幸せの赤いガムテープ

最近のヒット作は「幸せの赤いガムテープ」です。


家族で畑をやっていると、誰がどこに何を植えたか? 混迷を極めます。
カミさんがていねいにタネを播いたところを、娘が翌日、耕うんしてしまう、などという家族内戦争が勃発しかねない事態が発生したりすることがあるわけです。


そんな外交上のトラブルを未然に防ぐためには、タネを播いたらそこにタネを播いたということがひと目でわかる「タネ、播きました!」のラベルを立てておく、タネ取り用に残してある果菜には「これはタネ取り用、収穫するべからず!」という札を付けておく、という方法を、いつも仲がいい安曇野の夫婦から教えていただきました。
しかしそれでも問題は起こるもので、自分で植えた苗ならまだしも、他人が植えた苗がラベルと共に草の中に埋もれていたりすると、一瞬で「チュン」と刈り払われてしまいます。

売り言葉に買い言葉、鎌や刈払機を持っているときの過激な口争は危険です。

そして、ある日突然訪れるそんな家族崩壊の危機を未然に防ぐためのアイテムが「幸せの赤いガムテープ」。
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⇧これがその「幸せの赤いガムテープ」です。

テキトーな木の枝に、100均で売っている赤いガムテープを小さくちぎって貼り付けただけのものなのですが、これが今の季節、いい感じで目立ちます。

畑の中にあっても、こんな感じ。

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⇧この幸せの目印の下には、カボチャの苗が隠れていました。

小さな目印ですが、圧倒的な緑の中、赤い小さな目印はかなり目立ちます。とはいえ、ビニールテープだとなんとなくテクスチャーがよくなくて、小さく切った赤い(布の)ガムテープと普通の木の枝、というのがいい感じでオススメです。

家族で仲良く、幸せな農的暮らしをおくるための大切なアイデアチップでした。

コプリーヌは美味しい!

最近また我が家の食卓に、あらたな自然の恵みが加わりました。
コプリーヌことササクレトヨタケ。
これがコプリーヌの幼菌たち。
林立すると、まるでムーミンのニョロニョロみたいだったりします。

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堆肥がたくさん漉き込まれた日陰の畑に、ニョロニョロとなぜかたくさん出てきます。
いままで踏みつぶしたり、野菜に黒い汁がつかないようにと投げ捨てていたのに、いまでは不注意で踏んでしまうことがないように小さい内は、アーチを掛けていたりします。
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コプリーヌという名前なので、てっきりコプリンが入っているのだと思っていました。
夕食時にアルコールが欠かせない身としては耐え難く(←アル中だな!)、食材としては美味しいらしい、とは聞いていたのですがちょっと敬遠していたのでした(コプリンが作用する時間は長く、食後、一週間以上はお酒を控える必要があるそうです)。

ところが最近のDNA配列に基づく統学的解析の結果では、ササクレトヨタケはヒトヨタケ科ではなくハラタケ科のキノコで、調べてみたところコプリンは含有しておらず、お酒を飲んでもササクレトヨタケであれば激しい悪酔いを起こすようなことはない、とのこと(コプリンを含有しているとその働きでアルコール分解酵素が働かず、血中にアセトアルデヒトが蓄積されてしまうらしいです)。

しかもササクレトヨタケは、ハラタケ科の代表的な食菌であるツクリタケ(マシュルーム)に似た食味で、さらにコクや旨味がある、とのこと。

ということで、試してみたら、それ以来、すっかりハマってしまっています。酒の肴にいただいても大丈夫でした。

一番ポピュラーな食べ方は、ソテーかなぁ。
オリーブオイルで炒め、白ワインを加え、汁をある程度飛ばしてから、最後にバターとお醤油で味を整える、というのがオススメ。

いまちょうどビーツが収穫できているので、他のきのことと共にボルシチに入れたりもしてみましたが、サワークリームとの相性もよくて、これも絶品。
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また、コプリーヌには、ビタミンEの7,000倍と言われる抗酸化&抗老化効果をもつエルゴチオネインという物質を含み、美白効果やシワや肌荒れに対して改善効果があると言われていてサプリメントや化粧品の素材として注目されているそうです。


かなり特徴のあるキノコなので、キノコの好きな人は間違えることはないと思うけれども、白系のキノコということではドクツルタケやフクロツルタケなどとも同じなので、自信がない人はしっかり調べてから食べたほうがいいと思います。
ドクツルは、1本で3人死ねる致死量を含有しています。白いキノコで卵からキノコが出ていたら初心者の人は食べないほうがいいと思います。

