Blog「自給知足がおもしろい」

自給「知」足と称した、貧乏くさい暮らしを楽しむためのブログです。

完璧な自給自足は目指さず、「テキトー」と「いー加減」をモットーにあまり頑張りすぎない、
そんな暮らし方がこの頃なんだか、とてもオモシロイ!と感じています。
自給「知足」的な暮らしは言いかえると「貧乏臭い・ケチ臭い暮らし」でもあります。

でも「ケチ臭いビンボー暮らし」も、そう捨てたものではありません。
ビンボー暮らしは、お金をそれほど必要としない暮らしとも言えます。
そのため、お金稼ぎの作業や仕事に長時間、拘束されずにすみ、
その分の時間を、ヒトが暮らすための作業に使うことができます。

農的で質素な暮らし方が可能で、それにより身近なことで幸せを感じることができたりもします。
また、昔ながらの農的な暮らしは、ヒトも哺乳類の一種として自然の生態系の中で
虫や草や菌類など他のいきものたちと共に生きる暮らし方だったりもします。

そして、こうしたテキトーでいー加減な自給的な暮らしをうまくやっていくポイントは、「知足」? 
人間の欲望は際限がなくてお金をたくさん得られても、たぶんどんなお金持ちになっても満たされません。
でも逆に、小さなちょっとしたことでも、とても幸せに感じられることがあったりします……不思議です。

日々の暮らしの中から「自給知足的な暮らし」を楽しむためのヒント? 
のようなものを、紹介できたらいいなぁ、と思っています。どうか、よろしく。


廃材&廃品を使って作る独立型太陽光発電


 スミマセン、また、自動車レストア雑誌「オールドタイマー」の宣伝です。次号(8月25日発売)のオールドタイマー誌では、主に廃材、廃品を使った春夏角度変更可能な5ワット太陽光発電システムを紹介しています。良かったら本屋さんで立ち読みしてみてください。そしてもしも、気に入ったら買っていただけるとうれしいです。
 単管パイプで作った車庫用の独立型発電設備で、単管パイプとクランプを使用することで、季節に合わせてパネルの角度を簡単に調節できるようになっています。

↑ポイントはここ? 廃品の三連クランプをたくさんいただいたので(岡さんありがとう)、それを使ってパネルを固定する(板を固定する)ことにしました。一番、端(左端)のクランプ部でパイプをくわえ(ここが季節による可動部になります)、真ん中のクランプ部では単管パイプと似た径の丸太をくわえます。それによって、その部分に木ネジが使えるというカラクリ。パネル側の端のクランプにも2箇所ほど穴を開け、ここでも板に対して固定します。
 可動部は屋根下、パネルのみ直射日光の当たる部分にセットできるように板を使って延長しています。

↑できるだけ、費用を抑えたかったので、今回もチャージコントローラーはなし。5ワットのパネルに少し大きめの自動車用バッテリーを組み合わせることで、過充電でのダメージを少なくしようという寸法。パルス発生装置と組み合わせているせいか、これまでのところ、チャージコントローラーなしでもかなりいい感じで廃バッテリーを維持することができています。パルス発生装置が、適度に電気を消費し、なおかつ深放電しないように、電圧が一定まで下がるとパルス発生をストップさせるため、これが過充電防止機構として働いているからかもしれません。
 ただしただつないだだけでは夜間、電気が逆流してしまうので、逆流防止用にダイオードを入れます。ダイオードの働きに関しては、こちらのブログを参考にしてください。
ダイオードはマークのある方がカソードで、電気はアノードからカソードへ、つまりマークのない方からマークのある方への一方通行になります。また、壊れてしまった家電製品をひとつとっておくと、ダイオードは簡単に手に入れることができます。

↑我が家の単管パイプはほとんどが格安で仕入れた中古品ですが、それも節約するため、バッテリーを載せるためのパイプは単管パイプに似た径の丸太を使用することにしました。ただし、樹皮をむかずに使うと、たとえ屋根下であっても樹皮の下に虫が入り、すぐに傷んでしまうので樹皮をむいて使用するのがポイント。大きな力のかかるところでなければ、ウッドの単管パイプもどき、結構使えます。
 ソーラーパネルで発電した電気を一時的に蓄えておくバッテリーには、ワニ口クリップを取り付け、普段は絶縁体である黒いゴム板(廃品のトラック用タイヤチューブ)をはさんでおきます。必要に応じて、そこにほかのバッテリーを使いだり、インバーターをつないだりします。普段はあまり乗る機会のない、セカンドカー(LJジムニー)のバッテリーにつないでいます。

↑消耗の激しいバッテリーをつなぐと大電流が流れ、危険でもあるので、一応、念のためワニ口の基部には30Aの板ヒューズを取り付けました。かなり消耗したバッテリーをつなぎ様子を見てみましたが、特に問題なくいまのところヒューズにダメージはありません。その状態でスターターをまわすと溶断してしまいますが、バッテリー間であれば、とりあえず30Aのヒューズで大丈夫そうです。経済的な余裕がある場合はサーキットブレーカーがいいかもしれません。

