Blog「自給知足がおもしろい」

自給「知」足と称した、貧乏くさい暮らしを楽しむためのブログです。

完璧な自給自足は目指さず、「テキトー」と「いー加減」をモットーにあまり頑張りすぎない、
そんな暮らし方がこの頃なんだか、とてもオモシロイ!と感じています。
自給「知足」的な暮らしは言いかえると「貧乏臭い・ケチ臭い暮らし」でもあります。

でも「ケチ臭いビンボー暮らし」も、そう捨てたものではありません。
ビンボー暮らしは、お金をそれほど必要としない暮らしとも言えます。
そのため、お金稼ぎの作業や仕事に長時間、拘束されずにすみ、
その分の時間を、ヒトが暮らすための作業に使うことができます。

農的で質素な暮らし方が可能で、それにより身近なことで幸せを感じることができたりもします。
また、昔ながらの農的な暮らしは、ヒトも哺乳類の一種として自然の生態系の中で
虫や草や菌類など他のいきものたちと共に生きる暮らし方だったりもします。

そして、こうしたテキトーでいー加減な自給的な暮らしをうまくやっていくポイントは、「知足」? 
人間の欲望は際限がなくてお金をたくさん得られても、たぶんどんなお金持ちになっても満たされません。
でも逆に、小さなちょっとしたことでも、とても幸せに感じられることがあったりします……不思議です。

日々の暮らしの中から「自給知足的な暮らし」を楽しむためのヒント? 
のようなものを、紹介できたらいいなぁ、と思っています。どうか、よろしく。


Old-timer誌161号の付録「ストリートクラシックス」特別編集版(の裏話)

いま発売中のOld-timer誌に、いまから28年前に発行された「ストリートクラシックス」というMOOKの特別編集版という付録が付いています。

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いまでは考えられないことだけど、このムックが出た頃は、けっこうまじめに働いていました。引きこもりがちな今の姿しか知らないひとからすると信じられないかもしれないけれど、この頃は三誌もかけもちで仕事をしていたいので、毎日のように各地に取材にでかけ、写真を撮り記事を書き、レイアウトの粗割りを作り、印刷会社で徹夜して出張校正をしていたりしました。
でも、その頃から協調性がなかったので、取材にはひとりで行っていたし、編集会議をへてみんなで雑誌を作るというのがどうも苦手で、自分の好きな分野でやりたいようにやりたくて企画書を書き、八重洲出版の局長に懇願し、試しに作らせてもらったのが、この「ストリートクラシックス」というムックでした。


表紙も自分で撮ったし、巻頭カラーはもちろん、後ろの方のページもペンネームを使ったりしながら、かなりの部分をひとりで取材し書いたりしていたのですが、調子に乗りすぎて体調を崩したりしたこともあり(痔を悪化させて緊急入院なんてこともありました)、予定していた日までにページが埋まらず困っていたりしていました。
もう時効だと思って白状するけど、ひどいときは昔のCARBOY誌の記事を転載してページを埋めたりもしました(この特別付録にあるS30Z大修理というモノクロ記事は実は平綴じの頃のCARBOY誌の記事からの転載だったりします)。

そんないい加減な作りだったにもかかわらず、なぜか案外売れたので、「ストリートクラシックス2」を作らせてもらえることになり、それもまあまあ売れたので、季刊で発行させてもらえることになり、その後は「Old-timer」と名前を変え(こちらの命名は八重洲出版の橋本局長)現在に至っています。
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⇧旧車のことを「Old-timer」と表現したのは、「ストリートクラッシクス」が最初だったように思います。

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⇧若かったなぁ。まだこの頃は八ヶ岳山麓に住むことができるようになるとは思ってもいなくて、でもフェアレディの後ろに、粗大ごみから拾った古い革のトランクを付けて、このあたりをよく旅していました。この写真の場所は、いま住んでいる家の比較的近くで、そこを通るたびにこの写真を撮ったときのことを思い出します。この頃はまだ自撮り棒なんてなくて、三脚を据え置きピンをして、セルフタイマーが終わるまでに、慌てて定位置に座り撮った自撮り写真です(誰かに見られていたら超恥ずかしい(笑))。

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⇧表紙は、自分のフェアレディと友達のエスハチが向かい合って会話しているようなこの写真。これだったら問題ないだろうと思って使ったのですが、雑誌が出てから友達から、「あ、あのクルマ、似てるけど俺のクルマじゃないよ」って言われ焦りました。つまりは無断で知らない人のクルマを勝手に表紙に使ってしまったのですが、その後、このエスのオーナーの方から連絡があり問題解決。いいオーナーの方で良かった、などという冷や汗タラタラのエピソードがたくさんあります。

