの部分の素材が異なり、発泡ウレタン系?の軽い素材のものは、縫い目の部分でゴム側が切れてしまったことがありました。

↑ラバー部分が発泡ウレタン系?のものは、LLBeanの製品であってもラバーの部分で切れてしまい、修理が難しかったりします。

↑一方、メインビーンブーツと共通のこのラバーモカシンの素材はとても丈夫。夏の外出時はもう20年以上このラバーモカシンを履いているのですが、丈夫で、着脱が簡単で気に入っています。

↑ただ欠点もあって、LLBeanのラバーモカシンはチェーンソールと呼ばれるソールパターンで、すり減ると雨の日や雪の日、あるいは濡れた床などでかなり滑ります。


 そしてこちらは夏用の長靴。マルゴというメーカーの食品加工や給食を作ってくれる方たちが使っている(ことが多い)白の半長靴(耐油性長靴)で、真っ白であんまりカッコがよくないから、モスグリーンに塗装したら、それが禿げてきてしまい余計にかっこ悪いのだけれども、丈夫で壊れないから捨てられない、という逸品。

 半長靴はサンダル感覚でスッとはけるのがメリットです。マルゴでは同じモデルの色違いバージョンで黒もあるので、次に買うときには黒を買って見ようかと思っているのですが、夏、ほぼ毎日履いているのに切れずに丈夫です。はたして黒も、白と同様の耐久性があるのだろうか?
 
↑娘はこんな風に絵を描いてみたりしてるけど、足元が白っぽいのはそれでもなんとなくちょっとしまらない感じ。


 そしてこれはアトムの「隼人」という長靴で、田植えのときにはく長靴です。

 小学生の頃からのオールドタイマー読者で、古いテーラーや農耕車などの愛好家で、好きがこうじて?クボタに就職し、いまや鉄米の専門家である小口さんのオススメでもあります。「シーズン中は毎日田んぼ作業で仕事で使っているけど安い田植え長靴の倍持ちます」とのこと。
 内側が吸湿&速乾性に優れた素材で、靴底も空気の循環を促す構造になっているとのこと。そういえば靴底(内側)が凸凹していて蒸れない、という構造はマルゴの長靴も同じで、健康サンダル以上に凸凹がしっかりしているので慣れるまでちょっと痛いくらいでした。

↑田植え長靴を長く持たせる隠れた秘訣はブーツスタンドを使用すること(写真のものはダイソーで100円)。折れ曲がった状態でクセがつくと折れた部分からひび割れてしまいます。
 また、「田植え長靴は(紫外線などで)劣化しやすいけれども、タイヤワックスをスプレーしておくと持ちますよ」との情報を桜の山の耕太郎さんからいただきました。クレがラバープロテクトというスプレーを出しているけど、タイヤワックスの方が廉価でいいですね。


 ついでに家族が愛用している野良靴をちらっと紹介。こちらは娘が愛用しているアトムのグリーンマスター。ウエットスーツなどに使われているネオプレーン風の素材でできています。そんなに長く履いているわけではないけど、まあまあかなぁ……、とのこと。電車での移動などで折りたためる(丸められる)というメリットがあったり、田植え長靴としても使えるし(ふくらはぎのベルトをしっかり締めれば田んぼの中で脱げにくい)、結構気に入っている様子。

秦さんからのメッセージを転載します。
「グリーンマスターを愛用しています。僕が主に使っているのはショートタイプ。この長靴にヒールがないので麦踏みしても麦を痛めません。冬は暖かいのですが夏は蒸れるので履いていないです。山に履いて行くと竹の切り口などで裂いてしまいますが、ウェットスーツの補修剤で直せます。」


 で、こちらはさとみさんのアイテム。30年以上も前に買ったラバーモカシンをいまだに履いている(でも夏と冬とで靴下の厚さが違うので2つある)のさとみさんの冬のアイテムはこのふたつ。

↑5年くらい前に買ったメインビーンブーツ(インナー付き)。温存しているせいか、まだ靴底はそんなに減っていません。

↑こちらは創業1897年というラバーブーツの老舗LaCrosseの長靴で、買ったのは家を建ててた頃だから、もう20年くらい前。重いけれども丈夫で暖かくて、大雪が降ったときにはコレ、だそうです。
 
↑素材にThinsulate Ultraの800Gが使われていたり、たしかに細かな部分までなかなかしっかり作られている長靴ではあります。

長靴の修理

 1年中、ほぼ毎日、長靴をはいています。
暖かい時期は、マルゴ(というメーカー)の耐油性半長靴(素材がPVCでとにかく丈夫、しかも軽いので走れるし、半長はサンダル感覚で履けて蒸れにくい……でもイマイチかっこ悪い)。
寒い時期は、LLビーンのMaine Pac Boots(とにかく暖かくて、ゴムの部分はビーンブーツと同じ素材で、底は滑りやすいチェーンパターンではなくビブラムソール風)。
雪が降ったらスパイク底のインナー付き長靴(スタックしたクルマを押すにもスパイク底だと力が入ります)。
田んぼに入るときは、クボタの小口さんオススメのアトムの隼人(田植え長靴なのに丈夫)、そして解体屋さんや廃材、石を扱うときは、ワークマンの先芯入り安全長靴。
ってな感じで、年柄年中、長靴をはいているわけですが、さすがに使用頻度が高いと長靴も壊れます。
 で、今回、愛用の先芯入り安全長靴が切れてしまったので、チューブタイヤのパンク修理法を流用した修理方法の紹介です(いつもながら貧乏臭い技術の紹介でスミマセン)。