↑こんな風にインバーターをつなげば、200ワットまでの家庭用100V電源を使うことができます。あるいはDCDCコンバーターを使うとパソコンなども交流に変換せずに使えます。
 そして結局、今回はほとんど家にある廃品類で作り上げることができました。インバーターも以前購入したものを使いまわしているので、今回、お金を出して購入したのは5ワットのソーラーパネルだけ。結果、現金の支出はパネル代だけ2000円弱で作ることができたのでした。
 ところで、いま我が家で使っているバッテリーはすべて、自動車修理工場などからもらってきた廃バッテリーです。それらをパルス充電やセル内清掃などの作業を行い復活?させて使っているのですが、果たして本当に復活しているのか? あるいはどのくらい復活しているのか? いまこれを確認できる装置を楢の木技研さんの協力で作ってもらっています。近く実際のデータを取りながら、どの装置が、あるいはどの方法が効果的だか調べてみたいと思っています。これはぜひお勧め!というパルス発生装置やセルの清掃方法などありましたら、情報をいただきたくお願いします。
 復活装置を取り付けた状態で満充電になったら、そこから一定の負荷をかけてバッテリーを消耗させ、電圧の下がり具合をモニターし、一定の電圧まで下がったところまでの積算電力量で比較してみようと思っています。独立型発電でのネックは、電気をいかに蓄えるか?で、これにパルス充電で復活させた廃バッテリーが効率よく使うことができるようになれば、独立型発電の道が開けるように思うのです。

太陽光発電が田舎暮らしのベーシックインカムになる?

 業者が施工するタイプの太陽光発電設備は猛烈な勢いで増えているようですが、興味があるのは、自分でセルフビルドするタイプの系統連結型太陽光発電所でした。そしてついに「自分で作るマイ発電所キット」なるものが登場しました。ただ、値段がまだ若干高いような気がします。
 これまで調べてきたものだと、単管パイプで空き地に設置するタイプだと、もう少し安くできそうな感触でした。円高ということもあって、いま単結晶のパネルは1ワット当たり130円くらいで手に入るので、パネルだけだと、10キロワットで130万円くらいで調達することができます。系統と連結するためのパワーコンディショナーの設置はプロにお願いしたとしても、パネルを自分で施工しコーディネイトすれば、少なくともさらに100万円くらいは安く作れそうな感触でした。
 最初に紹介した12キロワット315万円の自作キットとは別に、そうしたDIYタイプの太陽光発電を普及させている方が八ヶ岳にいて、ちょっと面白そうなので取材をさせていただきました。

 写真は、単管パイプで作った架台にパネルを取り付けているところ。屋根に載せようとすると施工はなかなかたいへんなのですが、土地のある田舎であれば地上に設置する方法もあるわけで、これならちょっと器用な人なら(お金のかかる)パネルの設置は自分でできて、うまくすれば廃材などの利用も可能ではないかと思えました。

↑そして、作業者数人で二日ほどで完成したのがコレ(ノウハウを教えてもらう代わりに、労働を提供するというワークショップ形式で行うのが良さそうです)。個人所有(家庭用)としてはマックスに近い9KW(キロワット)の太陽光発電施設です。一枚のパネルの発電量は185W。そしてサイズは1580㎜×808㎜のパネルが48枚なので写真のように4列で横に並べた場合、約20m×3..3m。それだけの日当たりのいいスペースがあれば設置可能なわけです。パネルの設置を自分でやれば、売電のためのパワーコンディショナーを含めて200万円くらいで9KWくらいの発電設備を作ることができそう、とのことでした。そして八ヶ岳南麓のような日照率の高いところだと、売電によって毎月5万円くらいの利益が見込める、とのこと。
 お金を極力使わない自給的な田舎暮らしで、毎月5万円の収入があるとかなりリッチに暮らしていける可能性があります。都会に居るうちにどうにか200万円を貯めて、10KW弱の太陽光発電所を自作しそれを収入源の一部にする、というのも悪くないように思います。
 もし200万円で作れるとすると元が取れるまでは200万円÷5万円=40か月≒3年半。月日の流れるのは早いもの、3年半で元が取れてしまうと思うとこれは正解なのではないかと思えてきます。そして4年めからは毎月5万円の利益を生み、しかも、一番電気が足りなくなる夏の昼間のピーク電力時に地球に優しい自然エネルギーで電力供給できる。あるいはこうした田舎暮らしが増えれば、都市への人口集中も解消されるし、休耕地の有効利用ににもつながりそうだし、環境負荷の大きな農業ではなく、自給的な農の普及にもなるのではないかと……。


取材協力:山梨自然エネルギー発電(株)  http://www.yamanashigreenenergy.jp/index.html ウエップサイトには電話番号も載っていますが、社長は現役の歯医者さんでもあり、お忙しい方なのでなるべく電話ではなく、メールでの問い合わせにご協力ください。


 でも、どうも貧乏性のわたなべは、パネルのためだけに土地を使ってしまうのがなんだかモッタイナイような気がして、どうにか車庫や倉庫の屋根にパネルを設置できないか模索中です。単管パイプの架台に折板を組み合わせることで屋根付き車庫(農業用倉庫?)との兼用が可能そうなのですが、先立つものと、農地での系統連結設置許可で苦戦中(どなたか、農地で個人の系統連結の前例、ご存知ありませんか?)。

↑(傾斜に対して)縦方向はパネルの継ぎ目の下には雨どいを設置し、横のスキマはヨロイ張りにすることでパネルを直接屋根材として使えないか?とも思ったのだけれど、温度膨張によるたわみの吸収などを考えるとパネルの下に大波の折板を構造材として設置し、大波の上面にパッキンを介してパネルを折板の下から固定するというのが良さそう……。
あるいは万里の長城のような薪棚を敷地の周囲にめぐらせ、その屋根をソーラーパネルにするとか……少しずつパネルを足していくとか……、仲間を募ってパネルの所有&設置をそれぞれが行うとか……、自作であれば楽しそうなことがいっぱいあったりします。