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⇧室内に水たまりがあり、ボウフラが湧いていたクズ鉄からクルマを蘇らせるという記事。CARBOY誌で連載させてもらっていた「オイルまみれのメモランダム」というサビ取りエッセー?再編記事でもありました。

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⇧締切に間に合わず、昔のCARBOY誌の記事をそのまま転載しページを埋めたり……Old-timerになってからの話だけど、体調を崩してしまいどうしても締切に間に合わず、予定していた発行日に雑誌が出せなくて、広告を出稿してくれていた会社に橋本局長が謝りに行ってくれていたり(後で知りました)、いろいろ迷惑を掛けたなぁ。

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⇧自分の愛車のことだから、このあたりはスラスラスイスイ……だったのですが、Old-timerも数号出ると、そのうち持ちネタを使い果たし……。

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⇧家族、友達、知り合い、総出で出演いただきました。ヒマがあると第三京浜、港北インター近くにあるスポーツカーサービスに入り浸り、ネタを探していました。関さん、お元気だろうか?

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⇧ふふ、この頃はまだタバコを吸っていたのか。若いなぁ。
この頃、ウチにはこのクルマしかなくて、西麻布の交差点近くにかみさんのアトリエがあり、みんなが見ている中、彼女を乗せ、カッコつけてタイヤを軋ませて発進したら、仮止め中だったペラシャフトのボルトがねじ切れたなんていう恥ずかしい思いをしたこともありました。
ほかにも、走っている最中に車輪が車軸ごと取れたり、渋滞中にエンジンルームから火を吹き、周りのクルマの人たちが車を捨てて逃げだしたり……いろいろあったなぁ。

娘が生まれることになり、屋根のないこんなポンコツに赤ちゃんを乗せるのは不憫、ということで手に入れた4ドアセダンがスカイライン2000GTB(S54B)の不動車だったのでした。
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このクルマのときは、レストアするための車庫を廃材で作るところからはじめ、エンジンのオーバーホールはもちろん、シリンダーのボーリングやヘッドの面研も研磨機を作って自分で行い、動くようになって車検がとれるまで20年以上もレストア雑記を連載させてもらいました。

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「先日、生まれたばかり」だと思っていたのに、スカイラインが動くようになった頃には娘はすでに免許を持っていて、なんと4ドアセダンには興味がなく、屋根はもちろん、ドアもフロントウインドウさえもないクルマを好んで乗りまわしていました。

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⇧色眼鏡などかけてカッコつけてるけど、ちゃんと初心者マークが貼ってあるところがカワイイ。

ずいぶん昔のことのようにも思えるけど、思い返してみると、あの頃からきょうまでは「あっ」という間。
時間の流れは予想以上に早いです。
一度きりの人生、せっかくだからみなさん、思いっきり楽しみましょう!


 

森の中にポッカリと現れるエディブルガーデン

写真を探していたら、こんな写真を見つけてしまいました。
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直線的な畝を作らず、部分的に土を盛り起伏をつけ、道はS字を基本とした柔らかいカーブの連続。

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メインテナンス用の踏み石を兼ねて飛び石を配し、目地に苔を入れた延段のようなところもつくったりしていました。
目指していたのは「森のなかにポッカリと現れるエディブルガーデン」。

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⇧そう言えば、こんなものも作ったなぁ。電話がコードレスフォーンのところが時代を感じます。でも、それでも当時は便利でした。

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⇧廃アスファルトで作った延段。土極めで目地にはリッピアやタイム、オレガノなどを配しました。

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⇧傾斜地を利用したロックガーデン風。この頃は据えた石の「天」がしっかり出ていたんだなぁ。

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⇧圃場整備前で、周囲は森に囲まれていて、森を抜けるとポッカリと現れる秘密のひだまりガーデン、といった様相でした。ランドスケープデザインを仕事にしていた頃もあったのだけど、自分の庭だと好きなようにデザインできて嬉しかったなぁ。

一方いまは、畑7反、その他に、果樹園と林、それに田んぼがあって、農薬や除草剤を使わずに管理しているので、いつも時間に追われてしまっていて効率が最優先のような農的な暮らしになってしまっているけれど(知足からはほど遠い生活ですね)、(草刈りではなく草むしりで管理できるような)小さな畑だったらこんなやり方もオススメです。
ハーブ主体で起伏があり、パクチーの隣にキャベツが結球していたり、クリーピングタイムに縁取られてルバーブやサニーレタスが彩りを添えていたり。
でもまあ、この頃は農的とは別の手段でお金稼ぎをしていていまよりお金への依存度が高かったわけで、今の方がクルマの燃料や電気、暖房や給湯などエネルギーまで含めた自給率は高くなっていて、これはこれでこうした生活も楽しいからいいのだけれど。

虫刺されの季節 一番オススメの方法は?