見分け方のひとつとして、ササクレトヨタケは老菌がこんな感じで黒く溶けます。

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⇧ササクレトヨタケには、自家消化作用があり、黒い液体になって自らの体を溶かしてしまうという特徴があるのです。この状態でも茎は食べられるそうで、黒い部分をスープにする人もいるようだけど、我が家ではまだ挑戦していません。

 

ハラタケ科のキノコではあるけれど、成菌になると、ヒトヨタケ同様、ひと晩で溶けてなくなってしまうのがコプリーヌの特徴でもあります。
田舎には、なにもないけど、なんでもある。
コプリーヌは幻のキノコなどとも呼ばれているそうで、こんなキノコが食べられるのも、自然の豊かなところに暮らす者の特権、なのかもなぁ。大地よ、ありがとう!

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こちらはササクレトヨタケとアサリのパスタ。クリーム系のソースによく合います。

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ホント、このきのこは不思議なきのこで、ある日、突然、出現します。
しかもひと晩で溶けてしまうので、その日にすべて収穫し熱処理してしまわないといけません。そうしないと黒く溶けてしまうのです。

200円で作れる?蜂球捕獲器とアジャスタブル巣門

なんだかこのところ、ハチの話ばかりでゴメンナサイ!
でも、こりずに今回もまた、ミツバチの話です。ゴメン。

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ミツバチは巣分かれする際、こども(新女王)ではなく、親(母女王)がこどもに巣を託して家を出ます。「心優しい思いやりある行為」と受け取ることもできますが、「理にかなっている」との見方もできます。
ところで、今年の春、巣分かれした女王バチ(母女王であることが多い)が新しく作った巣で再び新女王バチを生み、仲間を連れて再び自分が巣からでていくことを孫分蜂といいます。分蜂する女王についていく働き蜂と巣に残る働き蜂はどうやってわかれるのか、気になるところですが、研究が進んでいると言われるミツバチでも、まだ分かっていないことが実はたくさんあったりします。

そしてなぜか、今年は孫分蜂が盛んで、このところは、分蜂したハチの捕獲と巣箱づくりに追われていました。

ハチを極力傷つけず、うまく優しく捕獲し、巣箱に誘導することができると、その群れは人に慣れた優しい群れになるのですが、捕獲に手間取り手荒なことをするはめになったり、あるいはハチをなにかのアクシデントでつぶしてしまったりすると、その群れは攻撃的な群れになる感じがします。
ハチはある種の記憶力が非常によくて、ヒトの個体の同定とそのヒトがどんなことをしたかをしっかり覚えているみたいなんだよなぁ。

 

というわけで、「ていねいに優しくハチたちをつかまえ、巣箱に誘導するにはどうしたらいいか?」がもっかの課題で、朝から晩まで、起きている間だけでなく寝ているときの夢の中でまで、そのことを考えているという日々が続いていたのでした(バレーボールをしていて私が打ったサーブはもの凄い変化球になりだれもレシーブできないのだけれど、それが実はボールではなく蜂球だということに相手チームはまだ気が付かない、というヘンテコリンな夢をみました)。


そんなわけで(ダイヤモンドヤスリを買いに)100円ショップに行ったときも、ところかまわずあたりをキョロキョロ。あとから考えるとまるで不審者だったろうなぁ。さらには、商品棚とひとり向かい合いながら独り言をブツブツつぶやくヤバいオッサンになっていました(話は違うけど、100円ショップのダイヤモンドヤスリ、あれ、農具などの刃物研ぎに凄くいいですよ)。

ところで蜂球ですが、我が家の場合、すぐ近くに大きなエノキの木があって、蜂球はそのエノキの幹にできます。表面がザラザラな上、凸凹した太枝なので、これまで使っていた志賀昆虫の折りたたみ捕虫網では取りこぼしが多かったのでした。

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⇧分蜂群の第一集合場所にできた蜂球。まさにバレーボール大なのです。

 

で、蜂球ができている枝の曲面にネットの縁をどうやって密着させ、取りこぼし少なくハチをネットの中に取り込むか、それが課題なのでした。 

柔軟性があって、しかもある程度コシがあり、ハチを傷つけにくいもの。素材としてはシリコンあたりが良さそうだなぁ、と以前から思っていたのですが、まさにピッタリなものを100円ショップで見つけました。
そしてそれに組み合わせるネットも。
⇩これらがそれ。

f:id:musikusanouen:20180623222815j:plain⇧シリコン製の洗濯物用バスケットと、背高タイプの扇風機を仕舞っておくときの不織布でできたカバー。いずれも100円(正確には108円)。