↑実はこの車庫、将来的にはパネルを載せられるようにと思い夏と冬とで屋根の角度が変えられるように作ってあるのだけれど、普通の波板だと接触面の剛性が少し足りなそう。もし新品の屋根材を使って屋根を張るなら折板を使うと良さそうです。

 追記:お金の回収ではなく、エネルギーペイバック(ソーラーパネルを製造した際に使用されたエネルギーは何年で回収できるか?)などに関して質問をいただきました。それに関してはこちらをご覧いただければと思います。
 また、製造時に危険物質を使われている、というご指摘もありましたが、自動車やあるいはパソコンなどの電化製品を製造する際にも各種危険物質は使用されています。しかも自動車や電化製品は使用の際、エネルギーも消費します。そのエネルギーをたとえば原発で作っていたとすると、何十万年にもわたって安全に保管しなければならない放射性廃棄物を大量に生み出してしまいます。ソーラーパネルは少なくとも発電する際は、有毒物質も二酸化炭素も放出しません。

5ワット3360円の太陽光発電システムの検証

 3360円太陽光発電に関して、いくつかお問い合わせをいただいたので、データと共に実験結果を紹介させていただきたいと思います。
 まず、オススメしたいことのひとつに、パネルやコンバーターの他に、テスターを購入する、というのがあります。電圧と電流を測ることのできるテスターがあるといろいろ面白いことが分かります。
 写真のテスターは秋月電子というところで、なんと800円で売っています。アナログの電圧計単体よりも安いのです。ただし、弱い電流の高電圧を測ろうとすると誤差が大きかったりしますが、でもソーラーパネルのような大きな電気を測る分には誤差も少なく、800円のテスターで電圧だけでなく、電流まで測れるのだからこれは画期的なことのように思います。

↑まずは、DC→DC(直流→直流)コンバーター(交流に変換しない)を使ってパソコンを駆動させているときの電流値を測定してみました。すると、値は1.62A(アンペア)。

↑一方、バッテリーからの直流電流を一度、インバーターで交流100V(一般家庭にコンセントの電気です)に変えた場合の値も測定してみました。電流値は2.16A。ノートパソコンの入力電流は直流なので、一度交流にかえ、その後、直流に戻すとロスが大きいことが分かります。テスターで電流を測定する場合は、配線に直列でテスターを接続します。そのため、電圧を測る場合とテスターのコードをつなぐ端子が異なります。

↑次にパソコンへつないでいたコードをはずしてみました。パソコンにつないでいなくてもインバーター(直流から交流へ)とスイッチングコンバーター(交流から直流へ)を動かしているだけでも、0.49Aの電流を消費してしまっていることが分かります。

↑一方、DCDCコンバーターだけだったら、0.03Aですみます。

↑今度は、ソーラーパネルがどのくらいの発電をしてくれているのか?を測定してみることにしました。よく晴れた日、ダイオードを通った後の窓越しの電流値で0.34Aでした。

↑屋内と屋外でどのくらいの違いがあるものか? 窓(寒冷地用二重ガラスサッシ)をあけ、パネルに直射日光を当ててみました。

↑すると、電流値は0.43Aまで上昇。スペックシートによるとこのパネルの短絡電流(Isc=外部にかかる電圧が0Vのときの電流値)は0.3Aなので、太陽の高さに合わせて角度を調整できるようにしたことで、スペックシート以上の値を出すことが出来る、ということになりそうです。

↑次に、電圧を測定してみることにしました。電圧を測定する場合テスターのコードをつなぐ端子を変更します。バッテリーを通さず、ダイオードの先をテスターにつないで測定してみたところ、27.9Vでした。

↑今度はダイオードを通さない開放端電圧(Voc)を測定してみたところ、28.4Vでした。スペックシートによるとこのパネルの開放端電圧(Voc)は21.90Vとなっています。空気の澄んだ山奥のためでしょうか? 電圧に関してもかなり高くなっているようです。開放端電圧と短絡電流値で最大値を計算すると、28.4V×0.43A≒12.21Wということになります(追記:開放端電圧に電流値を掛けたこの数字は意味がない値であると、ご指摘いただきました……確かに!)。

↑バッテリーにつないだ場合は、電圧も落ちて、19.8Vになりました。それでもちょっと高め……。とりあえずはバッテリーに支障はでていませんが、思いのほか電圧が高いので、経済的な余裕があれば、チャージコントローラー(安いものだと1260円くらいからある)を使ってあげたほうがいいかもしれません。

1万円でお釣りがくる……独立型太陽光発電システムの作り方。

 ソーラーパネルの値段が驚くほど安くなっています。今回購入した5Wのソーラーパネルは2000円しませんでした。その他に手に入れたのは、パソコンの入力電源用に直流電流を変圧してくれるDCDCコンバーターでこれが1980円。バッテリーは自動車修理工場からいただいた廃品だからタダだし、このシステムだとチャージコントローラーも不要で、あとお金がかかったのは1個100円ほどのダイオードが1個。だから合計金額は送料を入れても5000円以下。これで5ワットのソーラー発電システムが我が家に誕生したのでした。