 切れるところはだいたいいつも決まっています。座るときに折り曲がる部分に負担がかかり切れてしまいます。

↑切断面に瞬間接着剤を塗って、ヒビを閉じる、という方法もありますが、今回紹介するのはもう少し耐久性があって本格的な方法です。

↑上からゴムを貼り付けて補修するのですが、貼り付けるゴムの大きさよりも大きめに表面を荒らします。時間を節約するため、普段、電動グラインダーを使ってしまいますが、手作業だけで行うほうが確実ではあります。というのも、熱でゴムの表面が溶けてしまうと、ゴムが変質してしまうらしく、接着力が劣ってしまいます。熱で溶けてしまった場合も、その部分をサンドペーパー(空研ぎペーパーがベター)で手で研いであげればOKです。

↑貼り付けるゴム板(パッチ)は、捨てずに取っておいた自転車のチューブから大雑把に切り取り使用します。パッチ側も長靴側と同様、接着面を荒らします。自動車のタイヤチューブでもいいのですが、薄いほうが曲げたときの違和感は少なくなります。

↑接着するゴム板を適当な大きさに切ります。このとき、ハサミを斜めに傾け、できるだけ切断端面が薄くなるようにすると剥がれにくくなります。

↑接着面にパンク修理用の接着剤を広めに塗布します。そしてその後、表面が乾くまで1〜5分ほど、放置します。

↑パッチは自転車用のパンク修理用パッチでもいいのですが、長靴と相性が悪く、付きにくいものもあります。

↑パッチを貼り付けたら、長靴の内側に当盤(あていた)をあてがい、表側から鈑金ハンマー(の丸い方)で叩き、しっかり密着させます。

↑鈑金ハンマーや当盤がない場合は、石ころと普通のトンカチでもOKです。金槌は、仕上げ打ち面(=緩い球面になっている側)の方が周囲を傷つけず叩くことができます。

↑パッチの周囲にも接着剤(この場合は融着性がより強い塩ビパイプ用がいいかも)を多めに塗布し、完成。

季節の作業、厳冬期前の土方仕事

 気合いを入れてスコップで穴を掘るのが好きです。夏にはやりたいとは思わないけれど、この時期は薪割りと共に、体を中から暖めてくれます。
 とはいえ、いまはそんな悠長なことを言っている余裕はなく、季節に追われるように土方仕事に精を出しています。このあたりは寒冷地なので、もう少しすると土が凍ってしまうのです。土が凍ると、土に穴を掘るのにツルハシや削岩機が必要になります。
 そんなわけでまずは、兼ねてから気になっていたJRコンテナの移動。ひとスパン、南に移動します。

↑JRコンテナは頑丈だけど重くて、ウチのユンボのアームではこれを持ち上げることはできないのですが、排土板のシリンダーであればうまくやると持ち上がります。コツは支点の位置をうまくセットすること。

↑端と端で持ち上げようとすると持ち上がらないのだけれど、こんな風に真ん中よりに支点を作ってあげれば荷重が小さくなるので排土板でリフトさせることができます。コンテナとユンボを鎖でつなぎ、リフトさせた状態で引っ張るとどうにか動きます。

↑日が暮れてしまい、気合いを入れて穴掘り。

↑凍結深度(40cm)より下に平らな石を敷き、その上にコンクリートの石柱を建てました。


 畑にも今のうちに点々と穴を掘っておきます。

↑冬の間、台所で嫌気発酵させた生ゴミや落ち葉などをいけるための穴です。


 若者は、土手に石を積み、自然石での土留めに精を出しておりました。

 ハーブ主体のロックガーデン&石垣イチゴの畑になるそうです。

 ヘビやトカゲ、それにオサムシなんかも喜びそうだなぁ。

季節に追われて……なんて、季節のせいにしているけれど、この手の作業はその気にならないとなかなかできず、実は季節に背中を押してもらっている、とも言えそうです。

ガビチョウのさえずりと共に

昔、シンガポールを旅行した時のこと。
宿は現地で探すのが楽しいので、普段は予約をしないのだけれど、そのときは家族旅行だったし着いたその日にホテルを探すのがちょっと億劫だったので日本から予約ができる少しいいホテルの予約をしてでかけたのでした(とはいえ5000円くらいの部屋にエキストラベッドを入れてもらって家族三人で泊まったのですが)。


オーチャードストリートから少し入った裏通りにあるそのホテルには飛行機の関係で、宿泊客が寝静まった真夜中にこっそり着いたのでした。
そして翌朝。目が覚めるとそこは、南国の明るい抜けのいい光の中。
緑の中にブーゲンビリアが垂れ下がり、小鳥たちはさえずり、そんな朝のテラスで食べた朝食に、みずみずしてく美味しいスイカがたっぷり。
いまだにそれが忘れられずにいます。


そんなわけで、夏の朝食に美味しいスイカが食べたい、と思って、それ以来毎年、スイカを育てています。スイカのウネにはビニールトンネルをして水を切り、丹精込めて育てるので甘くてみずみずしくて美味しいスイカができてくるのですが、でもこの地だと、スイカが熟す最盛期はちょうど今頃。
もう秋なのです。

それでもせっかくだから、朝食にスイカを! と、いただくのですが、秋風が吹き、天は高くうろこ雲が広がり、アキアカネたちが飛び交う朝、あの日のあのテラスを思い出しながら、冷えたお腹を両手で暖めながら、いただくのでした。
ガビチョウ、ありがとう。君は素晴らしいよ!