洗濯物用のシリコンバスケットは底を切り抜いて使用します(「カエシ」の役もするので底は小さめに切り抜いたほうがいいことがあとで判明)。扇風機のカバーの下から3分の2くらいの位置に、ヒモを上の写真のようにセットします。

不織布のネットに、底を抜いたバスケットを、こんな感じにセットします。

f:id:musikusanouen:20180623222822j:plain⇧水色のヒモは本来は扇風機にカバーを固定するためのもので、ちょうど都合のいい位置に付いていました。

そして、こんな風にして使います。

f:id:musikusanouen:20180623222826j:plain⇧ずっしりと重いくらい。すでにほとんどのハチが、ネットの底に落ちています。女王様さえしっかり捕獲できれば、少しくらいは取りこぼしが合っても問題ないのだけれど(取りこぼしがあって、その一部が元巣に戻ることで、そのハチが次の分蜂のときも同じ第一集合場所に誘導してくれる、という説もあります)。

捕まえたら、こんな感じでネットをセットします。この時点では、不織布に取り付けた白いヒモは絞ったままの状態で、巣箱を上にセットしてからヒモを緩めて開放します。すると、ハチたちはスルスルと上の巣箱に登っていってくれるのです。

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⇩ネットの上に箱をセットし、ネット内でハチの上昇を阻んでいたヒモを解いているところ。

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⇧箱の下にネットをセットできたので、真ん中のヒモをほどいてあげます。すると、かなり素直に巣箱に吸い込まれていくのでした。でもスキマがあるとそこから一部のハチが外に出てしまい、中に入れなくなり混乱するのでした。


そんなわけで捕獲器を少し改良。

スキマができないように、巣箱の底のサイズに合わせて、四角い台を作ってみました。f:id:musikusanouen:20180623222842j:plain
そしてこれがかなりいい感じ。
こんな感じでセットします。

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箱を載せるとこんな感じ。

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⇧ひっぱるヒモの部分にも赤いテープを貼り、あわてて違うヒモを引っ張ってしまわないように改良。
おかげで、手際よく取り残しも少なく捕まえることができるようになったのです、が、ニホンミツバチの世界はなんとも奥深くて、スピーディーに作業ができればそれでいいのか? というとどうもそういうことでもないようなのです。
蜂球をネットに落としたあと、すぐに巣箱に移動させず、数時間のインターバルを置いてから巣箱に入れたほうがいい、という説もあって、そうしないと移動場所のリセットができず、最初にみんなで決めた移動場所(←これがまた面白いところなのだけれど長くなるのでまた別の機会に)に移動してしまうことが多いとのこと。


このところの成績は、2勝2敗1分け。うまく定住してくれたのが2群で、翌日までに逃げられてしまったのが2群。そして箱に取り込んだにもかかわらず、どうも元いた巣に戻ってしまった(と思われる)群れが1群。

大切なのは蜂球の中に「女王バチがいる」ということと、取り込んだ巣箱を「気に入ってくれる」ということのようでした。

とはいえ、いつ女王が蜂球に加わったのか?を見極めるのは初心者の私には難しく、一斉に飛び立たれては大変! とついつい早めに取り込んでしまうのでした(蜂球の外側の温度で見極めるという方法もあるそうで、次回は赤外線温度計でやってみようと思っています)。

取り込んだ後は、巣門の高さを3.8ミリに調整し、しばらく女王バチを閉じ込めます。この高さだと、働き蜂は出れるけれども、体の大きな女王バチは出れない、のです。ただ、このサイズだと働き蜂よりもサイズの大きなオスバチも巣門を通ることができず、同じオスとしはちょっと可愛そうに思えてしまって(オスが邪魔で働き蜂たちも迷惑そうなので)、ぎりぎりオスバチも通ることのできるサイズに調整したりもしました。
それが失敗だったのか、和蜂なのに巣門の表示を英語で書いてしまったのがいけなかったのか、この群れは翌朝までにいなくなってしまっていました。

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⇧顔が真っ黒なのがオスバチ。働き蜂たちは通れるけれども、3.8ミリだと雄は通れないようで、顔だけ出して「出してくれ~」と必死に訴えるのでした。