↑自分で言うのもなんですが……このシステムがちょっと画期的だと思うのは、出力5ワットという比較的小型のソーラーパネルを採用したこと。これに自動車用のバッテリーを組み合わせることで、トリクル充電に近い充電システムとなり、過充電防止のためのチャージコントローラーが不要になるのです。ただし、使える電気の量はパネルの出力が小さい分、少ないシステムではあるのですが……。
 そしてもうひとつ。小型のパネルなので、屋内の窓際にセットしてもそれほど邪魔になりません。そのため雨風を気にする必要がなく、また配線を屋外から室内に通す工事も必要ありません。独立型のいいところは一箇所にまとめて大きなシステムを組む必要が必ずしもない、ということ。必要なところにそれぞれに小型のシステムを組むことで配線も楽になるし、屋内だと、バッテリーを分離して持ち運ぶことで、好きなところで電気を使うことが出来たりもします。しかもシンプルなので、これだったら材料さえ用意できれば、誰でも簡単に作れるのではないでしょうか?

↑バッテリーは廃バッテリーをパルス充電で蘇らせて使用しています。だから、タダ。廃バッテリーを蘇らせる方法にもいくつかあって、そのうち機会があったら紹介させていただこうと思っています。

↑バッテリーポストと配線の接続には普通、Cクランプを使用しますが、今回は不用品のゴムホース(自動車用のヒーターホース)を短く切ったものを利用しています。先に配線を写真のようにセットしておき、そこにゴムホースを被せます。手軽だし、Cクランプよりも使いやすいし、これまでのところトラブルはありません。でも接触不良で発熱したりしていないか、たまには点検してください。

↑チャージコントローラーの代わりに使用する1個45円のダイオード太陽電池は電池の一種なので、夜間などパネルが発電していないとき、そのままだとバッテリーからの電気が太陽電池に逆流し放電してしまいます。それを防ぐためにダイオードをひとつ入れます。ダイオードという部品を使うと、電気の流れを一方通行にすることができます(マークのある方がカソードで、電気はアノードからカソードへの一方通行、つまりマークのないほうからマークのある方への一方通行になります)。配管材料のワンウエイバルブとほぼ同じ。そしてダイオードの取り付けもこんな感じ。ゴムホースを使うと楽チンなのです。
 でも、初心者の方はこのあたりのことが分かりやすいチャージコントローラーを使うのも悪くない方法だと思います。過充電にならないように今回使っているのは5ワットのパネルですが、チャージコントローラーを使用すれば30ワット程度の太陽光パネルと組み合わせることができ、それなりに使えるシステムができます。また最近ではチャージコントローラーも値段が下がりリーズナブルな値段で手に入れることができるようになりました。詳しい接続の仕方などまで含めた組み立てキット&完成品をこちらのサイトで販売させていただいております。もしよければご利用ください。

↑パネルの角度調整用に蝶盤を使おうかとも思ったのですが、写真のように針金をちょこっと加工して使えばこうした部分でもお金がかからずにすみます。

↑夏と冬で太陽の傾きにあわせて、パネルの傾きも簡単に調整できるようにしました。ちょうどウチにいらしていた豐さんが、木材を加工してくれたのですが、なんだか角がとれて流木みたいでいい感じ。
 ところで311前までは、太陽光発電はパネルを製造するのに膨大なエネルギーが必要で製造時のエネルギーを回収するのに10年以上かかる、などと言われていました。でもこれは電力中央研究所(原子力ムラおかかえの御用研究所)と大手広告代理店が原子力を推進するために画策&捏造したデータであることが分かってきました。太陽光発電のエネルギーペイバックタイプ(EPT)は、パネル以外の設備まで入れたデータでも1~3年であることが分かってきています(出典はこちら「Wikipedia太陽光発電の環境性能」)。またこれらのデータはパネルを固定した状態の場合で、今回のように夏と冬とで太陽の入射角を調整してあげることで、EPTの値はさらに短くすることができます。このあたりのこと詳しく知りたい方はここをクリックしてください。

↑独立型のシステムではインバーターを使うのが一般的ですが、このシステムは主にパソコン&12VのLED電球で使う予定なので、交流に変換せず、コンバーターを使って直流のまま変圧(電気の流れる圧力を変える)だけして使用しています。その方が変換ロスが少なくてすむのです。パソコンを立ち上げた状態での電流値を測ってみたら2A弱(インバーターで一度交流に代えると3A以上)でした。これだったら雨の日が続かない限り、まあまあ使えそうです。

 こんなようなシステムを家の何箇所かに設置しようかと思っています。豐さんとそれに娘にもちょこっと手伝ってもらって、犬にもときどき邪魔してもらいながら、正味2時間くらいで作ることができました。「いい加減・石窯」につづく「いい加減・ソーラー」です。とりあえず、こんなのからはじめてみて、少しずつステップアップしていくというのがいいように思います。エネルギーの自給知足、楽しいですよ。ぜひお試しを!
■とても重要■鉛蓄電池(一般的な自動車用バッテリー)は、充電時に正極から水素が発生します。そのため電極が電解液に浸っていない状態だと、空気中に露出した電極部分で火花が発生する可能性があり、それによってバッテリーの内部に溜まっていた水素が爆発を起こす恐れがあります。脱原発を標榜しながら、太陽光発電で水素爆発を起こしてしまってはシャレになりません。爆発すると電解液である希硫酸が飛び散る可能性があり、とても危険です。特に中古バッテリーを使用する場合は、電解液がレベルゲージのLOWラインより上まで入っていることを必ず確認してください。足りない場合は、蒸留水などを補給し、極板が電解液の中に浸った状態で使用してください。
 また、このシステムで発生する水素は微量ですが、濃度があがるとやはり爆発の恐れがあります。バッテリーの格納容器として衣装ケースやクーラーボックスのような密閉容器を利用する場合は、上部に水素を溜めないように注意してください。最上部に穴をあけ逃がす構造にするのがいいと思います。水素(0.07)は比重が空気(1.00)よりも軽いので上方にたまりやすい性質があります。