スベリヒユが虫刺されに効く、という記事を最近、目にしました。スベリヒユなら簡単に見つかるので、手軽でいいですね。今度試してみようと思います。
虫刺されなどに効く消炎作用のある(と言われている)野草は、この他に、ヨモギ、オオバコ、ドクダミ、カキドオシ、チドメクサ、ビワ(葉)、ヤブガラシ、モモ(葉)、アカザ、アロエ、サンショなどが知られていますが、どれが一番効くのか? 一度にたくさん刺されたときに試してみたいと思っているのですが、最近はなかなかそんな機会に遭遇しません。少しは賢くなったということか? いままでの実験では、ヨモギオオスズメバチを生きたままスピリタスに漬け込んでしまったものが我が家の住人にはよく効く感じです。

アフェリエイト稼ぐのため、実際に試してみたことがないくせにネットから都合のいい情報だけを集めて作っただけの「まとめサイト」の影響か? 日本では絶大な人気のポイズンリムーバー&エキストラクターですが、国際赤十字などでは、効果がなく、逆に悪化させる可能性がある、との見解だったり、個体差や相性などもあるのだろうから、効果のありなしを実際に比較して試してみるのが一番のように思います(これに関しては何度か比較実験をしているのですが、結果はここには書きません、ウチの家族が特殊な可能性もあるし)。プラシーボも考慮に入れる必要があるし、そのときの体調などによっても違う可能性があるので、できれば同じ時にたくさん刺されたときに比較してみるのがいいように思います(その際は、こっちのほうがひどそうだなぁ、という方を何もせずに放置し、被害の少なそうな方にポイズンリムーバーなどを試してみてください。その方が手っ取り早いので)。

オテンバでこどもの頃、虫に刺されることが多かった娘の協力の元、この手のことを何度か試してきたのですが、わが家での一番のオススメは、虫によっても違うけど、ブヨや蚊は「何もしない」、あるいは「文房具用のメンディングテープを貼る」かなぁ。ただし、ミツバチのように毒嚢(どくのう=毒袋&ポンプ)が針と一緒に残っている場合は、毒嚢をつぶさないように(毒嚢をつぶさない方向から)クレジットカードなどのプラスチックカードでしごいて針を抜くのが先決です。毒嚢は体から分離しても数分間動き、ポンピングを行います。

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⇧これがミツバチの針と毒嚢。針にはカエシがあって、毒嚢ごと取れてしまう構造(刺したミツバチは死んでしまいます)。針を抜く際は、尖ったピンセットで、毒嚢をつぶさないように針だけをつまんで抜くか、プラスチックカードで刺された部分の皮膚をしごくようにして抜きます。ピンセットは安物でいいから、閉じた状態でヤスリで擦って先端が尖った状態でピッタリ合うように研いでおくとトゲを抜く場合などにも重宝します。


ムヒパッチが発売されたときに、驚くくらいに効果があってビックリしました。でも、ムヒパッチは高価で、一日に何箇所も刺される我が家の暮らしではふんだんには使えないので、ムヒ+偽バンドエイドを試し、その後、ラナケイン+セロテープを経て、いまは「メンディングテープをちっちゃく切って貼るだけ」です。

10ミリ×10ミリくらいに手でちぎって(←手で簡単にちぎれるところがセロテープとの大きな違いなのですが粗悪品のメンディングテープの中にはちぎれないものもあるので3Mやニチバンがオススメです。メンディグテープはただ刺されたところに貼るだけ。1ロールで相当に使えます。すぐに効果が体感できるのもオススメの点のひとつです。
(これも我が家の場合ですが)ムヒパッチは、かゆみ止めの薬の効果ではなく、(キズパワーパッドなどと同様に)、虫刺され箇所を空気に触れさせないことによる効果、のように思えたのです。人によっても違いがある可能性もありますが、もし良かったらぜひ一度、試してみてください。
 

継箱と巣箱の改良(夕涼み対策と着地場所の変更)

毎日いろいろあって、書き残しておきたいことや忘れないように書いておきたいことがたくさんあるのだけれど、夜になると健康的かつ猛烈な睡魔に襲われ、書きたいことが溜まってしまっています。で、とりあえずは、その日にやったことをなるべくその日のうちに書くようにしたい、ときょうは思ったのでした。

6月15日に孫分蜂した群れを取り込んだニホンミツバチの巣箱をのぞいたら、巣門のすぐちかくにまでハチがいて、継箱が必要なようでした。
急きょ、巣門と巣箱を作り、継箱をしました。