しかしそれにしても、飼ってみないと分からないことはたくさんあるものです。オスも分蜂する群の中に混ざっていて一緒に出ていくなんて、思いもよりませんでした。どうやって決まるのかなぁ、出ていく人と残る人。

それともうひとつ。雨が降ったり夜露が降りたりすると、木が膨張して巣門の高さが高くなってしまうという話もあって、上下ともに金属でできている調整式巣門も作ってみました。

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準備万端、次は良さそう! と思って待ち構えているのですが、そう思える頃には孫分蜂シーズンも終わりに近づいてしまい、課題は来年まで持ち越しになりそうです。

このところは、ヒマさえあればタイムを株分けし、畑や道のアチラコチラに植えています。「やっとハチから抜け出せた」と家族は思っているのかも知れませんが、クリーピングタイムはミツバチにとっての貴重な蜜源植物なのです。
ヒトはハチをうまくつかまえることができないけれど、ハチたちはヒトの心をしっかりとつかまえなかなか放してはくれません。

 

ニホンミツバチ逃亡か?

朝、起きて、その日に着ようと思っていたチノパンに足を通してみたら、大きなかぎ裂き穴があることが判明。
寝間着であるスエットパンツをもう一度履くのはなんだかモッタイナイ気がして、パンツ一丁でミシンの前に座り、かぎ裂き穴をアイロンテープで仮止めしたあと、ミシンでジグザグステッチをしていたら、なにやらどこからか叫び声が聞こえたのでした。


声の主は、カモミールの収穫で畑に行った娘。
「どうしたぁ~?」って叫び返したら、「エノキに蜂球ができてるよぉ~」とのこと。

とっさに、逃げられた! と思ったのでした。


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孫分蜂したハチの群れを収容した巣箱に、アカリンダニ対策のためのメントールを入れたばかりだったので、その箱のハチたちが逃亡を図った模様。
メントールはアカリンダニ対策として有効なのですが、ニホンミツバチもその強すぎる臭いを嫌うようなのです。
パンツ一丁で階段を降りかけ、こんな格好で行ったらまずい……と、慌ててズボンを履き、霧吹きを持って駆けつけたのでした。
まずは、蜂球に霧吹きで霧を吹きかけます。ハネが濡れてしまうと飛びにくいので、蜂球が逃避するまでの時間を稼げるのです。教えてくれた重田師匠いわく、こんなに濡らしてしまって大丈夫なのだろうか? というくらいに濡らしていいとのこと。蜂球がシットリするほどに霧を吹きかけたあと、捕獲のための作戦を立てることにしました。
まずは、逃げたと思われる箱の内見。
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⇧巣門の入り口に携帯電話をツッコミ箱の中の写真を撮ってみたら、ハチさんたち、ちゃんといるのです。

あれ? と思いつつ、隣の巣箱の巣門を開けてみたら、オスバチが羽化したあとのフタが落ちていたのでした。

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トウヨウミツバチ独特の真ん中に小さな穴の空いたフタが落ちていました。

天井側を撮影して見ると……、
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ハチの数も少なくなっているようで、どうもこの箱の群れが再び孫分蜂したようなのです。右側の少し巣が見えているあたりに王台? 新女王の部屋があるのだろうか?

 

2回目の孫分蜂! これはありがたい、と喜んだのもつかの間、逃去でないとすると巣箱を新たに用意しなければなりません、が、ありません。
サイズは異なるのですが、上原師匠からお借りしていた待ち箱があったので、そこに入居してもらうことにしました。


ところで前回、巣箱の下にネットをセットするのに巣箱を持ち上げなければならずそれが大変だったのでその反省を踏まえ、今回は分蜂群に入ってもらう箱を宙吊りにして下からネットを添える、という作戦で行くことにしました。
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⇧しかし実際に試してみたらこれ、うまくいきませんでした。両サイドを台の肩にかける方法だと、ネットをセットするのに巣箱を持ち上げなければいけないのですが、台と巣箱の間にネットを挟む形になるので巣箱とネットの間にスキマはできなかったのでした。ところが、巣箱を宙吊りにして下からネットを被せると巣箱とネットの間に隙間ができて巣箱の外側にハチたちは集結してしまうのでした。

(このあたり、かなり慌てていたので残念ながら写真はありません)。

仕方ないので、厚手のゴム手袋をした手でハチたちを包み込み、逆さまにした箱に落とすようにして入ってもらいました。
一番大きな塊を入れたら、その中に女王が入っていたのか、周囲を飛びまわっているハチも、最初に蜂球になったエノキの枝に戻っていたハチも10分ほどで巣箱に誘導されていきました。女王バチが集合フェロモンのようなものを出しているのでしょうか?