 ほかにもバッテリーを逆接続をした場合、アークが発生し、その火花は金属を溶かすくらいのエネルギーを持っているので注意が必要だったりします。またバッテリーは定期的に振動させて使用するのが長持ちさせる秘訣でもあります。このあたりのことは、以前書いた「計画停電用電源の作り方」のページに書いてありますので、そちらを参考にしていただきたいと思います。また、ソーラー発電全般に関して右欄のカテゴリーの「太陽光発電」で紹介しているのでできれば目を通していただけると、概要が分かりやすいかもしれません。よろしくお願します。

 このシステムから得られたデータをいくつか以下のブログで紹介させていただきました。よければこちらもご覧いただければと思います。
http://d.hatena.ne.jp/musikusanouen/20111225/1324820166


 持ち運び可能なポータブルタイプの独立型太陽光発電ボックス「おかもち」も完成しました。よかったら、こちらをご覧いただけるとうれしいです。
f:id:musikusanouen:20191007072438j:plain


また、こちらのサイトで、初心者向けに配線接続の主な部分をプラグ&ソケットにした太陽光発電のキットを販売させていただいております。もしよろしければ、ご覧いただけるとありがたいです。

GMカウンターを使ったホットスポット?の見つけ方

 まだPDF版ですが、山梨の航空機のモニタリングの結果がようやく発表されました。
http://radioactivity.mext.go.jp/ja/1910/2011/11/1910_111112.pdf
 これを見ると、家の比較的近くにも空間線量が少し高いところがあることがわかりました。かなり小さな円ではありますが、周囲と違ってそこだけ水色の円形になっている部分があります。県内に何箇所か、ポツポツとインクをこぼしたようなスポットが見受けられます。

 電子版のモニタリング結果が公表されると、その地点をかなり正確に知ることができるのですが、今回発表されたのはかなりラフなPDF版でした。そこでこのPDF版をベースに、電子版を同じ縮尺にして位置を写し取り、拡大してみたところ、以下の地図の「+」の記号のあたりがその水色の円の中心点のようでした。

 山の中を走る上では我が家で最強のデフロック付きの4輪駆動車(軽トラです)の助手席に、GPS付きのガイガーカウンターをパソコンに連動させた状態でセットし、さっそく探索に向かうことにしました。

↑現在、我が家の放射線測定装置(主に電気を食うのはノートパソコン)はこんな感じで駆動しています。ノートパソコンはかなり古いものなので内蔵バッテリーが使えず、外部から電気を供給する必要があります。とはいえ東電からの電気を使うのはシャクなのでソーラーパネルで充電したバッテリーを電源としています。

ソーラーパネルやシガソケットは、ゴムホース(自動車用のヒーターホースの廃材)を使って、バッテリーターミナルに接続しています。また、ソーラーパネルは夜間に逆流してしまうので、その部分にダイオードをひとつ入れてやります。逆に言うとあまり機能を欲張りすぎなければ、これだけで独立型太陽光発電設備は可能なのです(パネルが大きくなるとトリクル充電にならなくなるのでコントローラーが必要になり、ディープサイクルなどの高価な専用バッテリーを使うと過充電でバッテリーを痛める心配が生じてしまいます)。というわけで必要な場所に、小さなシステムをいくつか組んで少しずつ東電からオサラバする、というのも悪くないように思います。

ガイガーカウンターへの電源の供給はUSBケーブルを通じてパソコンから行い、パソコンへは昇圧が可能なDCDCコンバーターを使って行なっています(写真のコンパックの場合パソコンの入力電流は19Vでした)。DC(直流)AC(交流)インバーター(直流を交流に変換する機械)を使うとガイガーカウンターがノイズを拾ってしまうことがあるので、ガイガーカウンターをつなぐ場合はDCDCコンバーターがオススメ。しかもDCDCの方が、DCAC→DCよりも変換ロスが少ないというメリットもあります。
 写真のパソコンはかなり古いコンパックの製品ですが、このタイプはクルマdeチャージャー(1980円送料込)が使えました。最近の新しいタイプのパソコンの場合、三極のものがあり、その場合はこのページで紹介しているDCDCコンバータ(3280円)がオススメです。これだとデルをはじめ最近の三極タイプの多くの入力に対応しています(電圧も入力電圧に合わせて自動で設定してくれます)。
 また、クルマで移動する場合は、これでもいいのですが、ガイガーカウンター(とパソコン)を徒歩で携行する場合は、このバッテリーでは大き過ぎます。そこで、その場合にはオートバイ用の小型の12Vバッテリーを使用しています。