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⇧箱が足りず、上原師匠からお借りしていた待ち箱に分蜂群を取り込んでしまっていたので巣門ごと継箱をしました。これまでも巣門ごと交換してきたのですが、巣門の数が少なく、以前すぐ隣の巣箱で使っていた巣門と入れ替えることになったとき、以前の臭いがついていたのか、両方の箱のハチたちがまごついているようだったので、暑い時期以外は、巣門はかえずに2アクションで継箱に臨もうかと思ってもいます。

巣箱の改良の方のメインは、夕涼みで夜、巣箱の外に出てきているハチが多いので、巣内の温度が高すぎる可能性もあり、底板にメッシュを貼って通風をよくすることにしました。

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⇧これまではメッシュは木の枠で留めていたのですが、3ミリメッシュはかなり剛性があるので、M3のナベネジと平ワッシャーの組み合わせが良さそうでした(たぶんこんなにネジを打たなくても大丈夫だと思います)。

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⇧抜いた板も取っておいて、冬はこれを使ってメッシュ部分をフタする予定。

 

もうひとつは、帰還するハチの着艦場所の改良。
着艦時に底板の木端に激突してしまうハチがときどきいるので、底板に傾斜をつけることで、木端への激突や底板の下側に回ってしまい底板のネット部分から入ろうとしてしまうハチ対策をしてみました。

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⇧木端に激突するハチがときどきいるので木端が見えないように、そして着地しやすいように傾斜をつけてみました。
それと巣門の開閉も蝶板ではなく、ハチを挟むことがない取り外し式に変更。

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⇧傾斜部分の裏側。こんな風にして傾斜面を固定しました。

そして気温の下がった夕方、無事、継箱の追加&巣門の差し替え、終了。

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⇧上原師匠の箱と重田師匠の箱はサイズが異なるので、アダプターを作り、木端をテーパーに削るなどして、他の巣箱と同じく重田巣箱のサイズに移行することにしました(2種類あると両方の箱のスペアが必要になってしまうので……)。

ところで上原師匠の巣門は底板にではなく、側壁の上の方にあります(アルミのプレートのすぐ下が巣門。アルミのプレートは分蜂直後に女王バチをしばらく箱内に監禁するために取り付けました)。
着地面積が小さく着地しにくそうにも思ったのですが、これがなかなかいい感じで、激突したり着地に失敗したりするハチを見たことがありませんでした(穴のすぐ下の木の部分にス~っと止まります)。

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巣門を上にあげてあるのは、スムシ対策だそうで、スムシの成虫は底板付近に卵を生み、そこを外勤バチが通ることで、ハチの体に卵が付き、上部の巣に卵を運んでしまうのではないか? との考察からだそうです。スムシによる害が酷くなったらこの方式、ぜひ試させていただきたいと思っています。

オウム事件に関しての高村薫の寄稿

党利党略まるだしの選挙制度改革案が強行採決され、まるでショック・ドクトリン(惨事便乗型資本主義)が始まってしまったのではないかと思うくらいにいろいろなことが連続的に起こる中、オウム事件に関する高村薫の寄稿が朝日新聞に載っていました。
数日前の宮台真司のオウムに入り公開処刑されたエリートたちと、忖度や改竄に走るいまのエリート官僚たちは同じ世代で、同じ迷走を出発点としているという考察にも共鳴したけれども、タブーをもろともしない高村薫の寄稿には大きな衝撃を受けました。
備忘録として、写真を貼っておきます。写真をクリックすると拡大します。

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幸せの赤いガムテープ

最近のヒット作は「幸せの赤いガムテープ」です。


家族で畑をやっていると、誰がどこに何を植えたか? 混迷を極めます。
カミさんがていねいにタネを播いたところを、娘が翌日、耕うんしてしまう、などという家族内戦争が勃発しかねない事態が発生したりすることがあるわけです。


そんな外交上のトラブルを未然に防ぐためには、タネを播いたらそこにタネを播いたということがひと目でわかる「タネ、播きました!」のラベルを立てておく、タネ取り用に残してある果菜には「これはタネ取り用、収穫するべからず!」という札を付けておく、という方法を、いつも仲がいい安曇野の夫婦から教えていただきました。
しかしそれでも問題は起こるもので、自分で植えた苗ならまだしも、他人が植えた苗がラベルと共に草の中に埋もれていたりすると、一瞬で「チュン」と刈り払われてしまいます。