あらかたのハチが巣箱に入ったところ、巣門に「女王さまゴメン!」(可変巣門すきまプレート)を取付けました。
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⇧どうにか収まってくれた2回めの孫分蜂群。

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スマートフォンで内部を撮ってみたら、こんな感じで天井に止まっていました。

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ということで期せずして、巣箱は4つになりました。
少しすれば継箱もするようだし、巣門や継箱の予備を作って置かなくちゃなぁ。

農作業も佳境に入り、忙しい、じゃなかった、充実した毎日を送っています。

「女王さまゴメン!」の製作と「孫分蜂」

完全に不意をつかれたのでした。
やっとこさユンボのエンジンがかかり、さて明後日のオープンデイの準備(とはいっても主には草刈りですが)を、とちょっと焦っていたところで、なんとなんとの「孫分蜂」。

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⇧気がついたら、巣箱のすぐ上のエノキの太枝にできていたハチ玉。

つい先日、継箱したばかりだし、と安心していたところでのまさかの孫分蜂だったのでした。せっかくの交尾済み母女王様に逃げられては大変、と、必死に取り込みました。
忘れない内にとりあえずの記録のために手順を書いておくことにします。


師匠に電話し、電話であらかたの手順を教えてもらい、念のため、面布と手袋をして作業をはじめました。

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まず最初に用意したのは霧吹き。霧吹きでハチ玉を十分に濡らします。これは、すぐに逃げないための裏技。羽根が濡れていると飛びにくいので、どこに引っ越しするの多数決が早く決まったとしても、ある程度の時間稼ぎができるのだそうです。
その間に、捕虫網と取り込む箱、箱を置く台、ヒモ、などを用意。

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⇧40年くらい使い続けていた志賀昆虫の42口径ネットはこのところのスズメバチとの格闘でそこらじゅう穴だらけだったのでつい先日、ネットの部分だけ新調したばかり。蜂球がネット中に落ちるとずっしり、捕虫網の枠がしなるほどの重さで、古いネットだとそのまま大穴があいて抜けていたかも! 

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⇧1回では取り切れなかったので、網の中のハチが箱の中にあらかた移るのを待って、3回ネットで取り込みました。そこまでしっかり捕虫網で捕獲しなくても、女王と本体が箱の中に入れば、近くに箱をおいておけば入ってくれるのかもしれません。

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⇧こんな感じで底板を外した重箱式巣箱を一斗缶の間に置いて、取り込みました。
42口径のネットだと箱にすっぽり通すことができるので便利でした。
蜂球をネットに落とし、その後すぐにネットを真ん中あたりで縛りハチが出れないようにしてから、底板を外してある巣箱に下から被せるというのが良さそうです。蜂球の入ったネットで巣箱を下から半分くらいまで覆い、ネットと箱の間にスキマができないようにヒモでネットを縛りつけました。
こうすると蜂球から落ちたハチは上に登っていく性質があるので、そのまま箱に入ってくれます。必ずしもヒモでしばって隙間をなくさなくても、入っていく感じでした。

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⇧あらかた入ったら、底板をしてビールケースの上にセット。この状態で、置いておくと近くをブンブン飛びまわっていたハチたちはほとんど中に入ってくれました。

 

強制的に巣箱に取りこんだ場合、その巣箱が気に入らないと逃げてしまうことがあるそうです。
そこで普通は「ハチマイッタ」という(ちょっと不遜な響きの)トラップを巣門に付けます。これは女王さまが他の働き蜂よりも体が大きいことを利用したトラップで、巣門の高さを4ミリ弱にすることで、働き蜂たちはかろうじて出入りできるけれども、女王さまは出れず、数日この状態で女王さまを閉じ込めることで、あきらめてここで巣作りをはじめてもらおう、というもの。

でも、不意打ちだったので「ハチマイッタ」など持っているわけもなく、しかたないのでそこらにあったアルミプレート(サッシの端材)で可変巣門を作ることにしました。

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⇧取り付け穴を長穴にすることで、巣門の高さを調整できるという仕掛け。
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⇧厚さ3.8ミリのシックネスゲージをつくり、それを差し込んだ状態で長穴に挿したナベネジを締め込むことで、3.8ミリの高さで巣門を固定することができるという仕掛けです。名付けて「女王さまゴメン!」。