↑写真の奥の白いバッテリーが軽自動車などに使われている小型の自動車用バッテリー。そして手前がスーパーカブ用バッテリー。最近はベトナムなどで(自転車に変わって)スーパーカブが普及しているので、この種の輸入バッテリーの値段がかなり下がっています。写真のもので新品が1600円くらい。これだったらマウンテンパーカーのポケットにギリギリ入ります。インパクトドライバーのバッテリーは高価なので、ポケットにいれたこのバッテリーからインパクトドライバーを有線で使うという方法もありそう……このバッテリーであればかなり傷んでもパルス充電により再生が可能なのです。

↑緑色のLEDが点灯している黒い小さな箱がパルス発生装置(完成品で3000円くらい)。その少し奥の長細い黒い箱がスイッチング充電器(3000円くらい)。いずれも電子工作に長けた人だったら秋月あたりから部品を調達して自作できそうですね。鉛蓄電池の場合、パルスを掛けて充電することで、極板の表面にできたサルフェーション皮膜を除去することができる、と言われています。実際にこの組み合わせで、廃棄バッテリーをかなりの数、再生することができました。奥にある縦長の箱は、バッテリーに負荷をかけそのときの電圧の落ち具合でバッテリーの再生度をチェックするもの。写真は市販品ですが、容量の大きな昔のフォグランプと電圧計があれば簡単に自作できます。

↑GMカウンターだけであれば、このシステムの場合、9Vの乾電池があれば、スタンドアロンで使うことができます。写真の左側の9V電池は充電タイプで乾電池を使い捨てにせずに済みます。これにiPodタッチを組み合わせるとかなりの節電仕様になるのですが、現状ではデータを記録できないことがネックです。
 スミマセン、すっかり話がそれましたが、これらを適当にクルマに積んで「+」印の場所を目指しました。行きはとりあえず、GPSを作動させた状態で一定速度で走って、放射線量の高い位置を探し出します。また、車載で探す場合は移動速度が早いので、cpm(直近60秒間のカウント数の合計)よりも、10秒間のカウント数の方を目安とする方がよいように思います。
 台風にえぐられた林道を一旦、最上流部付近まで走り、行きに200cpmを超えた数値の高かった場所を帰りは念入りに調べてみることにしました。場所によっては、クルマから降ろして測定した結果、160cpmが通常のバックグラウンドのGMカウンター(J408×2本)で、最高値450cpmというところが見つかりました。私の計測器では北杜市内では初めて400cpmオーバーという数値が出ました。

(画像をクリックしたあと、「コントロール」+「+」で拡大できます)。
↑数値はcpmで、直近60秒間のデータではなく、10秒間の計測数を6倍したものです。
■以下はGMCワークショップの皆さんに向けた連絡です■
 クルマでの観測の場合、10秒観測の値を6倍した方がホットスポットを見つけやすいように思います。その場合、kmlファイルの表示を10秒×6倍に変更するには、csvファイルの時点でC列の値を変更する必要があります。さらにその後、数式(=10秒値×6)を単なる「数値」に変更(列を選択し右クリックで形式を数値に指定して貼り付け)してあげると10秒観測の6倍の数値を表示することができます)。以上、内輪の連絡、おしまい。

 高い数値を記録した周囲を入念に調べたのですが、そのあたりには土を埋め戻したような形跡もなく(放射性廃棄物を埋めたような形跡はなく)、値が高かった箇所は、白い御影石とは明らかに異なる、サビ色をしたもっと古い感じの花崗岩?があり、それらに近づけると線量が上がるので、どうもそれらの石が放射線を発しているようでした(高圧線を横切る当たりまで林道を上り、あたりがひらけ紅葉が美しい左カーブの右側あたりがかなり高いホットスポットでした。上に木が生えていないので航空機からだと観測されやすそうです)。
 航空機モニタリングのそのほかのデータを見ても、セシウム134や137はこの地域から検出されていないことから、この場所の空間線量が高いのは自然放射線ではないかと思われます。また今回の結果から、航空機モニタリングの結果は、意外と精度が高い、とも言えそうです。
 というわけで、この地域にはこうした測定が比較的簡単にできる計測器が10台以上あり計測を続けています。放射性廃棄物の不法投棄などを行うと、すぐに発見できてしまいます。もっとも見つからなければ捨てていい、ということでもないけれど……。

↑右側の茶色い石のあるあたりがもっとも高かった地点です。

↑このあたり一帯には白い御影石が多いのですが、一部写真のようなサビ石が混ざるところがあり、線量の高かった場所にはこうした石が転がっていました。また、線量の高かった場所ではなんとなく口の中に違和感があり、気のせいか、口の中に金属電池が生じてしまっているような感じ(シラスを食べたときにたまに気になる感じ)がありました(が、線量が高かったので、緊張していたから……という可能性もあります)。しかし、それにしても、近くに人の住んでいない山奥で良かった……。

太陽光パネルのEPT(エネルギー収支)に関する情報とその情報源に関して

 先日の記事に対して友人から、「太陽光発電は不安定で、さらには太陽光パネルは製造するのにすごく電気を使っているとも聞いたけど……」という質問をいただきました。今回の事故が起こるまで、ある組織がものすごいお金をかけて自然エネルギーのネガティブキャンペーンを張っていたので、そんな風に思っている人が意外と多いようなので、ここではそれに関して書かせてもらうことにします。