売り言葉に買い言葉、鎌や刈払機を持っているときの過激な口争は危険です。

そして、ある日突然訪れるそんな家族崩壊の危機を未然に防ぐためのアイテムが「幸せの赤いガムテープ」。
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⇧これがその「幸せの赤いガムテープ」です。

テキトーな木の枝に、100均で売っている赤いガムテープを小さくちぎって貼り付けただけのものなのですが、これが今の季節、いい感じで目立ちます。

畑の中にあっても、こんな感じ。

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⇧この幸せの目印の下には、カボチャの苗が隠れていました。

小さな目印ですが、圧倒的な緑の中、赤い小さな目印はかなり目立ちます。とはいえ、ビニールテープだとなんとなくテクスチャーがよくなくて、小さく切った赤い(布の)ガムテープと普通の木の枝、というのがいい感じでオススメです。

家族で仲良く、幸せな農的暮らしをおくるための大切なアイデアチップでした。

コプリーヌは美味しい!

最近また我が家の食卓に、あらたな自然の恵みが加わりました。
コプリーヌことササクレトヨタケ。
これがコプリーヌの幼菌たち。
林立すると、まるでムーミンのニョロニョロみたいだったりします。

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堆肥がたくさん漉き込まれた日陰の畑に、ニョロニョロとなぜかたくさん出てきます。
いままで踏みつぶしたり、野菜に黒い汁がつかないようにと投げ捨てていたのに、いまでは不注意で踏んでしまうことがないように小さい内は、アーチを掛けていたりします。
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コプリーヌという名前なので、てっきりコプリンが入っているのだと思っていました。
夕食時にアルコールが欠かせない身としては耐え難く(←アル中だな!)、食材としては美味しいらしい、とは聞いていたのですがちょっと敬遠していたのでした(コプリンが作用する時間は長く、食後、一週間以上はお酒を控える必要があるそうです)。

ところが最近のDNA配列に基づく統学的解析の結果では、ササクレトヨタケはヒトヨタケ科ではなくハラタケ科のキノコで、調べてみたところコプリンは含有しておらず、お酒を飲んでもササクレトヨタケであれば激しい悪酔いを起こすようなことはない、とのこと(コプリンを含有しているとその働きでアルコール分解酵素が働かず、血中にアセトアルデヒトが蓄積されてしまうらしいです)。

しかもササクレトヨタケは、ハラタケ科の代表的な食菌であるツクリタケ(マシュルーム)に似た食味で、さらにコクや旨味がある、とのこと。

ということで、試してみたら、それ以来、すっかりハマってしまっています。酒の肴にいただいても大丈夫でした。

一番ポピュラーな食べ方は、ソテーかなぁ。
オリーブオイルで炒め、白ワインを加え、汁をある程度飛ばしてから、最後にバターとお醤油で味を整える、というのがオススメ。

いまちょうどビーツが収穫できているので、他のきのことと共にボルシチに入れたりもしてみましたが、サワークリームとの相性もよくて、これも絶品。
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また、コプリーヌには、ビタミンEの7,000倍と言われる抗酸化&抗老化効果をもつエルゴチオネインという物質を含み、美白効果やシワや肌荒れに対して改善効果があると言われていてサプリメントや化粧品の素材として注目されているそうです。


かなり特徴のあるキノコなので、キノコの好きな人は間違えることはないと思うけれども、白系のキノコということではドクツルタケやフクロツルタケなどとも同じなので、自信がない人はしっかり調べてから食べたほうがいいと思います。
ドクツルは、1本で3人死ねる致死量を含有しています。白いキノコで卵からキノコが出ていたら初心者の人は食べないほうがいいと思います。

見分け方のひとつとして、ササクレトヨタケは老菌がこんな感じで黒く溶けます。

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⇧ササクレトヨタケには、自家消化作用があり、黒い液体になって自らの体を溶かしてしまうという特徴があるのです。この状態でも茎は食べられるそうで、黒い部分をスープにする人もいるようだけど、我が家ではまだ挑戦していません。

 

ハラタケ科のキノコではあるけれど、成菌になると、ヒトヨタケ同様、ひと晩で溶けてなくなってしまうのがコプリーヌの特徴でもあります。
田舎には、なにもないけど、なんでもある。
コプリーヌは幻のキノコなどとも呼ばれているそうで、こんなキノコが食べられるのも、自然の豊かなところに暮らす者の特権、なのかもなぁ。大地よ、ありがとう!

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こちらはササクレトヨタケとアサリのパスタ。クリーム系のソースによく合います。

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ホント、このきのこは不思議なきのこで、ある日、突然、出現します。
しかもひと晩で溶けてしまうので、その日にすべて収穫し熱処理してしまわないといけません。そうしないと黒く溶けてしまうのです。