ちょっときつそうだけど、どうにか働き蜂たちは通り抜けできて、エノキの太枝に残っていた働き蜂たちも「女王さまゴメン!」を通り抜け、箱の中に入ってくれました。

 

夕方になって落ち着いたところで、携帯電話を巣門から差し込み、内部の写真を撮りました。
「はい、チーズ!」
最近の携帯は音声入力でシャッターを切れてとても便利だったりします。

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⇧これは別の箱での写真です。

内部を撮影してみたらこんな感じでした。

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⇧下の黒い針金は二段目の重箱の巣落ち防止針金。一番上の重箱の針金は見えないほどに中にはハチがいることが分かりました。

そしてこちらは、分蜂され、残されたハチたち。もうすでに新しい女王さまはうまれているのか? それともこれから生まれてくるのでしょうか? こちらも予想以上にたくさんのハチがいます。

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⇧上から三段目の巣落ち防止用竹ひごのあたりまでハチがいます。


雄蜂が少なくなっているこの時期に、うまく結婚飛行で交尾できるか? 
孫分蜂は、残された新女王の群れの方に試練が待ち受けています。
さて、この先、どうなるんだろう?

キジとアオダイショウ

周囲はいま、緑一色なのですが、大麦畑だけは別。
ナウシカが青い衣をまとって降り立った野のように金色に輝いているのでした。

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自然の中で暮らしていると、毎日、驚異なできごとの連続だったりします。
きょうも驚きの光景を目にしてしまいました。
キジがアオダイショウの幼蛇を襲い、食べてしまう、という話はときどき耳にします。
でも、今回はちょっとそれとは違いました。
こんなこともある、という生態記録のためにネットにあげておこうと思います。

(でも、この先、かなり刺激的な写真があります。苦手な方は見ないほうがいいと思います)。

 

 

 

 

 

 

畑で作業をしていたら、モズの騒ぐ声。
と共に、木がガサガサ揺れていたのでした。

近づいてみたらなんと……、
巨大なアオダイショウがキジを捕まえていたのでした。

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このアオダイショウはこれまでも何度か目撃していて、手の腕くらいの太さの巨大なのがいる、ということは知っていたのですが、まさかキジを捕らえるとは……。

畑の脇のカエデの林床を縄張りとしているキジがいて、夕方遅くまで作業をしていると、見通しのいいところに出てきて、テリトリー確認のためか「ケン、ボロボロ」(「ケン」は鳴き声で「ボロボロ」は「ほろ打ち」の音)で周囲の縄張りのオスと鳴き交わしをするキジがいたのですが、捕まってしまったのは、そのいつもの顔見知りのキジなのだろうか……。

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⇧よく見ると、キジの胴体のあたりにもヘビが体を巻き付いていたりします。

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しばらく見ていたのですが、硬直状態が続き、ときどきキジが羽根をバタバタさせるくらいで、動きはあまりありませんでした。

仕事もあるので、また少ししたら見に来ようと思い、1時間くらい時間をあけて見に行ったのですが、そのときには影も形もなくなっていました。その後、居そうなところをかなり念入りに探したのですが見つかりませんでした。

ところが、夕方になるといつものところで「ケン、ボロボロ」といつもの通りに鳴き交わしをしているキジがいました。
巣を守るために、巣とは違う方向にアオダイショウをおびき寄せ、わざと巻かれていたのか?
それともヘビに捕まっていたのはいつものキジとは別のキジで、すでにヘビに飲まれてしまったのか?
いろいろ探したのですが、見つかりませんでした。

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⇧ヘビに巻かれていたときのキジ。何を考えていたのだろうか……。

キアシドクガとアゲハモドキ

つい先日まで、ミズキのある林に入ると、カサコソ、カサコソ、風もないのに絶え間なくかすかな音が聞こえていたのでした。
これらはミズキを食樹とするとキアシドクガという蛾の幼虫が、木の上から落とした糞が林床の草や地面に当たる音。とにかく今年は猛烈な数。

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⇧樹高10m以上のミズキがどこも丸坊主。右の木はかすかに花だけが残った状態のミズキ。どうも花は美味しくないらしい……。