 その方が太陽光エネルギーのどこが不安定とおっしゃったのかが分かりませんが、原子力の方がはるかに不安定であるように私には思えます。
福島第一原発(特に1号機)では、事故前から水素脆性や中性子脆化が起こってしまっていたことが知られていました。
上杉隆は「なぜ現場の判断で、緊急冷却をやめたりしたのか?」「これは人災だ!」と問題にしていますが、それはちょっと違うように思います。「急冷は危険なのでできなかった」というのが真相ではないかと。

 福島第一原子力発電所の1号機は1971年に東電が最初に作った原子力発電所で、40年にも及ぶ営業運転で中性子脆化が起きていることが懸念されていました(その後、各原発がどの程度、中性子脆化を起こしているかを知るためにストレステストが義務付けられたことからも1号機の脆化がかなり進んでいたことが裏付けられると思います)。
脆化を起こしてしまっている分厚い圧力容器を急冷してしまうと熱収縮による歪みの影響は大きく、壊滅的に崩壊してしまう可能性があることが分かっていました。あのときもし、1号機の圧力容器でそんなことが起こってしまうと、福島はもちろん東京にも人が住むことができないような、想像を絶するような状況が生じていた可能性が高く、鋼鉄は必ず中性子脆性を起こすわけで、原子力発電はそんな途方もない事故を起こしてしまう可能性を秘めているわけで、原子力のことを安定した安全な発電などとは、とても、決して呼べません。

 あるいは、今回行われた計画停電も、災害に弱く脆弱で危険な原子力という不安定な発電方法に起因するもので、太陽光発電のような個人による小規模な発電が各地でたくさん行われているという方が災害にははるかに強く安定的であると思われます(個人の太陽光発電と送電網をつなぐパワコンには停電時用に自立運転モードというのがあって、停電の際はその家の専用発電所として使用することができます)。また、たとえ震災などで電力会社からの供給が途絶えても送電網が自由に使えれば個人の家庭が独立して、あるいは、集落などのコミニティー単位で電気を供給することができただろうし、こうした小規模な自然エネルギーがもっと普及していれば、少なくとも今回のような計画停電は起こらなかったと私は思います。
 確かに太陽光発電は、太陽の出ている昼間しか発電してくれないわけで、夜は直接使えないわけで、それをもって不安定と言ったのかも知れませんが、電気自動車がふきゅうすれば、常に接続しマネージメントすることで昼の電気を蓄電して夜、使うこともできます。すでに北欧などでは駐車中の電気自動車を常にグリッドにつなぐことで、送電網全体での蓄電池として使う実証実験がはじまっています。

 ところで、パソコンの入力電源はたいていが直流電源です。家庭用の交流でもそれをわざわざトランスやスイッチングによって直流に変えてパソコンに供給しています。しかも半導体の普及によって現代では直流を電源とする電化製品が増えてきています。そうした電気製品に対しては、太陽光で発電した直流電流を使うという方法が一番効率がいいのです。少なくともウチでは電灯などの照明も、パソコンも、アイパッドアイポッドもあるいはスピーカーや電話機なども、ソーラーパネルで発電した電気を使って問題なく作動できています。

 それともうひとつ、今回の原発事故以前はソーラーパネルはエネルギー収支が悪く、それを作るのに発電できる電気よりも多くの電気が必要、という情報が流されたことがありました。最低でも10年たたないとエネルギーをペイバックできない、あるいは太陽光パネルの多くは10年も持たないので、エネルギーはペイバックできないというデマが、まことしやかに、しかもさまざまなルートを使って流されました。しかしこれはとんでもないウソで、太陽光発電を普及させないために広告代理店などを使って意図して流したとすると犯罪的ともいえると思います。
 この情報を流していたのは「電力中央研究所」という立派な名前の財団法人です。この組織は原子力ムラの天下り団体でもあり、いまでこそ悪名高く、権威をかさにきたような名称の団体としても知られつつありますが、原子力関係で力を持っている法律学者を囲い込んでいたり、調べれば調べるほどにいかがわしい組織であることがわかります。
 玉川総研(そもそも総研)では、東京の一等地にあるテニスしかやっていない電力関連の保養施設と位置づけて叩いていましたが、そんなことよりもはるかに重大な悪行が行われていたのです。原子力推進派にとって都合のいい情報ばかりを選び、ときに捏造に近い形で作り、流していた組織でもあります。
 EPT(エネルギーペイバックタイム=製品製造時に使ったエネルギーを回収できるまでの時間)で言えば、いまのソーラーパネルは3年以下がほとんどで、最近では1年以下というものもあります。しかもこれはパネルを固定して使用した場合で、パネルの向きを季節によって少し変えるなど、ちょっとした工夫を加えることでさらに効率をあげることが可能で、そうするとEPTはさらに短くなります。
 太陽光発電のエネルギーペイバックタイムに関する詳しいデータは、ここをご覧いただければと思います。しかし電力中央研究所が流したデマ情報は、広報にお金をたっぷりかけたので、広く普及してしまっていて、教師から生徒へ、そして子から親へ、そして親から子へと伝えられたので、いまの高校生でも太陽光発電パネルのEPTが10年以上と思っている人が案外多かったりします。
 電気に関しても足るを知る、必要以上に使わない、ということが大切なことだとは思いますが、太陽光発電はエネルギー収支も成り立たないダーティーなエネルギーで、原子力がクリーンで持続可能なエネルギーというのは、電事連がお金を出して、電力中央研究所を使って行ったとんでもない情報操作でそれに惑わされてないで欲しいというのが私の願いです。ここは「電力関係の諸悪の根源所」のようなところで、原発がなければ電力は足りない、あるいは、原子力による発電が最もコストパフォーマンスがいい、などなど、こうしたウソやデマの元となっているデータの出所をたどると多くの場合が電中研だったりします。
 広告代理店をはじめ原子力のプロモーションを仕事としている人たちは、相手にほんのわずかであっても非があるとそこを拡大誇張して責めてきます。
 たしかにソーラーパネルを製造する際にも、有毒物質や重金属、それに放射性物質がでるかもしれません。しかしその量は、たとえば化石燃料を燃やして火力発電で電気を作った場合と較べたら、猛烈に少ない量です。
 ましてや原子力発電では、地球上にまん延させてしまうほどの量の放射性物質を撒き散らしてしまい、あるいはたとえ事故がなかったとしても、膨大な量の放射性廃棄物を排出し、しかもその処理方法さえ確立されていません。広告代理店の手法に踊らされず、我々はそのあたりをしっかり見極める必要があるように思います。

↑最近のインバーターにはUSBポートが付いているものがあります。こうしたタイプだとここからiPadiPod、携帯電話などを充電可能。iPadはなんと消費全力3ワット。すぐに立ち上がるし、wifiモデルだと月極めの基本料金もかからないしオススメです。

インバーターで一度、交流に変えてから、安定器ごとコンセントをつなぐのが、直流バッテリーからの一般的なパソコンのつなぎ方ですが、効率としては一度交流に変換せずに、直流のまま昇圧して使うほうがロスが少なく効率の点でオススメです。しかし、最近のdellのパソコンなどは、プラグの形状が特殊で合うものが少ない……ということを先日、紹介しました。それに対応したDCDCコンバーターを手にいれ、試した結果を報告すると書いたのに伸び伸びになってしまっていました。その後、myaさんにこの件で、結果を知りたいとメールをいただいていたのに、実験するのが遅くなってしまい申し訳ありませんでした。
 今回手に入れたコンバーターは自動的に要求電圧を感知し?デジタル表示してくれます。インバーターを使った場合と流れている電流を12V部分で比較したところ、DCDCコンバーターを使った場合は2.5〜3.3A(意外とこまめに変動、クランプ型の電流計がいけないのかと思って、直列に入れる普通の電流計でも測ってみましたがやはりほぼ同じ数値で変動していました)で、インターバーを使った場合は3.2〜4.5Aでした(こちらもこまめに変動していました)。いずれにしても交流にせず、直流を昇圧させて使ったほうが効率がいいようです。

コントローラーなしのマイクロ太陽光発電所?

 ノートパソコン用電源として、ボッシュのバッテリー(62Ah)を使っています。これもタダでいただいた廃バッテリー。このボッシュのバッテリーは取っ手が付いているので、室内への持ち運びが便利なのです。パソコン用電源として使用しインバーターの電源が落ちたら(最近のインバーターはバッテリーの電圧が低くなると自動的に落ちる)、外に出してソーラーパネルで発電します。バッテリーが二個あれば、太陽光で交互に充電し、使用することができます。

「手軽に使える」そして「構造がシンプル」ということも大切な要件だと思うのです。そこで、今回からはコントローラーも通さず、直接小型のパネルからバッテリーに蓄電してしまうことにしました。

↑とはいえ、太陽光パネルは一種の電池なので、このままつないでしまったのでは、夜、電気がバッテリーから逆流してしまいます。そこで、電気のワンウエイバルブであるダイオードを端子の接続ゴム(自動車用ヒーターホース切れ端)の近くに取り付けてみました。
 ダイオードには帯のようなマークがあって、マークのあるほうに向かって電気は流れるけど、逆には流れないという決まりがあります。ダイオードは電化製品の回路の中にたいていあります。不要な電化製品も捨てずにとって置き、そこからはずして使うのが正解です。買っても100円未満で手に入れることができるのですが……。ちなみに、今回使用したダイオードは昔、ケルン石塚氏からいただいたものです。師はこれを交流100Vのコンセント中に仕込み、半波整流して減速装置(スピードコントローラー)として使っていました。

↑まずは、ターミナルから端子(ヒーターホースの切れ端)を外して、無負荷の場合の電圧を測ってみます。しっかり晴れると20.3Vくらいでした。12Vのバッテリーを充電するにはちょっと高すぎます。


↑次に端子を接続し、ダイオードの前後で電圧を測定してみました。上がダイオードの手前で、下がダイオードを通った後。ダイオード自身も少し抵抗になっているようです。

↑テスターを直列につなぎ、発電している電流値を測ってみました。0.34〜0.35アンペア。この程度の充電電流であれば、トリクル充電となり過充電や電圧が高いことによる負担はなくなる、ような気がするのですがいかがでしょうか?

↑ところで、電流測定をして分かったことがあります。太陽光パネルはパネルの一部がほんのちょっと日かげになってしまうだけでも、発電量がかなり落ちてしまうということ。写真ではパネルの右下の部分のみ、日かげにして見ました。そしたら 0.34Aだった電流が、0.11Aに落ちてしまいました。ほんの一部、日かげになっただけで、発電量は3分の1になってしまうのです。
 我が家で太陽光パネルを置こうと思っている場所のすぐ南側に、東電の電柱が1本ポツンと立っています。この電柱があることで発電効率がかなり落ちてしまうということかぁ……アモルファスタイプのパネルだったら大丈夫なのだろうか? 近く実験してみようと思います。