キアシドクガの幼虫はなぜか蛹化する際、食樹であるミズキから離れ、人工物を好んで蛹化します。

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⇧廃材置き場の単管パイプには不用意に握れないほどの蛹が付いていました。


そしておとといから(6月1日から)、ついにキアシドクガの羽化がはじまりました。
でもこの蛾、分類学上「ドクガ科」というだけで「キアシドクガ」と命名されてしまったのですが、幼虫も蛹も成虫も毒はもっていません(キアシシロガにして欲しかった)。成虫はどちらかというと、華奢な感じの弱々しさを秘めた蛾で、林の樹冠をヒラヒラ飛ぶ姿は、幽玄な感じさえあります。

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⇧これが羽化直後のキアシドクガ。前足が黄色いのが分かるでしょうか?

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⇧光線の具合によっては、シルバーに輝くパールホワイトの羽根を持った瀟洒な蛾です。


ここのところ発生量の多い年が続いていたのですが、おそらく今年は近年にない大発生。ミズキの大木が丸坊主にされてしまうくらいに大量に発生しています。
白くて目立つ蛾なので、シロヒトリの仲間(特にアメリカシロヒトリ)と間違えられ、かぶれや炎症の濡れ衣を着せられそうだけど、今の時期、何かにかぶれたとしても樹上をヒラヒラ飛ぶこの黄色い足の蛾の可能性はまずないと思います(いつも素手で触っていますが、かぶれたことはありません)。

ところでキアシドクガの大発生でちょっと心配になるのが、アゲハモドキという別の蛾のことなのでした。
アゲハモドキは、キアシドクガと同じく、主にミズキを食樹としています。そのミズキを丸坊主にされてしまうと、アゲハモドキの分の葉っぱがなくなってしまうのではないか?と心配になっていたのでした(アゲハモドキの幼虫は前衛芸術のようで、幼虫もまた素敵だったりします)。
でも、それはどうも取り越し苦労でした。自然の生態系はうまくできています。キアシドクガがミズキを丸坊主にする少し前に、アゲハモドキは蛹になっていたようで(大発生することの少ないアゲハモドキの方が発生サイクルが少し早い)、今年も元気な姿を見せてくれました。

ウマノスズクサという毒草のアルカロイドを蓄え、天敵の鳥から身を護るというジャコウアゲハという蝶がいるのですが、アゲハモドキはそのジャコウアゲハに擬態し、天敵から身を守っている、と言われています。

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⇧この角度からだと、虫好きでも一瞬、ジャコウアゲハの春型(赤紋タイプ)と見間違えるのではないでしょうか? 胴体にまで赤紋があってかなり似ています。

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⇧羽根の動かし方や飛び方もジャコウアゲハオナガアゲハにそっくり。ただし、サイズはかなり小型です。


クサギの花に集まるオナガアゲハ

⇧羽根の動かし方なども、アゲハモドキジャコウアゲハオナガアゲハにそっくり。この動画に移っているのはオナガアゲハで、このときは十数頭が乱舞していました。

ところでウィキペディアによると、「南方系の蝶であるジャコウアゲハが生息しない北海道などにも本種(アゲハモドキ)は生息していることから、(ジャコウアゲハ)への擬態については疑問の声もある」と記載されています。
たしかにこのあたりにもウマノスズクサはなく、ジャコウアゲハもいないのだけれども、その一方、オナガアゲハはたくさんいます。アゲハモドキは、「ジャコウアゲハに擬態したオナガアゲハ」に擬態しているとの見方もできるように思います。それに鳥は「渡り」をするので南方で学習したことを、北に渡ってきても覚えている、という可能性もあるように思います。
さらには、多くの図鑑で「オナガアゲハは毒を持つジャコウアゲハに擬態している」と記載されているのですが、オナガアゲハの食草であるコクサギも、かつては汲み取りトイレのウジ殺しに使われたり、牛馬のシラミ殺しに使われていたりしていて、かなり強いアルカロイドを含んでいるようで、オナガアゲハもそれを蓄積していて、オナガアゲハ自身が鳥が嫌がる毒を持つ蝶である可能性もあるように思うのです。
この種の自己防衛遺伝子は、捕食者である鳥の学習能力に頼るわけだから鳥を殺してしまうほどの毒性ではないはず……、ということで、オナガアゲハをニワトリに食べさせてみてその反応を見たい、とチラッと思ったりもするけど、思うだけで、どちらも可愛くてできずにいるのでした。